妹が泣く

私が小学生で、妹が5才くらいの頃の話。

姉たちから「夜中に目を覚ましたら、ちゃぶ台に女の人が正座していた」「私も見たことがある」「あの部屋で眠ると金縛りに合う」「夜、窓の隙間から誰かが覗いていた」という話をされていたので、この家はこわいという印象はずっとありました。

うちには仏壇があり、購入するきっかけとなったのが、家のことで良くないことが続き不安になった母が詳しく家の歴史を調べたそうです。

祖父母の家は大きく、蔵にはそれこそ貴重な資料や歴史的な物が保管されているような家で、その昔は稲荷神を祀っていたこともあったそう。
稲荷神は身近な神様ですよね。
五穀豊穣や商売繁昌、願事を叶えてくださる。
きちんと祀っていたならその恩恵はあるが、それを怠り放置し途絶えた時は祟られると俗に言われています。
父方の祖先がそういうことをしでかしたそうで、そのことでチクチク母が父に言っているのを聞い
て、幼いながらも記憶に残ったんだと思います。

両親に連れられてお祓いに行った記憶もあります。

その事があり、今でも私は稲荷神社に絶対に近寄らないようにしています。
こわいというのと、何処かで憑かれたり怒りを買うのではという妄想にかられています。

供養などを目的として、購入した仏壇でしたが、時が経つに連れて母は御経をよむようになりました。

仏壇の前に座るだけでも心が澄んでくるようで、荒れていた心も落ち着くと言っていました。
「あなたたちもたまには座ってお祈りしなさい」と言われたこともありましたが、それを強要されたことはなかったです。
母の趣味・思想の話なのでそれはそれとして我が家にひっそりと浸透していきました。

少し大回りしましたが、
夕食後、兄弟たちで寛ぎTVを観ていました。
すると突然妹が泣き出しました。

つい先ほどまで大人しくしていたのに大泣きです。

なになにどうしたの?何で泣いているの?

「あれ!!あれ!!」とある一点を指差します。

指差す方を見ると、仏壇の前で御経を読む母がいます。

お母さんじゃん何がそんなにこわいの?


「あれ!!」と指を差し泣きつづける。

えー何かあるの?
目を凝らしても母がいるだけで変わったことはない。何にもわからない。

母の方へ指差し泣きつづける。

本当にわからない。どうしたの?

「お母さんの後ろに女の人がいて、お母さんを指差してるの!!!!!」

え????

と兄弟たちで大騒ぎ。

その頃になって、ようやく母も御経をよむのを止めたんだったと思う。

あと妹がよく言っていたのは「小さいおじさんがいた」コンセントを引っ張ってイタズラしようとしていた。というのが何度かありました。

芸能人で「小人をみた」とTVで言っているのを観て、
妹と同じこと言ってるなと、勝手に親近感をもったりして…


この世界って不思議なことが多いですね