エオルゼアで出会った女の子と結婚するまでの話②
――2019年 4月 6日――
ほとんど眠れないまま時間が過ぎ、締め切ったカーテンから差し込む陽射しが朝の到来を告げていた。
とにかく疲弊していたので、そのまま目を閉じ続けた。なるべく何も考えないように。何もしないように。
次に目が覚めたのは昼頃だった。
ここから先、数日間の記憶は曖昧だ。友人らと彼女が家に来て、玄関に鍵はかけてたはずなのに、合鍵で解錠して侵入してきた。
僕は誰の顔も見たくなかったし、見られたくもなかったので自分の部屋に引きこもったまま、彼女らは彼女らで荷運びを始めた。
そこからは、そう、色々あって、泣き崩れて、家に親が来て、親にも泣きながら説明して、僕は実家に戻った。
月曜日からは仕事だったが(と言ってもバイト)、なんとか上司に電話をして退職する旨を伝えた。
――2019年 4月――
ほとんど全ての人との関係を絶った。誰とも合わない。誰とも喋らない。そんな非日常が日常になった。
唯一僕の耳が聴いていたのはBUMPの音楽たちだった。
ハンマーソングと痛みの塔
歩く幽霊
Hello,world!
太陽
レム
同じドアをくぐれたら
才能人応援歌
……etc
僕の心を支えてくれたのは、唯一BUMPの曲だけだった。
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