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猫の話 4

状態、状況と心境吐露を同時に表現するの難しい。
看護師なので状況を感情を乗せず淡々と分析報告してしまう癖がついてるんだよね。学生の時は物語みたいな文章書くねと注意されてたのだけども。

高円寺生まれ高円寺育ち猫の円、2024年1月4日の深夜に息を引き取りました。最期は自宅で、腕の中で看取れました。そこだけは良かった。病院で誰もいない所で死んでいくのは嫌だったので。親にも見捨てられてんだから。死ぬ時くらいね。エゴかもしれないね。

拾いたて生後四ヶ月くらい

心肺蘇生するのはやめた。何度も聴診器で確認したけど、しないと判断した。よくがんばった。耐えた。生きたね。
声かけて、身体綺麗にして、好きだったクッションを段ボールに敷いて、その上に寝かせて、私の服で包んで、水と好きだった食べ物置いてあげて。
で、さっき荼毘に付しました。今日は6日か。
4日の昼には決意して電話したのだけど、5日が空いてなくて。

この三日間何してたんだろ。寝れもせず、食べれもせず、GoogleドライブとかAmazon Photoとかで昔の写真みてたり、手紙書いて、音読して聞かせて、声かけて、あと湯洗して、鼻から体液でるから定期的に拭き取って、冷たく硬くなった身体の筋肉ほぐしたり。またすぐ硬くなるんだけど。毛柔らかいなぁ好きだったなとか、変化していく様をみて受け入れようとしたり。
泣いて冷静になってを繰り返しながら今まで頑なに描いてこなかった猫の絵を描いたり。なんか人気とるためみたいで嫌だなって敬遠してたんだけど。描いとけばよかった。
あと写真はたくさん撮った方がいいね。一緒にいた11年9ヶ月分の写真って中々まだらに残ってて、壊れたWindowsのHD内にあったり、壊れた外付けHDの中にあったり壊れた旧iPhoneの中にあったりすると思う。時代のせいにしたいが俺が悪い。いつか金の余裕ある時に復元しようと思う。Facebookには助けられたね。ありがとう。Twitterも遡ればありそう。

あとは病院に車でおくってくれたことがあった友人に連絡したり、気にかけてくれてた友人に連絡したり、Twitterみてペットロスの痛みを知ってる方から連絡してもらったりと通夜で故人を偲ぶみたいな、同じ痛みを持ってる者同士でケアし合うみたいな。
そうしてまた色々思い出したりしてね、過去のこととか良くしてくれた人らとの共通の思い出というか。今から動物を飼う人たち、たくさん友人達とスキンシップはかったほうが良いよ。
感謝しかないです。深い愛情というか、優しさに触れるというか。家族が愛されてた、気にしてもらってたって。すごい報われる。

気が気じゃないですよ。生後四ヶ月頃から拾った子だもん。目もあいてない、鼻水だらだら、口は黒くて口内炎だらけ。こんな大きくなってね。12年近く一緒にいたんだから。我が子同然ってこんな感じなのかな。
火葬したくなかったですね、生きてて欲しかった。骨とかみれる自信なかったし。かといって腐ってくのも無理だし。あんな柔らかくて暖かかったのに冷たくて硬くて。酷いですよ。頭おかしくなりますよ。地獄ですよ。
こんな仕打ち。

私事ですけどね、看護師としてたくさん勉強してたくさんの人助けてきたよ?地域や社会や人に貢献して、信頼得て出世してバンバン金稼いでたくさん治療費とか消耗品につかってそんな俺から猫を連れていって何の得がありますか。神様よ。何がしたいよ。やるなら俺にやってくれよ。まだ優しさが経験が足りませんか。何でもあげるって。何でもするし。自分の幸せなんか望んだことないじゃないですか。夜中だろうが早朝だろうが休みなく人に尽くしてきたじゃないですか。障害でも寿命でも何でも背負うし差し出しますよ。早すぎるじゃないですか。

とまあね、こんな具合で家族側の死の受容段階を踏めてないんです。でも多分これは一生続きます。死ぬまで後悔するし懺悔しながら可愛かった猫のことを忘れずに生きていかなきゃいけないんだろう。忘れたくないしね。感謝しかないんですよ、猫には。側にいてくれたんで。
みんな猫は幸せだったと言ってくれる。でももっと幸せにしてあげたかった。俺は幸せだったよ。俺のことは心配するなと伝えてある。自分のことだけ考えろと。俺の下を離れてめちゃくちゃ寂しがり屋なのに心配だけどそれを心配するなって。
どこに行こうにも何してんの?ってついてくるし、トイレでさえ開けろって言うし、風呂入ってもマットの上で濡れるのに待ってる。バイクの音でお出迎えしてくる。朝はふみふみ起こしてくる。
そんなお前がいなくなって大丈夫なわけないだろ。どれだけ大事に思ってると思ってんだ。この喪失感をお前以外で埋められるわけがないだろう。
お前が俺のことが心配で成仏なり次へ進めないならいつでも出てこい。戻ってこい。俺たちは家族でここはお前の家だ。また一緒に暮らそう。

最近の火葬は車でやるんだと知った。松重豊似の方がとてもとても丁寧に対応してくれた。ここで変な奴来たら最低と思ってたから非常に助かった。(遅い時間まですいません)
最後は抱きしめて、大好きだよと声をかけてクッション敷いて服で包んで手紙と好きだった餌を複数入れて、見送った。俺の服好きだったろ。お気に入りのパーカーだぞ。しっかり匂いたまえ。
めちゃくちゃに泣いて軽く人だかりができてしまったけどみんながお辞儀してくれたからまあいっか。火葬職員さんもごめんね。
俺は猫を引っ捕まえて強引に抱っこしてハグして顔を擦りつけるのが好きだった。最初はされるがままだけど嫌がって腕立ててたな笑

食べることが好きな子だったのでかなりしっかり骨が残ってたみたい。事前に整えられた骨をみて泣いた。ついさっきまで存在したのに。
人間と違い頭蓋骨までちゃんと残ってた。尻尾が個性的なことまで指摘された。また思い出して泣いた。泣きながら骨を骨壷にいれた。後からペンダントにする方いるので尻尾や爪、歯など細かいのは取り出すの大変だからパケにどうですか?と言ってくれたのでそうした。
箸で取りきれない細かい骨も骨壷にまとめて入れてくれてありがたかった。獣医より寄り添えてるじゃん。

とうとう骨になっちゃった。骨に声をかけても返事は返ってはこない。お喋りな子だった。誰かと電話していると話していると勘違いしてよく鳴いていたし、話しかけると返事をする子だった。
なんだか落ち着いたような、一区切りついたような、寂しいような、ここに吐き出して整理してる。噛み締めている。受け入れようとしている。シーンとした部屋で。

俺はまたこれから生きて色んな人を助けないといけない。円なしで。できるかわからないけどやるしかない。だってそうしないとあいつが生きてた意味なくなる。
これまで死んでった犬も祖父母も友達も患者さんもそう。その人らの分も生きて社会や地域、人に貢献して助けないといけない。その人らが教えてくれたことを紡いで次に繋いでいかないといけない。無価値無意味にしてはいけない気がする。これは呪いではないよ。
俺はまだまだまだ未熟だけど、次に会った時に胸を張れるよう、みてて誇らしかったよと言ってもらえるように頑張っていこうって思ってる。命を燃やそうと思ってるよ。円が長い間病気と闘ったようにみんなを癒したようにね。

また綴るかもしれないしもうないかもしれない。
全ての人が健康で楽しく幸せに過ごせますように。

円ずっと愛してるよ

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