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諸行無常日記

廿20年、か。たぶん、初めて「廿」という漢字の存在を知ったもの20年前くらいのことだったと思う。

2003年1月に発売された椎名林檎8枚目シングル「茎(STEM)」のときから僕は林檎坂を転げ落ち始め、もう丸20年ほど椎名林檎のオタクを続けている。マジでなんのジョーダンだよ、20年経ったのか?あれから?って思うが、日付的には本当に20年経っているらしい。

仕事が忙しくなったり生活が変わったりでなかなかイベントごとに行けていなかったなか、久しぶりの"オタ活"ができて、「椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常」ツアーの東京公演に行ってきた。千秋楽の1公演だけなので曲目や演出の細かいところはDVDが出たらじっくり見返したいなって思うわけだが、ちょっとだけ感想も書き残しておきたく。振り返ってみると、Twitterで多くのひとが思い思いの感想を投稿しているように、泣かせてくるポイントはたくさんあったよ。「ワァ…」って、ちいかわみたいな泣き方しちゃった。
なかでも、20年前に初めて聴いたとき「な、なんだあこれは…」って思った曲、「意識」がアレンジを変えて現れて、ふたたび「な、なんだあこれは…」って言っちゃった。マジでなんなんだよ、このアレンジと、映像と、ダンスは。椎名林檎はいよいよ僕を殺しにかかって来たのか?????ってのが今回の公演をひとことでまとめた感想で、いや、まさか、生きているうちにこれが聴けるとはなあ……「意識」があったから林檎のおたくになった、というようなものなので、感動がひとしおだったわけであります。

20代のころに行っていた少しむかしのライブは、終演後に「よかった、しかし、終わっちゃった…」というはかなさを感じることが多かった。さいきんのライブでは、終わったあとも「よかった、ありがとう、僕もがんばろう、生活のなにもかもをがんばりたい」という気持ちで日々の生活に戻っていけている。生きることがあっての音楽で、ひとにはまずは生活がある、生活のなかではやってらんねえなと思うことがたくさんあるわけで、だからこそ特別な時間であるライブでの音楽は最大限楽しんでもらおうという林檎さんの意気込みが伝わってきた。林檎さんはライブのMCであんまりしゃべらないひとだけど、おたくなので勝手に気持ちを汲み取りました。林檎さん、心底感謝マジアザッした……

これはライブとは関係のない話題なんだけど、ゴールデンウイーク中に「忍者と極道」というマンガの無料公開を読んで、バカハマった。すごい大雑把に言うと敵対する「忍者」の勢力と「極道」の勢力が死闘を繰り広げるバトルマンガなんだけど、振り仮名ルビがあまりにも独特で、一例、「オレ達の"黄金時代オウゴン"が還って来る!!」「"幻想ユメ"じゃねえよな…!?」「心底有難マジアザッス!!」など。そして登場人物たちは、何かしら自分の戦いに意味を持てたこと、死力を尽くせたことに感謝している。それが言いようのない明るさを生んでいる。自分の人生に意味を持たせてくれたもののために戦えたら、いいよな。

まぁ、忍極みたいに戦う必要はないんだけど、僕はこれからも、自分の人生に意味を与えてくれるものを愛していきたいと思う。周りの大切なひとであったり、音楽や文学、マンガ、写真、カメラ、ぜんぶを愛していきたい。


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