導電性塗料とSP値の問題(1)

銀粉と樹脂の熱硬化性塗料の場合、焼結はしない温度180℃以下での利用は古くから行われてきました。2000年少し前に私が「低温焼結」を始めた頃まで遡りますが、「ナノ」全盛期でした。しかし、私の主張はナノ粒子を使用しないで銀粉表面の酸化銀膜を利用して有機物で還元して焼結させる方法でした。この研究は、見事に見向きもされず、私の退社で消え去ってしまいました。この方法ですと抵抗値(電気伝導度)は1桁改良することができます。太陽電池の電極やメンブレンスウィッチへの応用を期待したのですが。

一方、従来の熱硬化性導電性塗料塗料は「何故どのように電気が導通するか」は良く分からないまま実用されてきました。一般社団法人エレクトロニクス実装学会の発表で東京大学の学生が「トンネル効果」だと断言してたのには驚きました。ホール電導で出る導通レベルじゃないです。それに温度係数測れば簡単に分かります。「接触導電」です。

何故、粉体の接触だけでこれだけの導電性が出るか。ここを解説していきたいと思います。実はSP値、接触角がキーワードとなります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?