赤黒リアニメイト散文 大型クリーチャー編

 赤黒リアニメイトに採用される大型クリーチャーの枚数は、メインに4種類程度・サイドに3種類程度です。限られた枠に選ばれるクリーチャーには、何枚ものカードを費やすだけの強さが求められます。
 そんな少ない枠に選ばれたクリーチャーと候補たちの、役割や長所短所について考えをまとめます。
※この記事における大型クリーチャーとは、リアニメイト呪文でマナコストを踏み倒して出すことを前提としたクリーチャーを指します。

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こんなクリーチャーを1Tに!? う~ん、強い!!

1.メインに採用されている大型クリーチャー

 メインに入れるクリーチャーは10枚が主流です。10枚のうち≪グリセルブランド≫3枚と≪別館の大長≫4枚の計7枚はどのリストでも変わることがなく、残り3枚が自由枠となります。
 対戦相手のデッキがわからないことが多いので、どんなデッキが相手でも活躍が見込めるクリーチャーを採用します。

1.1≪グリセルブランド≫
 出せば勝ちの体現であり様々なコンボデッキで活躍する、黒8マナの伝説のクリーチャーです。7点のライフペイで7枚ドローできる起動型能力と7/7飛行絆魂で相手を圧倒します。
 このクリーチャーを超高速で叩きつけ、大量ドローからの後続の展開やハンデスで覆すことのできないアドバンテージ差を作り出すことが、赤黒リアニメイトが目指す最も強い動きとなります。
 長所は以下のとおりです。
○起動型能力でドローできる。しかもマナを使わず7枚も!
○飛行持ちなので攻撃が通りやすく3回殴れば勝てるパワーを持つ。
○稲妻2回で落ちないタフネスを持つ。
○絆魂があるのでライフレースで負けにくくなる。
○黒のカードなので複数枚引いた分を≪暴露≫のピッチコストにできる。
○≪剣を鍬に≫で除去された際のライフゲインが無駄になりにくい。
 起動型能力は自ターンに起動します。増えた手札から≪暴露≫をピッチで唱えたり更なるクリーチャーのリアニメイトを狙います。相手ターンに動くことが少なくクリンナップ・ステップのディスカードがアドバンテージになるデッキなので、自ターンに起動しない理由はありません。
 支払うライフ量が多いので、相手ターンに≪稲妻≫等の本体火力で死なないよう注意しましょう。ハンデスで確認した手札に本体火力がなかった場合や≪別館の大長≫をリアニメイトできる場合は本体火力で負ける可能性がかなり低くなるので、積極的に起動します。
 短所は以下の通りです。
●伝説ゆえに≪カラカス≫でバウンスされる。
●起動型能力のライフペイが結構痛い。
●≪真髄の針≫で起動型能力を封じられるとただの7/7飛行絆魂。
●≪再活性≫でリアニメイトするとライフが減り過ぎてしまう。
 ≪思考囲い≫を唱えてから≪再活性≫でリアニメイトし能力を起動すると、ライフが3になり≪稲妻≫の圏内になります。
 メイン戦・サイド戦ともに着地=勝ちと考えて差し支えないので、確率を上げるためにメイン4積みをするリストが多いです。クリーチャーの種類を増やしたりサイドの枠を空けるために、1枚減らして3枚にするリストもあります。
 墓地対策としてよく使われる≪外科的摘出≫で摘出されることを想定して、サイド後は枚数を減らすことがあります。
 サイド後先手ならこのカードを減らし後手なら≪別館の大長≫を減らしていますが、意見や助言を頂いたいところです。

