見出し画像

半霊半物少女

The blue sky of the outlook
2期


序章
Prologue


アクロギスとラグラ







女子寮

ライトアップされた
世界樹に群がる
中等部の女子学生が
噂を聞いてやって来た

黄色い声が
世界樹を囲むように
設置されたフェンスで賑わう


女子
「で?どーなん?」
女子2
「噂でしょ?ただの」
女子3
「けど、出たって言ってるよ」

幽霊でも出たのだろうか

自然保護法により
世界樹の一帯は
立ち入り禁止区域。

フェンスから下には
誰も人影は無い。

立ち入る事さえ

精霊族の光る羽の輝き以外
何も無い。


女子2
「やっぱりいないじゃん」
女子3
「噂って当てにならないね」

女子
「 」

女子3
「行こ。帰るよ!」
女子2
「マイ‥?」
女子
「 」
「いる‥」
女子2
「え?」
マイ
「いるよ、あそこ」
「さっきまでいなかったじゃん?」
女子3
「マジ?小さい子‥」
マイ
「え?嘘、ねぇこっち見てる」


誰もいない筈の木の根に
堂々と立つ黄色い
ワンピース姿の少女。

そのベクトルは、紛れもなく
中等部の女子に向けられた。

フッと笑う少女。

次の瞬間、少女は輝き
黄金に輝く全長20mの
龍となって
舞い上がる。

世界樹の幹を
螺旋を描く様に
消えた。

腰が抜けたのか、
3人の女子は悲鳴も
上げる事が出来ず
終始固まってしまった。

我に帰った女子は
その後一目散に
逃げ帰ったと言う。



それも噂?

さぁ、エイマには興味
ありませんし。

今回お姉さんに変わり、
エイマが主人公に
なります。



はぁ‥


マイ
「エイマ〜!」
エイマ
「 」

何ですか?
藪から棒に。

マイ
「あの霊のやつ!」
エイマ
「はい?」
マイ
「いたわやっぱ!」
エイマ
「エイマにはよくわかりません」
マイ
「も〜はぐらかして!」

いえいえ
はぐらかしてません。
急に霊言われましても‥

マイ
「でね、調べてほしいの」
エイマ
「調べる?ですか?」
マイ
「あのオートメイドアプリで!」

それを聞いた瞬間、俯く。

エイマ
「アレはもう無いです」
「二度は作れません」
マイ
「え〜⁈」

え〜じゃないです。

調べたいなら
降りて
取っ捕まえれば
良いだけです。


気がつけば、一人歩きし
エノクお姉さんの端末の
ストレージを勝手に占領し

ムードメーカーとなり

中の人より輝き
当の本人はこうして
ボロ泣きして
落ちぶれています。

マイ
「エイマ最近、元気ないよ」
エイマ
「最高傑作でも長くは持たないんです」
マイ
「アプリは残念だけどさ〜」
エイマ
「はい、残念です」
マイ
「そもそもどうやって作ったの?」
エイマ
「量子チップにエイマのダミープログラムを」

ああ‥もう忘れました。
少し歩きます。

エイマ
「頭冷やして来ます」
マイ
「もう秋近いもんね」

いてら〜とか言いながら
見送るマイ。

決してウザいとかは
思ってません。

1人廊下に出て
外の空気吸おうと一人
歩いてましたが

エノク
「エイマ!」
エイマ
「お、お姉さん⁈」
エノク
「丁度良かった。パパとママがエイマに会いたいって言うのよ」
エイマ
「 」
「‥え?」
エノク
「あの子のおかげで私達助かったんだから、ちゃんとお礼言いたいって」
エイマ
「そんな、エイマは別に何も」

俯く
元気が無いと知った
お姉さんの奇行が炸裂する。

ピッピッ‥

プルルルル‥

エノク
「あ、パパ?私だけど、エイマが会ってくれるって」
エイマ
「( ゚д゚)」
「ちょ‥」
エノク
「都合の付く日は?」
「だって」

お姉さんがはにかみ
にっこり笑う‥


嗚呼‥

逆らえないです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?