オイルニスへの誤解についての解説

オイルニスの特徴
・塗装作業が簡単
・柔らかく仕上がるがべたつきやすい
 柔らかい硬いの問題は処方と溶剤の使い方硬化のし易さで決まります。
 べたつくというのはそのニスがどこかおかしいしからで「オイルニス」全体の特徴ではありません。
・使えるニスの種類が少ない
 これもよく意味が解りません。オイルニスの分類について述べると本一冊のボリュームがあります。
・調合作業が大変
 製造は確かに難しく、本来の製造方法を知ってる人はいません。

アルコールニスの特徴
・塗装が難しく技術が必要
 塗装は刷毛やタンポ刷りで行いますが、慣れないとムラが出ます。
・使えるニスの種類が多い
 ベースとしてはシェラックしかありません。通常これにサンダラック、ベンゾエ、マス ティック、コーパルなどを足して作ります。それほどバリエイションが多いとは言えません。
・調合が比較的簡単
 アルコールニスは現在では樹脂をアルコールに解かして、濾過するだけです。昔はアルコール純度が低いので溶けやすい樹脂を先に溶かすとか、細かく粉末にするといった注 意点がありましたが、現在ではそれらは全て無視してかまいません。
・柔らかいニスが難しい
これも意味が分かりません。エレミやマスティックの軟質樹脂を添加すると柔らかい幕 になりますが、SP値の合った溶剤でなかなか乾燥しないので柔らかいということもあ ります。それを回避するためエタノールにラベンダーオイルやローズ油という高級アルコールを添加してエタノールを先に揮発させる処方があります。
・乾きやすい
ここは前述の溶解しやすいイコール乾燥しにくいという結果です。それはシェラックとベンゾエの使用でかなり解決できます。これらはややポーラスな膜を作り密度は低いが、乾燥しやすい膜を作ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?