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逃げるように思い出す幼少期の夢

あ、私この人みたいになりたい。

幼稚園のとき、私の髪型を綺麗にしてくれた美容師さんを鏡越しに見て、そう思ったことを鮮明に覚えている。

美容室で髪の毛を綺麗にしてもらうと、そのたびに心が躍った。そんな気持ちにさせてくれるお兄さん・お姉さんがとても素敵だと思ったし、憧れた。
はさみひとつでこんなに嬉しい気持ちにさせてくれるの、天才?と思った。

でも私の人生のどこにも「美容師になる」と心に決めた瞬間はなかった。忘れ去っていたわけじゃないけれど、真面目に目の前のやるべき(と思い込んでいた)ことをやっていたら、まあまあいい大学に入って、真面目に就活していた。

今日テレビで、カリスマ理容師さんにパンチパーマにしてもらって、とびきりの笑顔を見せたメンズさんたちを見て、ああ私はこういう仕事がしてみたかったな と素直に感じる

こんな風に感じる時は大抵仕事がうまくいかない時。自分のできなさに嘆いたあと。

週4在宅勤務、家でパソコン仕事をうまくこなせない1日に、目の前の人を笑顔にする仕事をしている人たちの映像を観て、"ああ私もこういう仕事がしてみたかった"と思ったのだ。これは完全に逃げ!

条件の良い会社に入れたくせに、自分がなんのためにこの仕事をしているのかわからなくなって、しまいには過去の夢に縋る。

気分転換にジムに行って体を動かそうと思っていたけど、体が動かない。やめたい癖がやめられずに自分にイラっとする。夫は何時に帰るのか、わからない。明日も仕事うまくできなかったらどうしようとモヤモヤする。

こんなダメダメな日は何をしたらいいのだろう。わからない。わからないのだ。

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