1.2≪別館の大長≫
 赤黒リアニメイトの強みである先手1Tの超高速コンボの成立を支える、白の7マナ5/6の妨害兼クリーチャーです。
 ゲーム開始時の手札にあるこのカードを公開することで相手が一番初めに唱える呪文に1マナ追加要求し、支払わない・支払えなければ打ち消す=先手1Tなら≪意志の力≫にコンボを止められなくなる効果を持っています。
 長所は以下のとおりです。
○初手にあるときの能力で先手1Tの勝率を上げることができる。
○後手でも打ち消し温存のためカードを1枚消費してくれることが多い。
○常在型能力で相手の展開を妨害できる。
○常在型能力がちょっとした除去耐性として機能する。
○伝説ではないので複数展開できれば常在型能力が重複して強力。
 戦場に着地すれば常在型能力で相手の全ての呪文に1マナ追加要求するので、土地が少なく低マナ呪文を多用するデッキの展開を遅らせることができます。
 長々と書いてある妨害の能力の下にちょこっと書いてある飛行が結構馬鹿になりません。 
 先手1Tのブン回りの補助をすることが主な役割ですが、後手でも1T≪虚空の杯≫X=1を邪魔したりドロー操作呪文を唱えにくくするので、全く役に立たないわけではありません。
 戦場に着地すれば相手の展開や除去を防いでくれるので1T着地が弱いわけではありませんが、除去されると辛いので可能なら≪グリセルブランド≫の後続として展開したいですね。
 短所は以下のとおりです。
●初手に複数枚あっても妨害できる回数は1回だけ。
●常在型能力がランプ系デッキ相手に効果が薄い。
●白のカードなので≪暴露≫のピッチコストにできない。
●軽い除去で処理されたときのディスアドバンテージが大きい。
●打ち消されない呪文に効果がない。
 先手1Tにリアニメイトしても、相手が土地と1マナスペルと唱えて次ターンに≪剣を鍬に≫を撃たれると、手札やドローによっては厳しくなります。除去がなかったり白くないデッキもあるので、やられた時は運が悪かったと割り切るしかありません…。
 ≪魂の洞窟≫から唱えられたクリーチャーは打ち消されないので妨害効果は全く無意味になります。デス&タックスを相手にするときは注意です。
 先手番の勝率をあげるため、メインに必ず4枚採用されます。
 サイド後は先手後手で活躍度合いが変わってくるので、インアウトの枚数が難しいクリーチャーです。後手では枚数を減らし、先手で増やすことが多いです。

1.3≪潮吹きの暴君≫
 常在型能力で自分の唱えるすべての呪文にパーマネントのバウンスを追加する、高いボードアドバンテージ獲得能力を持った青の8マナ5/5のクリーチャーです。もちろん飛行持ちです。
 バウンスする対象は土地でもPWでも何でもいけるので、対処しにくい≪イス卿の迷路≫や≪罠の橋≫の他にマリット・レイジやPWを処理できます。
 長所は以下のとおりです。
○パーマネントなら種類を問わない。
○ハンデスが除去に早変わり。
○呪文を唱えられれば何度でも何枚でもバウンスできる。
○飛行持ちなので攻撃を通しやすい。 
 ゲーム序盤なら土地をバウンスしてロックをかけ、ゲーム中盤なら脅威を取り除き土地を戻して唱えられないようにします。≪グリセルブランド≫の後続として展開できれば、相手の戦場を空にすることも容易です。
 このクリーチャーのリアニメイト後に≪水蓮の花びら≫を唱えるために残しておいたり、≪暗黒の儀式≫をバウンスのためだけに唱えることも考えます。
 着地後に唱えるハンデス呪文は土地以外のパーマネントの除去になるため非常に強力です。
 自分のパーマネントもバウンスできる(しないといけない)ので、自分の土地を戻してマナを増やしたり、≪灰燼の乗り手≫にエンチャントされている≪動く死体≫をバウンスして≪灰燼の乗り手≫の能力を使いまわすこともできます。
 短所は以下のとおりです。
●バウンスは自分・相手関係なく強制。
●先手1T着地が弱い。
●除去耐性がない。
 呪文を唱える順番を考えないと、自分のパーマネントをバウンスしないといけないこともあります。結構頭を使いますが、頑張りましょう。
 除去耐性がないので活躍する前に除去されると目も当てられません。リアニメイトしてからのハンデスにスタックで除去されると悲しみを背負うことになります。こちらもできれば≪グリセルブランド≫の後続として展開したいところです。
 メイン戦がすぐ終わる傾向にある赤黒リアニメイトですが、攻撃を封じられると長丁場になりつらい戦いを強いられます。そういった時のためにメインに1枚挿しされることがほとんどです。
 サイド後も全く役に立たないことがほとんどないので、一部のコンボデッキが相手の場合を除いて抜くことはありません。

