蒼穹の見聞録34
エノクです
義体に
用は
なくなったと
先生が
説明する
ラドゥ
「固有結界から、解放する」
「片割れの魂と同調させ、ランデブーが可能になる様、引き合わせる」
遥華
「幾つもの世界線を越える、長い旅になるでしょう」
「けれど、大丈夫です。エノクならば、ラグラへと辿り着く事ができると信じています」
蒼穹と
別れの時
エノク
「私は人間として生きなきゃ」
「蒼穹、私‥」
蒼穹
「エノク。蒼穹は、エノクを決して見捨てない。忘れもしないっス」
エノク
「ん‥私ね。貴女と姉妹か双子として誕生したら、きっと‥」
「 」
涙が
溢れた
エノク
「もし、そうなら‥どれだけ‥」
蒼穹
「エノク」
「姉妹や双子だったら、どう違うんスか?」
エノク
「血の繋がりを感じるから」
蒼穹
「血の繋がりだけが、全てでは無いスよ。エノク」
「今、この瞬間こその繋がりだって、人となれば忘れてしまうんスよ」
遥華
「そして、いつしか‥長い悠久の時を経て、思い出せば良いのです」
そうだ
それで良い
準備は
出来た
ラドゥ
「義体と、固有結界との接続から、解放する」
「準備は、良いか?」
エノク
「はい!」
義体の
有効期限を
終了
私の身体が
ガラスの様に
砕ける
長い髪が
後頭部が
欠片となって
消えていく
その時だった
再び
暗雲が
増大していく
侵食者⁈
ラドゥ
「構うな!行け‼︎エノク‼︎」
「奈落に向かい、進め‼︎」
遥華
「私達で援護します。等加速度で奈落を進むのですよ。エノク」
堕天運動の
等加速度は
ドブ沼の
嵐から
無限の
漆黒へと
視界を
奪う
行く手を
阻む
その先に
私の
思い描く
ラグラがある
魂の
姿となった
私は
聖釘を
数本出し
自立援護
させる
私は
天魔の章
もう
半分は
神殺しの章
私に
死角など
無い
侵食者の
激しい
追撃
攻防戦が
展開される
それでも
私は
振り返る事が
出来なかった
もう
後戻りは
出来ない
ママや
先生
蒼穹
輪廻の砦の
皆の
無事を
願う
フィー
ブロッサム様
親分先生
プル
金閣 銀閣
おまる
オオノケ
シシバヒコ
果て無い
旅路が
始まった
次回
最終話
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