見出し画像

アタランタ22/23通信簿

前置き

全試合フルタイム視聴。アタランタとしては珍しく絶好調なスタートも、W杯直前に3連敗。2.3月の21~26節は1勝1分4敗と相変わらず調子の安定しないアタランタらしい1年だった。ただ例年と異なりWBを除いて怪我人が少なく、特に中盤陣が少ない薄い陣容の中で奮闘したと思う。宗教上の理由でPKは評価や得点にカウントせず、またユベントスの裁定にも納得がいっていないため6位扱いとする。同じ採点でも誤差があるため先に書いてある選手が好評価とする。また、60点が及第点であるとの目安でご覧頂きたい。対象はリーグ38+コッパ2の合計40試合のデータを参照とする

なお、公式戦出場数/()内は途中出場数/得点数/アシスト数

監督 ガスペリーニ 40点

ノルマはEL確保。目標はCL確保であったため、6位という結果自体は及第点であると言えよう

ポジティブ要素:前半戦はリトリート×カウンターという新境地を拓き、ルックマンやムリエルら、独力を活かした効果的な戦術を成立させた。また、交代カードを切るタイミングも以前より早く、的確になっていた。また、ムッソを見限るタイミングも良かった
ネガティブ要素:選手との衝突は恒例行事だが、パプ同様代替不可な選手(デミラル)と衝突した罪は重い。また、欧州カップ戦が無いにも関わらずホイルンドを出し惜しみするなど過度なターンオーバーは相変わらずだ。前半戦絶不調だったサパタを復活させようとしたりハテブールを17試合全先発させるなど、不可解な内定人事も恒例行事。後半戦は前線3枚をコロコロ変えてカウンターなのかポゼッションなのか伝わらないスタメン選出で選手がとまどう様子も多々見受けられた

100点 コープマイネルス

35先発(3途中出場)/8G(+PK2)/4A
あのラビオと同じ8G(向こうはカップ戦も含めたらもっとだけど)。これは文句無いでしょう。2度のハットトリックという離れ業はもちろん、機を見た攻め上がりにパス精度と本来の持ち味が、もう一つ上の次元に昇華した。守備の強度が上がった感じはしないけど、そこはそういうキャラクターだと割りきる。コンスタントに出場できた点も素晴らしい

90点 ホイルンド

34(14)/10G/2A
前半戦は献身性とポストワークで十分すぎるほど活躍したが得点力がイマイチであった。しかしW杯明けに覚醒。公式戦2桁に乗せたのは5大リーグ初挑戦かつ限られた出番の中では十分すぎるだろう。23節のレッチェ戦のゴールは素晴らしすぎた。86分2点ビハインドでGKまで追えるメンタリティーに持久力。そして加速力。ホイルンドらしさが詰まっていた

85点 デローン

37(2)/3/1 最多出場に最多先発であることを加味して80点から引き上げた。従来の安定感と共に覚醒したコープとの補完を完璧にこなし抜群のコンビとなった。まさにいぶし銀

同85点 ルックマン

33(12)/12G(+3PK)/6A
前半戦MVP 前半戦の好調は彼無しでは語れない。前半戦のカウンター主体のチーム戦術の恩恵を十分に享受し、広いスペースを何度も50mと運んで見せた。後半戦の失速はボガの復調によるポゼッションへの回帰が原因であるため、本人の非は大きくないし、ボガに代わっての出場では大きく開いて左で受けるなど努力が見られた

80点 ザッパコスタ

21(3)/4G/2A
怪我などはあったが出場すればクオリティを示し、決定機を多く演出。左であればカットインミドル、右であれば縦突破からの高精度クロスと両サイドで違った味を出した。パッとしないWB陣の中で頭一つ抜けた出来だったと言えよう

同80点 スカルヴィーニ

34(3)/2G/3A
昨シーズンは台頭にも関わらずガスプの慎重起用で思うほど出番が無かったが、コンスタントさを遺憾なく発揮。デローンの安定感と貢献度を評価するならスカルヴィーニも評価しなければ。器用さやIQなど、昨シーズンの衝撃はそのままに、セットプレーで大きな成長を見せた

75点 トロイ

34(1)/2G/1A
ヒヤヒヤさせられ安定感とはほど遠い選手なため、いつも55点~65点といった評価に落ち着くのだが、キャプテンに必要なコンスタントさと安定感を身に付け好印象。不動のCBとしてスカルヴィーニと共にチームを牽引した

70点 スポルティエッロ

15(1)
パッとしないムッソに代わって終盤戦は正GKとして活躍した。的確なポジショニングに堅実なセーブ、不安な足元も安全択を選びミスもしなかった。例年の堅実さを100%発揮してくれた

60点 ボガ

25(18)/2G/5A
前半戦は昨シーズンに引き続き不調でワーストクラスの出来。ドリブラーの我慢は1年までという個人的思想から冬の残留に懐疑的であったが、後半戦のポゼッションスタイルシフトへの際に本来の実力が回帰。細やかなボールタッチに修正された状況判断。ゲームをコントロールし途中出場が多いながらも5Aとチャンスメイカーとして機能した。しかし前半戦の出来と相手を抜き去るドリブルまではできなかったことからシーズンを通しての評価は及第点とした

