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好きな数と好きなもの

好きな数はありますか?

パスワードを決めるときなんかに、いつも同じのを使っていたり、自分のラッキーナンバーを決めている人というのは少なくないと思います。

あ、私はありません。だって、数そのものに意味はないから。好きになるとしたら何らかの意味を個人が勝手に付与したに過ぎません。数そのものが好きなわけではないはずです。特定の数が良いことを思い出すきっかけになることはあっても、数そのものを好きになることはありません。

でも、偶数が好きです。理由は、割りきれるから。あるいは、分かち合えるから。特に、誰かと二人で存在しているときに、余りもなく過不足もなく分かち合えるからです。釣り合うからです。平等だからです。

私は一人でも生きていけるけれど、誰かと何かを分かち合って生きていたいのだとも思います。


さて、偶数が好きなので買い物の時にこんなことがあります。特に食品を買うときです。

ウインナーって何故か2個パックで売ってますよね。鮮度を保つためだと思われますが、2個、偶数、いいですよね。買います。

ヨーグルト。3連と4連のがありますね。答えはわかりますね。はい。よく安売りされている牧場で空を仰ぐ牛さんのは買いません。十勝のが好きです。

プリン。スーパーにあるのは大抵3連ですね。買いません。はい。ケーキ屋さんとかのなら買うんですがね。

最近はあまり見かけなくなりましたが、コーヒーゼリー。はい、3連ですね。買いま……す。買うんです。買ってました、3連を。子供の頃はねだってました、親に。3連の、というかある特定のメーカーのを買ってくるように。


私は、食にこだわりがありません。でも思い出したのです。幼い頃、コーヒーゼリーにうるさかったことを。

どこのメーカーのものかはわかりませんが大好きなものがありまして、その3連のコーヒーゼリー以外はコーヒーゼリーとして認めなかったくらいでした。珍しく私が食べ物をねだるものだから、喜んだ母がちょっと高級なコーヒーゼリー(ケーキ屋さんなんかで売っているようなの)を買ってきてくれましたが、母が望んだような反応は示さなかったように思います。およそ30年前の記憶です。

スーパーで売っているようなコーヒーゼリーにはミルクが別添されています。これが美味しいのでしょう。先にかけるか、少しゼリーを食べてからかけるか、かけてからゼリーを崩すか、その崩す加減はどうするか、どう食べるかを吟味していた記憶があります。今では考えられません。

ひとつ、苦い思い出もあります。私のコーヒーゼリー3連を姉が勝手に食べてしまうのです。2個になっています。偶数です。でも許せません。喧嘩しても力でも口でも勝てない姉で、悔しい思いをしていました。食べられることはもちろんですが、特に許せなかったのが、封の開け方とミルクの取り方です。

3連コーヒーゼリーはミルクも当然3個ついていて、こんな具合に収まっています。


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未開封の状態。上から見た図です。
■の4つの塊がコーヒーゼリー1個分です。
○がミルクです。

姉が食べます。すると……


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こうなってるんです!
許せません! なんでそこから取る!?

取るなら……

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こうでしょ?!この方が収まりが良いでしょ!
あ、どうでもいいですね。


なんの話でしたっけ。ああ、偶数の話です。

偶数は分かち合えるから好き。でも、コーヒーゼリーは全部自分のもので、分かち合う気がないから偶数である必要がないのです。つまり、そういうことなのです。


以上、偶数が好き、というかコーヒーゼリーが好きな(のを思い出した)話でした。


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