オイルニスの作り方 序
オイルニスの歴史
2023.2.15
オイルニスの作り方を述べる前に、オイルニスの歴史を述べるのは、当然のことです。そうしなければ、何故今に伝わるオイルニスになったか、または、なぜ途中で伝わらなかったかという簡単なことが分からなくなるからです。されと同時にヴァイオリン以前の弦楽器用のオイルニスを述べることは、絵画、装飾、象眼、家具に使われた、共通する塗料の歴史を述べなくては説明できません。ここではあまり前置きとして長くならない程度に説明いたします。まず最初にオイルニスらしき処方の出てくる文書は「テオフィラスのオイルニス」となります。これは
"TREATISE ON PAINTING" WRITTEN BY CENNINO CENNINI IN THE YEAR 1437 italian in 1821 By SIGNOR TAMBRONIの記述。
私は彼の2つの処方を紹介します。読者が判断してください。
小さな新しい瓶にいくつかの亜麻仁油を入れて、追加、非常に微粉末、最も透明なフランキンセンスの外観を持っていますが、ときに破断面が明るく光る"fornis"と呼ばれる樹脂は三分の一が蒸発するまで、沸騰しないように石炭上で慎重に加熱し部分蒸発させます。全体的に、このニスが均一なときそれは明るく輝いて、完全に耐久性のある状態になります。しかし一度引火すると鎮火するには非常に危険と困難を要するので用心してください。
火の上にかけるために3本または4本の石を入れ、それらの上に素焼きの陶器の甕を置き、そこに前述の "fornis"樹脂を入れます。これはローマでグラッサ(=琥珀)と呼ばれる樹脂です。この陶器の甕の上口には、底に穴が開いた小さなポットが置かれています。
そして、連結部分に開口部がないように、それを封止します。また樹脂自体をかき混ぜるためにハンドルのついた細い鉄棒を持取り付けて、内容物が液体であるかどうかを確かめる必要があります。
そして石炭の上に置かれた3番目の瓶を持っていきます。樹脂が完全に液体であるときには、鉄棒から糸を曳きます。それに若干の熱い油を注ぎ、鉄棒でそれをかき回し、同時にそれを加熱しますが沸騰させません。
時々鉄棒を引き出し木材や石の上に少し広げて、それが滑らかであるかどうか試してみてください。そしてこれを希釈しなければなりません、石油2部と樹脂が3分の1であること。そして十分に加熱し、それを火から取り出してそれを発見し冷やします。
このテーマに関する積極的な情報がない場合、このニスの性質に関して、言葉自体に由来する推測を危険にさらす可能性があります。
テオフィラスはTheophilus Presbyter (1070–1125独) "On Diver Arts"
Cennino Cennini((1370-1440))
Giuseppe Tambroni (1773-1824)
なぜこの文を紹介するかといいますと、以下のような誤った断定が定説になっていると感じるからです。現在では"Fornis=Glassa"を琥珀オイルニスの起源として、またある人ははサンダラックオイルニスとして解釈しています。
具体的に言うならMagisterの故Koen Padding氏は "Vernice Liquida"を"Fornis=Sandarac"サンダラックと解して製品化しました。一方、Alchemist社は"Fornis=Glassa""Glassa=Amber"説を根拠にして琥珀ニスを製品化しています。原点は双方テオフィラスにあります。
Old Wood社は琥珀ニス指示ですが、そうでない可能性も認めているニュアンスがあります。これは私と考えが似ている感じます。どちらかは断定できません。
いずれにしろテオフィラスのこの章の"Fornis"が琥珀との証拠にはありません。
著者はこう思います。"fornis"は透明で硬質であり、白いとは書いていません。実際にランニングした場合、琥珀、サンダラックどちらも膨張します。この傾向は同じです。
しかし琥珀は別の文献では"Karabe""Bern-stain"という名で、この書だけがFornisとしています。謎ですがオープンな釜で直火で加熱しては琥珀は燃えるしサンダラックは発生有機物で引火することは間違いないでしょう。「密閉系」に近いような記述にもなっています。「ポットの上に穴の開いた器を置く」これは後のBonnaniの装置に近くなってきます。これは不明とするしかないです。
この後に文章は続きますが、完成した書籍として発行する予定ですので、ここでは序文だけにしておきます。
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