エオルゼアで出会った女の子と結婚するまでの話⑤

2019年 5月〜6月

さて、この頃の自分と言えばなにかと物欲が激しかった。
元カノが衝撃的な家出をして早々、メンタルが徹底的に崩壊した自分はアルバイトを辞め、自営でやっていたダビングの仕事もストップした。つまり収入0である。
実際には給料振り込みの都合上この頃はまだ振り込みはあったが。
実家があってよかった。実家が無かったらホームレスだった。大ピンチだった。

にも関わらず、この頃の自分はなにかと物欲が激しかった。星が見たいと言って望遠鏡を買っただけならまだしも。
映画、ゲームに没頭していた自分は家にプロジェクターが欲しいと思いプロジェクターを買い、音響には拘りたいと思いYAMAHAのサウンドバーを買い、あまりにも心臓が脈打ってうるさかったのでfitbitのスマートウォッチを買った。
この日から心拍数を毎日図るようになり、それが後々面白い事を浮き彫りにするツールとして役に立つのだが、それはまた別の話。

また、この頃人生で初めてパーマをかけた。

全く別人になったようだった。
それで証明写真を撮って履歴書を書き、就活しまくったが落ちまくった。解せぬ。
就活するまでメンタルを持ち上げるのが大変だったというのに、それを知らない面接官のお歴々は容赦なく落としていく。なんて憎たらしい。


そして

2019 6月28日


この日はとても大切な日だった。

今思えばこの後の人生を決定付けた日でもあった。

なぜならこの日は『漆黒のヴィランズ アーリーアクセス開始日』だったのだ。

俺は数ヶ月ぶりにEvey Fawkesとしてエオルゼアの地に立った。

FCはもぬけの殻。
もともと少ないフレンドリストは減っている。
なかには見たくない名前がいくつもあった。

それでも自分はエオルゼアに戻ってきた。
何故なら、単純に楽しみだったから。
トレーラーを見てからずっと、闇の戦士となる冒険に心を踊らせていた。新生した機工士に心奪われていた。
たとえ誰も居なくても、たった一人の冒険になろうとも、現実世界で何が起ころうとも、Eveyという光の戦士の冒険を終わらせるわけにはいかなかった。

漆黒のヴィランズをクリアするまで、自分は死ねない。

この日自分は、リアルの事なんて忘れて、第一世界へと旅立っていった。

これが。この第一世界での旅と出会い(再会)が。この時の自分の絶望的で悲観的なリアルを決定的に変える冒険になるとも知らずに。
そして一人の女の子を救う事になるとも知らずに。その女の子に救われる事になるとも知らずに。そんな出会いが待っているとも知らずに。

FF14にログインをした。

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