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神様と語る 小説

気が付けば

私は
御神前に
立っていた

檜の香る
新しい
神前だ

嗚呼

招待された

御礼の
ご挨拶の為
神の御前に
向き直る

ところが

浮かない
表情で
天狗様は
佇んでいる

私は
尋ねた

天狗様は
語る

天狗様
「どんなに立派な神前でも
それを決めつけるのは
人間なんだよ」

人間の
決めつけ

後の
等価交換の
本質を悟る
一説を
私は語る


「借り主貸し主の
境目がそこで
決まって
しまうのですね」

天狗様は
目を見開き
尋ねる

天狗様
「分かるのかね?」

私は笑顔で
答える


「ママの教育の
おかげです」

天狗様が
嬉しそうに
尋ねた

天狗様
「ママが分かるのかね」


「はい!」

もう少し
語りたい

その願いを
裂く様に
神主が現れた

神主
「泊まるのは構わないが
そのバッグで来るのは
ご遠慮願いたい」

明らかに
雰囲気が違う

天狗様が
苦笑いする

天狗様
「これも決めつけ
なんだよね」

神主には
不愉快だが
此処までと
分かった

私は
天狗様に
一礼して

御神前を
後にした


夢の中こそ
侮るなかれ

後日父に
実家の
集落にある
神社の事を聞く

神主は他界

後継で
受け継いだ
者が今では
神主だと言う

故人の
神主まで
出るとは

後に小説

「精神世界物語」

等価交換を
執筆したのは
言うまでも無い

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