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7.パワポでオンライン用日本語教材を作るときに注意していること

オンラインで、クライエントと教師がそれぞれ教科書を見ながらレッスンをすると、お互いが本を見るために、画面ではなく下を向いてしまいます。
オンラインあるあるとはいえ、ずっと「目が合わない」というのはあまりよろしく思えません。

そのため私は、レッスンで教科書を使用する場合、それに書かれている内容をP.P.にまとめ、それを画面共有しながらレッスンを進めます。私もクライエントも画面を見なければならないので、視線を本とPC画面の間で上げ下げする必要もなく、互いの目線も画面上でとはいえ、合わせやすくなります。

教材P.P.を作る際に意識していることが6点あります。

①スライドの背景色

黒に極限に近いグレーにしています。
クラスが90分もあり、教室と違ってPCの画面とにらめっことなると、白の背景色は目が非常に疲れるからです。

②フォントデザイン

クリアで読みやすいフォントを選び、文字サイズや色に注意しています。
日本語文字はUDデジタル教科書体NK-R、英数字はComic Sans MSです。
以前は教科書体でしたが、UDデジタル教科書体NK-Rが出てきた途端に乗り換えました。
文字の大きさは、教材レベルが初級の場合、基本は36フォントで、ふりがなは24フォント、文字色は白です。文字の色は多用しません。白と、赤と、黄に絞っています。
特にクライエントが色盲だとわかったときは赤の使用をやめ、白と黄のみにしています。緑は黒地には絶対に使いません。赤緑色盲の方には、黒地に赤と緑はものすごく見えにくいそうですね。

③スライドのレイアウト

スライド1枚に複数のトピックは盛り込みません。
シンプルで整然としたレイアウトにし、適切な余白を確保してクライエントが混乱しないようにしています。

④画像とテキストの組み合わせ

クライエントが、教師側の口頭の説明だけでなく、視覚的に情報が理解できるように工夫をしています。
一方で使用するアニメ機能はフェードとバウンド程度に抑えています。
無駄な演出はクライエントの注意力を低下させます。

⑤常に見直す

学習内容が同じものでも、クライエントのレベルや背景、学習特性などは皆細かく違います。それらに合わせて都度P.P.を調整します。

⑥著作権の考慮

教材P.P.を使う前に必ずクライエントにその教材を購入させます。教材P.P.があれば、教科書が無くてもレッスンはできますが、それでは本の作成者に失礼ですものね。クライエントに購入した教科書をきちんと見せてもらってから、教材P.P.を使ってレッスンを進めています。
教材P.P.のスライドには、それぞれ書かれている内容が教科書のどの課のどのページなのかを明記しています。

P.P.は一度全課のスライドを作ってしまえば、使う度に手を入れて、よりよい教材に磨き上げてゆくことができるので非常に便利です。
オンラインのプライベートレッスンだけでなく、学校の大教室でもスクリーンさえあれば使えますし、おすすめです。

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