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lost kingdom24

僕はエイド

姉である
カナ

従者の
トイを紹介
すると言う

応接室を後に
廊下を歩く

カナ
「トイは何か知っている筈」
エイド
「僕は下界で生まれ育った身
彼の事はよく知らないよ」
カナ
「私は、国は滅んだと
教えられたの」
「崩落なんて一度も
聞いてないわ」


エイド
「 」

姉、カナが
ドアをノック

扉を開けると
寝たきりの
トイが
ゆっくり
此方を見る

トイ
「姫君‥そちらは?」
カナ
「髪の色で分かる筈よ」
「弟を下界から救済したわ」


トイ
「嗚呼‥」
カナ
「私に隠し事なんて」
トイ
「下界との連絡は
一切ありません」
カナ
「それでも真実を語る
くらいは出来た筈よ」
トイ
「では‥姫君ならば
どうなされましたか?」


カナ
「 」
トイ
「届かぬ下界‥王も王妃も
奈落に分断された現状」

トイが
咳き込む

これ以上は
尋問

休ませた方が
良いようだ

彼は日に日に
弱っている

アンドロイドに任せ
部屋を後にした

カナ
「両親は、どんな人?」
エイド
「堅実」
「だから危険も少ない
生活をして来た」
「危機回避の為に
あのアンドロイドを放って」


王家として
ではなく
自給自足
出来る範囲の
生活

カナ
「あれ程の多脚
アンドロイドが
徘徊して危険は
無かったの?」


エイド
「彼らが居なければ
あの崩落を生き延びる
事は出来なかった」
「堅実派のアンドロイドが
分断するとは思ってなかったが」


カナ
「 」
「王族の血を持つ
エノクを狙うなんて‥
終焉派は欠陥は
無かったのかしら?」


残った僕の
存続を

アンドロイド達が
議論を始め

意見は
二つに
割れた


存続か
終焉か

割れた
信念は
交戦の結果

終焉へと
委ねられた



再び
応接室に
戻る

これまでの
経緯が
見えて来た

エイド
「そこへエノクが
現れた」


トマリ
「なるほど‥そうか!」
「バムイ族の混血が
エノクを異端侵入と判断した
襲ったのはそれだ」


カナ
「そんな‥⁈」
「危うくアンドロイドに
命を奪われるところ
だった理由が⁈」



その時だった

地響きの
音と共に

エノクが
バタバタ
駆けつけた

エノク
「ママ!でっかい穴!」
「遺跡全部落ちた!」


カナ
「え⁈」
トマリ
「城の跡地まで⁈」

僕らは
急いで
外へと
向かった




全長
300mの
攻防神すら
丸呑みする
アビスが

目の前に
広がる

カナ
「こんなに‥エノク
この一帯はまさか
穴だらけなの?」
エノク
「よく分からない」
「多分崩落」


トマリ
「アンドロイドが地盤が
緩いとか言ってたな」
カナ
「あのまま改築してたら」
トマリ
「間違い無く下界へ
真っ逆さまだ」
エノク
「ん」
「FAPUSは?」
カナ
「 」
エイド
「FAPUSがどうかしたかい?」
エノク
「下界のアンドロイド
退治に向かったの」
エイド
「それじゃ‥あの崩落で⁈」

崩落現場の
規模が
予想より
大きく

戻って来た
FAPUSは
一機も
無かった

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