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Ragura Floating World73

エノクです

アスとの
出会いで
始まった春

母親から剣術
習ってるから
犯人を撃退
するくらいは
出来たらしい

ベクターBOXを
普段使わないから
木刀は格納して
無いので
どうしようか
考えてたそうで

アス
「ありがと、
助けてくれて」
エノク
「良いの良いの」

とりあえず
コンビニの
強盗騒ぎは
二人だけの秘密に
なりました

公園で
仲良く話してたら
お昼

なのでアスとは
此処で別れた




家に帰る

玄関の靴の数‥

リビングが
賑やかだ

あっちハハ達が
来ていて
ママと一杯
やって談笑
し合っている



目が点になった

エノク
「ハハ、いらっしゃい」
マナ
「どう?変わりない?」
エノク
「はい!」

私の
魔力腺の退化
車椅子生活

以来
心配で仕方
なかった
そうで

私の
完全復帰
祝い酒で
乾杯
あっチチ
(ラド)もいた

ラド
「昼間からお前ら」
エノク
「チチ、いらっしゃい!」
ラド
「おう、風は掴んだか?」


エノク
「ええ、バッチリ!」

風の魔法の
おかげで
髪を乾かすのが
早い

あっチチは
カッコいい

風を掴む為に
昔はバンダナ
してたけど
今は髪で
分かるとか

あっちハハが昔
悪漢に助けられた
恋バナを聞かせて
くれた

風のイメージは
吹く力
断層を生む力で
生成される

断層を生む
エネルギーは
ルーンの圧縮率で
切り替えてイメージ

エノク
「て、感じ?」
ラド
「お!分かってきたな」
エノク
「チチはお酒飲まないでね」
ラド
「飲めるか」

飲んだら
バーサーカーに
なるとか

前例以来
飲まなくなった

チチが
お土産買って
来たから食えと
自慢のたい焼きを
促進して来たので
私はお茶と
一緒に頬張る

美味しい

マナ
「にしたっても」
「何故車椅子?」
マヤ
「筋力低下だってば」
マナ
「それは分かるけど
筋力が低下する程の
代償っておかしいわね」
マヤ
「そうは言うけど
‥ねぇ?」


はっきりとした
理由は無い

おそらく
一点集中の
破壊の流れ

圧縮破壊の
萎縮効果による
代償
なのか

私は推測でしか
答えられない

ラド
「自分の事は
自分で分かる、か」
マナ
「エノク‥どんどん
萎縮してる感じ?」
エノク
「それは無いけど
一気に来た感じだった」
マヤ
「心配したのよ
もう長くは無いんじゃ
ないかって」
エノク
「迷惑かけたく
なかったし
トイレくらいとかは
自分で出来たでしょ」


風呂や
排泄は自分で
出来たのか
聞いて来る

顔真っ赤になる

やめて下さい
自分でしました

細い腕で
大変だったけど
乗り越えて
此処まで来た

ちなみに
足が動き
出したのは
雷魔法の
小さな刺激療法に
よるもので
筋力低下を
防いでいたから

エノク
「だからリハビリの後
とかやってたの」
マヤ
「環境も充実
してたおかげね」
エノク
「そうそう」

医学療法も
大きな病院だし
簡単に匙を
投げる様な
医師もいなかった


エノク
「先生のおかげ」
マナ
「それなら安心したわ」
ラド
「エノクは魔闘家
向きかもしれんな
教え甲斐もある」
エノク
「えへへ、ありがとう」


そんな談笑
しながら
安心して
帰って行った

感謝しか無い



二つ目の
たい焼きを
食べ始めた頃
私はママに
呟いた

正直な気持ち

エノク
「プライバシーで
恥ずかしい思い
するとは思わ
なかったです」
マヤ
「それだけアンタが
可愛いからよ」
エノク
「ママ、私‥これからも
迷惑かけるかも」
マヤ
「アンタねぇ」

ママは親子は
貸主借主だと言う

親の愛を
受けて
自立した時が
借主

年と共に
衰えた親の愛を
返す様になる時が
貸主

マヤ
「難しい話や義務じゃ
無いの
ありのままの
家族で助け合う関係」
「そう言うのが
借主貸主ってだけ」

自分なりに精一杯
分かろうとする
私の気持ちは
母親として
切ないくらい
理解して来たと
ママは話す

此処で私の
涙腺は一気に
緩んだ

エノク
「ママ‥」
マヤ
「たい焼きまだ
こんなにあるから
カズにも協力
させる様にね」

笑うママの愛

そう無い
親の愛を受け
私は生かされている

涙ながら
頬張る
たい焼きが

切ない程に
美味しかった

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