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3話 高校3年就活中、2軒隣に漫画家が引っ越してきたので、とりあえず押しかけて僕が漫画家になるまで


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4話はこちら

https://note.mu/valensia/n/n5f6db4437a11


皆さんこんにちわ大関詠嗣です。コラムの前に、ちょっとだけ宣伝をしてもいいでしょうか…。僕はクランクUP!!という

「ゲーム業界に就職しようとした所、圧迫面接で自身のゲーム愛を否定された女性が、偶然訪れた、ゲーム業界人が集まる、実在の会員制ゲーム食堂84でドラゴンクエストシリーズの堀井雄二さんを筆頭に数々の著名クリエイターと出会い、成長する漫画」

みたいな作品を懐かしのゲームから最新ゲームまで、許可協力を頂きフィクション&ノンフィクションで描いているので、よろしかったらそちらも是非是非ご一読いただけらた嬉しいです(^^)

クランクUP!! 無料で読めます~~。 https://manga-zero.com/product/1647

モンスターストライクの岡本吉起さんにモンスターハンターシリーズの辻本良三さん、ストⅡの西谷亮さんや凄腕デバッガーさんに84店長ちょーかん、
ファミ通元編集長バカタール加藤さんに、カメオ出演でソニックザヘッジホッグの中裕司さんや漫画家ピョコタン先生、女優のユリコ・タイガーさん等も出ていたりするゲーム好きな人に読んで頂きたい漫画ですが、一人の人間が成長する、仕事とやりがい、夢と努力の漫画でもあるので、ゲームの内容がわからない、と言う方にも是非是非、読んでいただけたらと思います。


さて。
「高校3年就活中~」3話ですが、こちらはほぼ完全実話。
ほぼ、と言うのは一応記憶違いや何かもあるかもしれないので(笑)
この漫画は描いた段階で掲載前に皆川さんに見せて、確認を取っているので
一応公式なのですよ皆さん。
他にも出演頂いても大丈夫か連絡を取って了承していただいている方も
いるので、そちらも楽しんで頂けたらと。

2話の引きから入るこの、冒頭の原稿持って帰っていいか~の流れは
ホントです。当時何でそんな事を言えたのかと言うのはもう完全に若気の至りであり無謀であり空気の読めなさ以外の何物でもないのですが、


実は僕は今も変わらず初めての人と接触する時「相手の記憶に残って貰うため」変な話をする事が多いのです。


例えば高橋名人に初めて会った時、あの方は有名なヒーローなのでもうどうしても僕を覚えて貰いたいわけです、今後も沢山お話したい。ので
「あの時の名人に憧れて」「あのゲームのキャラバンが」と自身の思い出を
語るが人が多いと思いますが(僕ももちろんです)僕は最初あえて
「コントローラを分解して話題になったバネを実際に仕込んでみた」
「連射のやりすぎで肘を粉砕し医者に行った」

と言うような余計な情報を話すようにしています。
会うたびにサインをお願いするとか…

まず自分を強烈に印象付ける、ちょっと位引かれても良いのです。


人とのつながりが仕事に繋がるというのは、なさそうで本当に結構あり、
せっかく努力を凄いしているのに、ただ声がかかるのを待つ、と言うのはダメなのです。それなら努力はこれから死ぬほどするのを前提に、何の能力もなくてもまず顔を出す方がいいです。

これは「マンガの持ち込み」も同じ。

どう考えても賞に入らなそうな作品でも、持ち込んだ方が良いです。まず出会いを強引に作り、その時の編集さんにまず覚えて貰う。まあ、デビューはまた別ですが連載枠を取るのは大変なので、この漫画の様に無料で公開できる場やTwitterなどを利用するのも重要ですが、それですら、誰かに知って貰うため、共有共感するためと、人との繋がりはやっぱり意識しますもんね。