1.4≪灰燼の乗り手≫
 ETB能力とPIG能力でパーマネントを1つ追放する、確実な仕事をしてくれる白黒8マナ5/5のクリーチャーです。当然飛行持ちです。
 万能パーマネント除去をETB能力で行うので、邪魔な置物やPWを即座に消し去るのは他のクリーチャーにない特長です。
 長所は以下のとおりです。
○パーマネントの種類を問わずに追放できる。
○戦場に出たらすぐさま1枚除去できる。
○ETB能力なので≪引き裂かれし永劫、エムラクール≫も除去可能。
○飛行持ちなので攻撃をしっかり通せる。
○黒を含むカードなので≪暴露≫のピッチコストにできる。
 どんなデッキが相手でも土地やクリーチャーを除去できる手堅さと、死亡する際に1枚道ずれにするしつこさを持っています。万能除去は偉大です。
 特に≪実物提示教育≫に合わせて出すことで≪引き裂かれし永劫、エムラクール≫や≪全知≫を機能する前に除去できるという大活躍をみせます。
 先述した≪潮吹きの暴君≫と≪動く死体≫のコンボならやりすぎなくらいに戦場に干渉できます。
 PIG能力はインクの染みではありません。アドバンテージの損が大きいですが、一応≪陰謀団式療法≫のフラッシュバックコストにすれば無理やり誘発させて手札と戦場を攻めることができます。
 短所は以下のとおりです。
●先手1Tに着地させると自分のパーマネントを追放することになる。
●もみ消しで能力を打ち消されるとただの5/5飛行。
●追放除去が多い環境ではPIG能力を活かしにくい。
●戦場に定着すれば勝ちといえる性能・能力ではない。
 先手1Tの着地が大損になるのは無視できない弱点です。先手1Tで7枚の手札でもこのクリーチャーしかリアニメイトできないならマリガンします。
 メイン戦では無駄になりにくい能力を持っているので1枚挿しされますが、出れば勝ちと言えるクリーチャーではないのでフェアデッキ相手にサイドアウトすることが多いです。
 スニークショー、オムニテルが多い環境では他のクリーチャーよりも目覚ましい活躍を見せてくれますが、それらが少ない環境ではサイドからも抜くことがあります。≪墓所のタイタン≫あたりと入れ替えているリストも少なくありません。

2.サイドに採用されている大型クリーチャー

 サイドには3枚3種のクリーチャーが入ることが多いです。そのうち2枚は≪エメリアの盾、イオナ≫と≪大修道士、エリシュ・ノーン≫であることがほとんどです。
 メインの自由枠と相談しながら枚数や種類を決めます。≪外科的摘出≫対策で種類を増やすのもあり、他のカードの為に枚数を減らすもありです。

イオナ


サイド後に投入される、凄まじい性能を誇る超強力なクリーチャー達!

