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Pink Guy (Joji) に憧れるような人間

Pink Guy とは? Joji とは?

Pink Guy も Joji、これら2つはどちらも芸名であり、中身は同一人物である。
本名はジョージ・楠木・ミラー 。日本とオーストラリアのハーフであるとされている。

まずはそれぞれの動画を下に並べる。
上が Pink Guy, 下が Joji である。
* Pink Guyの動画は過激なので視聴には気をつけてください。

彼のことを初めて知る人は、これらの動画に出てくる主人公が同一人物であるとは誰も思わないだろう。

彼は Youtube 黎明期である 2010年あたりから TVFilthyFlank というチャンネルを立ち上げ、現代社会やインターネットに対する過激な風刺を行う動画をアップロードしていた。
その中に登場するキャラクターの1つが、このピンク色の全身タイツを来た Pink Guy (ピンクガイ)である。

対して Joji は、2017年ごろからLo-Fi, R&B, Hip-hop系の楽曲を製作し、ビルボードで1位を獲得するなど、大きな成功を収めたアーティストとして知られている。
愛や喪失や孤独といったテーマの楽曲が多く、その歌詞には胸を打たれるものがある。
TVFilthyFlank としての活動は終了しており、現在は Joji としての音楽活動に専念している。

彼への憧れ

僕は彼のどちらの側面も大好きだ。
というかむしろ、2つの側面があるからこそ、よりそれぞれに対して魅力的に感じている。

ピンクガイの動画は本当に酷い。
面白すぎて笑いを堪えられないし、逆にあまりに過激なジョークに笑えなくなってしまう時もある。

Joji の音楽はどこか落ち着く。
Joji の音楽を初めて聴いた時はもちろんピンクガイのことを知っていたため、そのギャップに言葉を失った。彼の両犠牲みたいな部分を想像してしまった。

こんな風に文章にしたいと思うくらいだから、僕にとって彼の存在はかなり大きいのだろう。
彼に対して強い魅力を感じている。

それはなぜか。
言葉に起こしてみるとしたら、彼の他人の評価や社会評価といったものに囚われない自己表現の自由、信念と勇気、大胆さに起因しているとお思う。

彼がピンクガイとしてどのような思いを持って動画を投稿していたのか知ることはできないが、ピンクガイのようなキャラクターは、当たり前だが常識といったものに囚われていては実在し得ない。
迷惑系 Youtuber とも言える彼の過激な行動は、僕には魅力的なアクティビストであると感じてしまう。

これは僕自身の内面的問題にも通じている。普段僕は比較的自由に生きていると思いつつも、どこかで抑圧された自分が常にいることを自覚している。
溢れ出る自分の中のエネルギーみたいなものを、どこかまだ発揮しきっていないのでは、と夢想しているのである。

ピンクガイというキャラクターは、彼本人のほんの一面的な部分にしか過ぎない。
彼は TVFilthyFlankとしての活動を行いながらも、アーティストとしての成功を願い、常にファンの裏側でその種まきをしていたはずである。
そんな彼の戦略性というか、自己実現のための信念を、僕は心から尊敬する。

TVFilthyFlank 時代、彼は一度、彼自身の素を出して、ある種弱みを見せるメッセージ動画のようなものを出した。
普段の過激な動画からは想像できないような、一般人の彼としてのメッセージ動画である。
しかし、視聴者はそれを許容しなかった。視聴者が求めていたのは、過激でユーモアのある、TVFilthyFlank としての動画であった。
彼自身のパーソナリティは気にしなかった。

今、その動画は削除してあり、視聴することはできない。
彼はあの動画に対する視聴者からの反応をどのように感じたのだろう。
たった1本の動画で、彼はきっと決意したのだと思う。
FilthyFlank はFilthyFlank として、Joji としてのアーティスト活動は完全に別のものとして分けて行うと決意したのだろう。

そんな背景を知った上で、Joji の曲を聴くと余計に感じることがある。


最後に

僕は前々から個性の強いもの、人とは違うものに魅力を感じる傾向にある。
これは僕が日常のあらゆる面において、価値を見出す源泉が、そういった差異にあるからだと思う。
でもその背後にあるのは、差異が生まれるに至った人の信念や勇気、大胆さに魅力を感じているからだと思う。

良くも悪くも僕は真面目で、自分の創造性やユーモアのなさに嫌気がさしてしまうことがよくある。
それでも何か、自分の中から生まれるクリエイティブなもので世界に対して、少しでもインパクトを与えてみたいと思っている。

そんな時に Pink Guy もしくは Joji のような存在は、常に一つの光というか、自分の中の指針になってくれる。




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