ヴァイオリンニスについてのお問い合わせの回答

最初にヴァイオリンニスを使用された方への回答です。

まずオイルニスとアルコールニスでは歴史が違います。これについてはnoteに紹介したいろいろなニスの研究者の著書を見てください。アルコールニスが1750年頃から盛んになったのは、アルコールの90%以上の蒸留が可能になったからです。ストラディバリのニスが亜麻仁油と松脂のマルチアナ系であったことは、科学的に証明されています。当然分析が行われました。この結果が単純に亜麻仁油と松脂というありふれた材料だったので、「ニスに秘密はない」という通論、間違った意識が生まれました。その後このニスを検証する人も復元する人いなくなり、マイケルマンやジョージフライの本のように全くストラディバリのニスではないニスを紹介して「ストラディバリのニスが出来た」と称する者が増えました。一方、性質からオイルニスを追求したKoen PaddingやGeary Baeseのように追求した人たちも、松脂ではない
サンダラックまたはコーパル、琥珀のニスに落ち着きました。マルチアナニスを正当として公表された製作家はピーター・グライナーと木村哲也さんがいます。
アルコールニスとオイルニスで決定的に違う点は
1.色の二色性 本来「黄緑」の要素を持っていて上に紫を塗ると真っ赤になります。私は本物のストラディバリとガルネリとアマティの
実物を手にしたことがあります。奥行きのある二重の色が分かりました。ストラディバリの楽器の修理でコチニールレーキ紫が発見されています。
2.蛍光性があります。ブラックライトを当てるとオイルニスはオレンジ色に輝きアルコールニスは真っ黒に見えます。
これは暗い場所でも蛍光性のある楽器は明るく見えます。
3.音として「膜密度」を上げるには溶解度パラメーターを低くする必要があります。つまり油性の方が溶剤が抜けやすく空孔もできにくいからです。
これは大事なことです。要するにスポンジ状ゴム丈の塗料わ塗装するのが楽器として一番良くないのです。おもに低音の響きとして表れます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?