2.1≪エメリアの盾、イオナ≫
 戦場に出るに際して選んだ色のキャストを封じてしまう、強烈なロック性能を誇る白の9マナ7/7飛行の伝説のクリーチャーです。単色デッキには必殺の能力を持ちます。多色デッキ相手でも無視できない影響を及ぼし、着地後はそのサイズで速やかに勝利に導いてくれます。
 長所は以下のとおりです。
○単色デッキ相手に着地すればほぼ勝ち。
○擬似的な耐性持ち。
○指定する色によっては後続の展開の補助もできる。
○火力で落ちにくい大きさに加えて飛行を持つ。
 相手のデッキがわかってから出せば効果的なのでサイドに入ることが多いですが、メインに採用してサイドの枠を空けるリストもあります。
 勝ち手段を1色に頼るデッキならその色を指定するだけです。リアニメイト系なら黒を、バーンなら赤といった具合です。デス&タックス相手は≪カラカス≫があるので信頼できませんが…。
 黒を含まないデルバー系のデッキは青を指定すれば除去されにくくなります。≪蒸気の絡みつき≫≪蒸気の連鎖≫≪精神を刻む者、ジェイス≫等の青のバウンス呪文に大型クリーチャーの除去を任せることが多いからです。
 短所は以下のとおりです。
●伝説ゆえに≪カラカス≫でバウンスされる。
●多色デッキ相手の場合に指定する色で悩む。
●無色デッキに効果がない。
●先に置かれた≪悪意の大梟≫で止まる。
●≪動く死体≫でリアニメイトするとクロックが1T遅くなる。
 先程述べた通り、単色デッキでも≪カラカス≫が複数採用されているデス&タックスには強く出れません。
 無色は色ではないので指定できないので茶単やエルドラージポストには効き目なしです。
 ≪悪意の大梟≫は大型クリーチャー共通の敵ですが、黒を含むデッキ相手では他にも≪ヴェールのリリアナ≫≪リリアナの勝利≫といった青でない除去の存在もありこのカードだけで勝ち切るのは難しいです。
 青白系はサイド後に≪精神を刻む者、ジェイス≫を抜く傾向があり除去を白の呪文と1枚程度採用される≪カラカス≫に頼ることが多いので、サイドインして状況をみてリアニメイトも検討します。
 BUGデルバーやBUG死の影、4Cレオヴォルドといった黒を3色以上のデッキと≪カラカス≫が入ってる単色デッキ以外には活躍が期待できます。

2.2≪大修道士、エリシュ・ノーン≫
 相手のクリーチャーには-2/-2修整を、自分のクリーチャーには+2/+2修整を常在型能力で与えて戦力差を大きく広げる白の7マナ4/7の伝説のクリーチャーです。
 レガシー環境ではタフネス2以下のクリーチャーが多いので着地できれば一部のデッキのクリーチャーを完全にシャットダウンできます。そうでなくても中型クリーチャーが大きくサイズダウンするため、警戒と合わせて盤面に大きな影響を及ぼします。
 長所は以下のとおりです。
○相手のみに-2/-2修正で小型クリーチャーの存在を許さない。
○常在型能力でのマイナス修正なので着地すれば効力を発揮する。
○警戒があるためアタック後に隙がない
○高いタフネスで火力に強い
 システムクリーチャーや≪秘密を掘り下げる者≫のようなアタッカーを始末して複数のボードアドバンテージを得ることができるのはこのクリーチャーだけの特徴です。始末したクリーチャーをリアニメイトして強力な戦力に変える作戦も非常に強力です。
 除去が少ない赤黒リアニメイトでは、除去されることを前提にリアニメイトして全体除去として使うことも考えます。
 ≪タルモゴイフ≫等のマナレシオに優れたクリーチャーも1体だけではチャンプブロッカーにしかなりません。
 短所は以下のとおりです。
●伝説ゆえに≪カラカス≫でバウンスされる。
●除去耐性がない。
●相手のクリーチャーが墓地に落ちるので≪死体発掘≫が使いにくくなる。
●パワー4なので殴り切るまでに時間がかかる。
 ≪瞬唱の魔道士≫を除去した後に≪死体発掘≫で後続を展開すると≪瞬唱の魔道士≫で墓地の除去にフラッシュバックを付与されて除去されてしまうなんてことがあります。
 5回殴らないとライフを0にできません。除去耐性がないので殴り切るまでに除去されることもあるので、除去した相手クリーチャーをリアニメイトして手早く詰めるのも一つです。

