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肥えたカラスの自信をうらやむ

まいにち縫い物を続けている。楽しい。思いもよらなかった楽しさがある。なぜこれまでの人生で衣服を着ることにまったく関心がなかった(服を着ないという意味ではない)のにいまになってハマちゃったのかっていうと、いろいろな要因があって、まず引っ越しによって恋人と共通の話をしながら作業ができるようになったこと、ワンルームから脱出して寝室・ダイニング・作業部屋が分かれているうちになったの「自宅でものを作業できる」という環境になったこと。ひとり暮らしでは永遠に気づけなかったことだと思う。

作成したカードケース。布を四角く切って縫うだけなので簡単かと思いきや、すげえあたまがこんがらがる工程だった。布を重ねて縫うと縫い目が並行にならねえ。これを作る過程で 「コの字縫い」を覚えた。「接着芯」を付け忘れていることに、完成してから気づいた、が、そんなの実用に問題はない!

僕はひとよりも手が小さいので楽器を演奏するときには苦労したが、縫い物をするにはむしろ手が小さいほうが向いてんじゃねえかって気がしてきた。反射神経が鈍いので瞬発力が必要なことは苦手だが、縫い物は考えてから手を動かせばいいので、プログラムを書くのと同じ感覚で集中できる気もしている。写真を撮るときも、構図を考えるのは好きだけどシャッターチャンスは逃しがち。料理はつぎのステップに入るタイミングをはかりながら作業をしなければならないので、なかなか苦手なままだ。

作成したファスナーつきのポーチ。ぜんぜんまっすぐ縫えない、ムズィ〜〜〜!見た目はともあれ縫い目的には頑丈に仕上がったので、さっそく文学フリマの小銭入れとして活躍してもらった。

新宿のオカダヤ(しゅげえデッケえ手芸屋さん(←これ、おもしろくないですか?))に行って、「良い布は高い」という当たり前のことにも気づいた。フィルムカメラやってるから物理的なものにはなにかとお金かかることは身に染みているけど、これも計画立ててやっていかないといけないね。布を欲しくなる日がくるとは思わなかった。

作成したポシェット。こいつがまためちゃくちゃ複雑で、まず手順の説明書の読み解きが難しく、たとえるならば、【椎名林檎の描き方】①ほくろを描きます ②残りの椎名林檎を描きます  くらいのレベルの書きっぷりで、マジで正解がわからなかった。レベルが上がってからふたたび見たら読み解けるようになっている…のかも。
愛用のコンパクトフィルムカメラ、FED50
FED50専用ケースとして使う!

簡易な裁縫セットを買って練習し、タマムスビ、タマドメ、コの字縫いができるようになってきた。ボタンもつけられた。子供のころ、できなかったことがいまできるようになった。

幸か不幸かいまの職場が服装自由なので、めちゃ変な柄の服(まずはシャツかな、型紙つきの本も買ったぞ)を作って仕事に着て行くことを目標にしようと思っている。めちゃ変な柄の服の完成が先か、なにかやらかして仕事をクビになるのが先か――――めちゃ変な柄っつっても、でっかく「SEX」って書いてるとかではなく、動物が出てくるようなものになると思います。猫の柄は布がいろいろありそう。カラスとかあれば面白いんだがな。

朝方の繁華街つるんで歩く肥えたカラスの自信をうらやむ/あめのちあさひ

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