同60 エデルソン

37(11)/1G/1A
あまり守備が巧くないイメージであったがタックル成功数がリーグ6位の3.5/90分であったため評価を修正。明確な数字は残せなかったものの、実質3枚体制の薄い中盤を途中出場などで支え37/40試合に出場。十分に貢献したと言える

同60 デミラル

28(14)/1G/0A
前半戦はセントラルCBとして相変わらずの強さを発揮しサポーターにも十分に評価されるも突如のガスプとの衝突で干されることに。点数の付け方が分からないため及第点の60とした

同60 ソッピー

16(8)/0G/3A
シーズン序盤から起用されウディネーゼの控えとして迎えられて決して高くはない期待値を越えるような突破力を見せつけた。広いスペースが生まれるリトリート主体においては力を発揮するも、ポゼッション主体になると軽率な守備で居場所を無くした。個人的には評価している選手だが、監督の中でのリスクの天秤から溢れてしまったのか、後半戦はまるで出番無し。チームにおける貢献度とすると及第点に落ち着くとしておこう

55点 ジムシティ

26(4)0G/1A
前半戦は相変わらずの便利屋として働き、後半戦はデミラルの干されとパロミーノのドーピング疑惑に伴う不調で棚ぼた。特に印象に残る場面は残すことができなかった

50点 パロミーノ

16(7)/1G/0A
ドーピング疑惑を吹っ掛けられて前半戦は出場できず、後半戦は試合勘の無さを露呈。情状酌量も込めて50点とした

同50点 ルッジェーリ

15(7)/0G/1A
期待していたが、そこそこのパフォーマンス。良い形で受けて縦への突破は見せ所ではあったが、目を見張るプレーを多くは見せられなかった

同50点 メーレ

36(9)/3G/3A
数字は残したものの代表での出来を見ると物足りなさを感じるし、仕掛けの消極さや献身性が足りなかった印象。60点でもいいかも?評価が難しい選手だ

40点 ムッソ

24先発
ついぞ移籍金に見合うパフォーマンスは今シーズンも見られなかった。理不尽なセービングを連発するような試合は1つもなく、挙げ句スポルティエッロに正GKを奪われる始末

35点 ムリエル

31(21)/2(+1PK)/2A
後半戦ワースト候補でしょうか。前半戦はホイルンド+ルックマン+ムリエルでカウンター時に一定の仕掛けのクオリティを保ち、ボールの前進に貢献。しかし数字を残せない間にチームがポゼッションへ移行するとパフォーマンスを落とし、少なくなったものの回ってきた仕掛けの局面でも打破には至らず

同35点 オコリ

17(8)/0G/0A
世間やサポーターからは一定の評価をされているのでズレている認識はあるが、ハッキリ言ってBチームレベル。黒人だからかフィジカルが強いと認識されてるイメージだが私見では当て方が下手で宝の持ち腐れ。ビルドではミスを連発し後半戦出番を減らしたことからも監督の評価も私と大きく変わらないのではないか。もっと低くても良いが実働1年目であることから情状酌量35点

25点 パシャリッチ

33(8)/5A/2G
ワースト候補ではあったが数字は残していたので25点。前半戦はポゼッション時の押し込んだ時のボックス駆け引きがパシャリッチの持ち味であることからチーム戦術を理由に庇い続けたが、サパタやホイルンドが活躍しポゼッションスタイルになっても貢献度は変わらず。プレスも緩慢で評価に値しなかった

20点 サパタ

27(9)/2G/4A
スタートは怪我で出遅れ、復帰後はガスペリーニの寵愛を受け重宝。まともに収められずチームの足を引っ張り続けた。何試合も重ねて5試合ほど良いパフォーマンスを見せた時期もあったが結局最終盤で怪我。2024年で契約の切れる32歳の復調に努め、火を見るより明らかな結果を導いたガスプの罪は重い

(同20点マリノフスキ)

15(10)/1G/2A 冬に退団
母国の惨状から調子を崩し、結局今シーズンも復調できず放出。精細を欠くパフォーマンスが多い中、2節のミラン戦のミドルは鮮烈だった

10点 ハテブール


19先発/2G/1A
全試合先発と相変わらずガスプの寵愛を一心に受けるが、何が長所なのか本当に分からない。挙げ句後半戦は長期離脱。ハテボアンチからすればガスプは居れば使うから、不謹慎ながらも安心したものの、客観的に見ればコンスタントさを欠いた状態。2シーズン連続個人的ワーストとなった

後書き

前半戦と後半戦で戦い方が180度変わったため、評価もガラッと変わった選手が多いイメージだった。またガスプの偏った人事などからデミラルやソッピー、サパタなハテブールなどは採点の基準が難しかった。
来シーズンも全試合視聴を目標にしつつ、続くか分からないが1試合ごとにデータをまとめたノートを作りたいとも思っている。ユベントスと共に推していることに違和感のある方も多いとは思うが、この記事を読んで私のアタランタ愛を感じて頂けると幸いだ。長々と失礼した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?