2.3≪忍耐の元型≫
 自分のクリーチャーに呪禁を与え、相手のクリーチャーから呪禁を奪う、緑の8マナ6/5のクリーチャーです。
 赤黒リアニメイトに採用するクリーチャーにしては珍しく回避能力がありませんが、自軍に呪禁を付与する能力に比べれば回避能力の有無は些細なものです。その能力で自分も呪禁を持つので、除去耐性はバッチリです!
 長所は以下のとおりです。
○自分のクリーチャー全員が呪禁持ちになり除去されにくくなる。
○システムクリーチャーなのに自身も呪禁を持つので除去に強い。
○6/5呪禁なので守りも堅い。
 単体除去から大切なクリーチャー達を守れます。特に伝説のクリーチャーを≪カラカス≫から守れるのが大きいです。サイド後は赤黒リアニメイトの速さに対抗するために全体除去を抜くプランを取る人も多いので、単体除去を無効にするこのクリーチャーは相手からすれば無視できません。
 短所は以下のとおりです。
●回避能力がない。
●タフネス5なのでダブルブロックや≪タルモゴイフ≫を越えられない。
●場に出た時点でアドバンテージを得られない。
●打ち消しや墓地対策は防げない。
●布告除去や≪議会の採決≫にも効果がない。
 白なら全体除去と≪議会の採決≫、黒なら≪ヴェールのリリアナ≫や≪リリアナの勝利≫の布告除去と、越えられる手段を持つデッキもあります。
 飛行や到達もないため、せっかく着地させられたのに飛行持ちと本体火力でゲームエンドもあり得ます。
 弱点もありますが相手からすれば非常に厄介なクリーチャーなので、クリーチャーを散らす意味でも採用する価値があります。

3.候補たち

 上記の大型クリーチャー達が多くのリストで採用されていますが、採用されてもおかしくない強さのクリーチャーはもちろんいます。
 以下のクリーチャーが赤黒リアニメイトへの採用に値する大型クリーチャーだと考えています。メイン、サイドの自由枠にどれを採用するのかしないのか、色々試して手ごたえのある形を模索するのも楽しいですよね。

3.1≪墓所のタイタン≫
 一線級の実力を持つタイタンサイクルの黒。戦場に出た時と攻撃した時に2/2ゾンビクリーチャートークンを2体生み出す、黒の6マナ6/6接死のクリーチャーです。生成したトークンと一緒した攻撃がすべて通れば2回で殴り倒すことができ、攻撃時にアンタップでトークンを出すので守りも堅いです。
 長所は以下のとおりです。
○黒の6マナなので唱えることが可能。≪再活性≫のライフペイも6点で済む!
○ETB能力でゾンビトークンを出すので除去されても損が少ない。
○布告除去に強い。
○接死持ちなので大きいクリーチャーでも相討ちできる。
 特にアドバンテージ勝負になりがちなサイド戦において、着地した時点でボードアドバンテージを稼ぐこのクリーチャーは非常に強力です。本体とトークンを1枚ずつ除去されても1:3交換ですからね。
 基本的に1体ずつしか展開できない赤黒リアニメイトは布告除去に弱いですが、このクリーチャーは違います。とはいえ、ETB能力誘発のスタックで撃たれるとどうしようもありませんけどね。
 出てきたトークンは≪陰謀団式療法≫のフラッシュバックコストに最適です。クリーチャーが邪魔でキルターンが伸びてしまった時は手札を攻めましょう!
 短所は以下のとおりです。
●除去耐性がない。
●飛行持ちを止められない。
●コンボデッキが相手だと弱い。
 いくらトークンが2体出てくるといっても、本体が除去されるとトークンだけで勝つのは難しいです。攻撃してこそ真価を発揮するので、リアニメイトしたり唱えるタイミングには注意がいります。
 フェアデッキ相手には強力ですが、代わりにコンボデッキには弱いです。このカード1枚でコンボデッキの妨害はできないので、相手がコンボデッキならこのカードを使う必要はありません。
 上振れは少ないですが下振れがほとんどない、メインからでもサイドからでも確実な活躍が見込める優秀なクリーチャーです。候補の中でも特に優先度が高いと考えています。

