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2月18日(昼)

っぁああああー疲れたぁあああ……。

―まだ店周んのぉ?

うぇ……そろそろ疲れたんですけろ……。
元々、ウィンドウショッピングとか苦手なんだよ。
見てるだけで疲れるんだもんこういうの。
というか、この人混み歩くのがすでに苦痛だよぇ。
「……」
「……」
妹と2人、前を歩く母と祖母を見てあきれ果てていた。
2人で何やら話しながら、ゆっくりと進んでいく。
祖母は足を痛めているはずなのですが。それでわざわざこっちに来たはずなのですが。それなのにこんなに歩き回っていんですか。
膝痛めてるんじゃないんですかぁ……。
その、ゆっくり歩くのも、少々気に障る……。
「……」
だめだな、イライラし始めてヤバイ。

そも、この祖母が私は嫌いなのだが。

前提として、私はうるさい人が嫌いだ。
口やかましい人とか、単純に声がでかい人とか。
うるさいにもいろいろあると思うが、そのすべてにあてはまるのだこの祖母。
声で開始、口うるさいし、やかましい。
「……」
何より私が嫌っているのは、デリカシーの無さだ。
配慮のはの字もない。
デリカシーなんて、知ったこっちゃない。
これが、まぁ、母もそうなので、血は争えないというか。
「……」
何というのだろう……。
こう、言っていいものかという感じなのだが。
「……」
例えば、人が亡くなったというニュースがテレビで流れるとする。
私はそいうのを見ると、何とも言えない気持ちになってしまう。もやもやして、そのニュースの話自体を避けるし、見たくもなくなる。芸能人だろうとなんだろうと。ましてや声を大にしてなんて、絶対にできない。
「……」
けれど、祖母はそういうのに、ものすごく食いつく。
テレビで流れる、そのニュースを見て「――死んだの?」と言ってくる。「この間もこれしてた」と言ってくる。
私が、この「死んだ」という言葉そのものが嫌いなのもあるが。せめて「亡くなった」と言ってほしい。
この間もしていたとか、そんなの当たり前なんだから、わざわざ話題にあげないで欲しい。
その露骨に話すその態度が、どうも受け入れられないのだ。
―なんだか、配慮がないと言っていいのかなんだか、不安になってきたが。
「……」
今日も、割とそんなことがあった。
わざわざここで話す事かと、思うことが。
「……」
昼食をとある店で食べたのだ。
そこはまぁ、割と家庭的な食事があったりして。白ゴハンがかなりおいしくて、家族でそれなりに行っている。
そのメニューを見ながら、祖母が言ったのだ。
『これ、家でも作れそうね』
わざわざ、大きな声で。店員に聞こえて居やしないかと、内心ひやひやした。
ここで、それを、言うな。
「……」
で、まぁ、今も目の前でそんな光景が広げられているので。

他人のふりして帰りてぇ……。

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