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2月11日(昼)

疲れた……。

―今から出かけるのしんどすぎ。

パートの仕事を終え、帰宅。
今日は土曜日ということもあり、家族はみんな家にいる。羨ましい。
リビングへの扉を開けると、珍しく父が居た。
「おかあさんは?」
「もうすぐ帰ってくるって、」
「ふーん」
ということは、妹も一緒に行っていると。
ならば、帰ってくるまではゆっくり……。
―ガチャ。
してる暇はなさそうだ。
今日は私が帰ってから、少し遠めの大型店舗に買い物に行くと約束していたのだ。
別段、私の何かを買いに行くわけではないので、行かなくてもいいのだが。
いかないと、昼ご飯をくいっぱぐれる。
「おかえり」
「……ただいま」
スーパーの荷物であろう袋を下げた母に声を掛けられながら、支度を進めていく。
ま、手を洗って着替えるぐらいだが。
「行ける?」
「んー、」
少し休憩させてほしいところだが、そうも言ってられない。
あのワガママ妹が、早くしろみたいな顔で見てるし。

―なんで私が、妹のご機嫌伺いしてんだか。

ま、そんなこんなで車内。
運転は父なので、ラジオのチャンネル権限は父にある。
正直音楽を聴きたい派なので、CDでも流してほしいところだが。もうなんか、言うのが面倒だよな。この親は。
「あ、コンビニ寄って~」
「でた、どうせカフェオレ買うんでしょ」
「うるさ」
遠出するときは、カフェオレを買うと決めている私だ。
コンビニのやつ。おいしい。
一時期毎日のように飲んでいたら、さすがに母に止められた。
「……」
ラジオの音が流れる無言の車内。
え、聞いていましたかねお父様。コンビニ行ってくれませんかね?
「コンビニ行きたいって、」
「ん、あぁ」
おぉ、ナイスアシスト母。あの父、たまに母の言葉しか聞いていないときあるから厄介なのだ。
仲が良いのはいいことだが、たまには子供にも耳を傾けろ。
いやまぁ、普段からそうなわけでもなく。車運転してるときは、割と顕著だと言うことだけだ。普段は割と話はする。仲のいい夫婦で、仲のいい親子だ。
特に妹は、父の事は友達だと思ってる。絶対。言ってたし。
ま、かく言う私も、割と趣味トモダチ感覚で話すときもある。
「……」
まぁ、いいや父の事は。
とにかくコンビニには行けそうなので、よし。
今度は隣にいる暇そうな妹にかまってやろう。
「何してん」
「何もしてない」
会話の始まりなんていつもこう。
そこからまぁ、他愛のない話をする。
いっしょにしてるゲームの話とか、それの推しの話とか、最近のテレビの話とか、外の景色で目に付いたものの話とか。
あいにく、私は社内では携帯は触れないので、話をするしかない。携帯触ってると酔う。三半規管弱め。
そんな感じで、適当に会話をしてたら着いた。
コンビニ。愛しの赤色だ。
「なんか食べる?」
「あればね」
とはいえ、今から行く大型店舗て昼食も食べるしなぁ。
いいか、今日はカフェオレだけで。
小さいサイズの方を手に取り、レジへと向かう。
「――円になります」
「……お願いします」
「はい、ありがとうございます」
携帯を差し出し、バーコードを読んでもらい、支払いを済ませる。
さて、本日のメインはこの後だ。
さっさと行って、用事を済ませて、帰ってもらおう。

長いショッピングになりませんように。

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