3.2≪血の取引者、ヴィリス≫
 基本セット2020に登場した新戦力で、失ったライフと同じだけドローできる常在型能力に2点のライフと黒マナ1点で対象に-1/-1修整を与える起動型能力を持つ、黒の8マナ8/8飛行の伝説のクリーチャーです。
 ライフとマナで戦場に干渉できる点が他のクリーチャーにない特長です。
 長所は以下のとおりです。
○カードをドローできる能力を持つ。
○クリーチャーの除去ができる。
○サイズが大きく火力で落とされにくい飛行持ちクリーチャー。
 ≪再活性≫との相性が最高です。≪再活性≫のライフロスがクリーチャーの着地後のため、このクリーチャーをリアニメイトすればライフロスを無駄にすることなく8ドローできます。フェッチランドの起動や≪思考囲い≫のライフロスでもドローができるようになる他、本体火力や戦闘ダメージでもドローできます。
 マイナス修整の対象がいなければ自身を対象にして起動します。赤黒リアニメイトの敵である≪悪意の大梟≫をドローしつつ除去できる点が強力です。
≪グリセルブランド≫と並ぶと7点ペイ14ドローできますが、流石にオーバーキルですね。
 短所は以下のとおりです。
●伝説ゆえに≪カラカス≫でバウンスされる。
●能力の起動にマナが必要。
●除去耐性がない
●≪再活性≫以外のリアニメイト呪文でのリアニメイトにうま味がない。
●失ったライフを自身で回復することができない。
 マナが必要なことと除去耐性がないことから、早期にリアニメイトした直後に隙があります。≪再活性≫を打ち消されて≪動く死体≫または≪死体発掘≫でリアニメイトしてすぐ除去されると損が大きいです。
 ≪グリセルブランド≫と違って絆魂を持っておらず、飛行以外の回避能力がないのでドローできるとはいえライフレース勝負になると厳しくなることがあります。
 他にはない能力を持ったクリーチャーではありますが使いにくさも目立つクリーチャーなので、悩ましいところです。≪グリセルブランド≫に似た役割を担うことになるので、≪グリセルブランド≫の枠を1つ使って試してみるのがいいと思います。しばらく使った感想としては、素直に≪グリセルブランド≫でいいような気がしています…。
 
3.3≪狂気の種父≫
 アンフェア押しつけの極みと言っても過言ではないクリーチャーです。各プレイヤーの終了ステップの開始時にお互いのハンドを0にしてしまう、赤黒の6マナ6/4のクリーチャーです。
 理不尽なトップデッキ勝負を持ち込めるため、先手1Tにリアニメイトできればどんなデッキが相手でもだいたい勝利できます。
 長所は以下のとおりです。
○先手1Tリアニメイトがとにかく強力。
○伝説ではないので≪カラカス≫でバウンスされない。
○クリーチャーサイズも悪くない。
 1Tで出すと土地1枚がある状態で手札がなくなりますが、こちらには1マナのリアニメイト呪文である≪再活性≫があります。都合よく引ければ戦力を増強してggでしょう。
 短所は以下のとおりです。
●除去耐性がないので終了ステップが回るまでに除去されることがある。
●タフネス4なので≪タルモゴイフ≫や2体のブロックで止まる。
●出すターンが遅くなればなるほど弱くなる。
 早く出さないと弱いクリーチャーなので特にサイド後は安定しません。
 青白系デッキだと≪渦巻く知識≫から土地と≪剣を鍬に≫を積まれることがあり意外と信頼できなかったりします。
 魅力的でド派手な効果を持つクリーチャーではありますが、いまいち安定に欠けるためか最近は採用していないリストが多いです。

4.今回はここまで

 他の大型クリーチャーはいるので、気になったものは思い切って試してみるのが一番です!よくあるリストをまるまるコピーで使い続けるのもいいですが、どうしてそのリストになったのかを考えることは大切ですからね。
 レガシーで勝ち切るには対戦相手のデッキの理解が重要なフォーマットだと感じていますが、それは自分のデッキの理解が前提だと思います。フェアデッキでもそうなのですから、赤黒リアニメイトの様なコンボデッキならなおさらです。
 こうやって理解を深めることが勝ちにつながると信じています。

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