等とそれらしい事を言っていますが…

漫画家に原稿を貸してくれと言うのはさすがに無理があります。

無謀オブ無謀、バカの所業である。

原稿は一つの職業を営んでいる人の作り出した、財産ですからね。

なのに皆川さんは貸してくれたのです。

この時の原稿は2話でも描いた、スプリガン単行本4巻収録の、御神苗抹殺計画最終話。(ちなみに僕が最初にアシスタントに入った時は終末計画最終話)
なので、僕は最初に手伝った原稿よりも、
抹殺計画の原稿の方が思い入れが深いのです。
この原稿を貸してくれる大雑把な皆川さんに出会って師事出来た事が
驚きのラッキーであり、運命の分岐点なのです。

だって、例えば怖い作家さんだったりゲームが嫌いだったり、それこそ
原稿貸してくれと言ったら怒る作家さん(いや、普通こっちが当然の対応なんですよ)だったら僕に対する印象は最悪になり、2度とお話出来ないかもしれない。

出会ったのが後に力を欲しがりまくる皆川亮二だったから、僕はここにいる訳です。

出会いがアシスタント始まりではなくゲーム始まり、近所の高校生、という感じで、仕事からではなかったので、
後から入ってくる新規アシスタントさんより、僕は変な距離感で、普通に
会話が友達みたいだったり、言い争いをしたりしてしまう事もあって、一見
尊敬していないようにも見えるかもしれませんが、実は凄い感謝感謝してるのです。皆川さん今度ご飯行きましょう、僕出すんで。

次の
参考書がアキラなのもホントですね…好きなページを模写する作業を結構
やりました。とにかくペンも持ったことが無くパースも知らないわけですから、普段マンガとして読んでいるアキラがもう別次元の物になるわけです。どうやって描かれているのか全く理解できない。

教習所に初めて来たらF-1に乗って鈴鹿を走れと言うようなもんです。

あげく「記念に一コマ描かせてあげるよ」なんて話になって書かせてもらえるのがグロック(銃)とかですよ「これは四角いから楽だよ」とかいうわけですが、完成したものは完全に事故レベル。

いや事故です。

なので、スプリガン連載中はほぼほぼ練習と、ゲームばかりやってました。
(ゲームの話は次回以降にでも)基本はトーン貼りとホワイト修正、一部ベタ等の仕上げ作業で、他の時間は
スピード線を原稿用紙数百枚、ウニも数百枚…
家に帰ってもスピード線の練習をして、それをチェックしてもらう。

なにしろ本当に一度も作品をペンで仕上げた事がないわけですから
そもそも本当にペンが使えないわけです。
ペン先を焼く焼かない、デザインカッター、雲形定規、カラス口等、ほとんどここから、使い方を覚える訳です。

なのでアシ技術の上達に人より時間がかかってしまいました。
代わりにゲームを死ぬほどやったのでそっちのレベルがガンガン上がるという。

さて、この「ペンを使った線の練習」はアナログで描く人で、少しでも
苦手要素がある人はやったほうが良いと思います。
実際、スピード線は自分か作家が要求しない限り別に綺麗じゃなくても
味と迫力があればいいんですが、練習するしないは別でして、やっておくと
数年後の自分のペンタッチに影響を与えるかも。
後ウニとフリーハンドで丸を描く練習。

どの世界も単純作業の練習なんてめんどくさいですよね。
でも、例えば工場の流れ作業も、口では単純作業と言うときがありますが、製品の持ち方ひとつ、運び方ひとつでやたら効率的になったりするじゃないですか?全然流れ作業でも単純作業でもない。

線の練習も、ずっとそれをやるのではなく、ちょっとした気づきがあったら
すぐ好きなイラストを描いて確認したり、相互影響するようにするのです、
そうすると、ちょっと楽しい。

まあ、僕はそれが今出来ているか全然わかりませんし、
何も成長してないかもしれませんが、そう、意識だけはするという(笑)

今はフルデジタルで漫画が描けるので、ペンタッチと慣れについては昔と事情が違いますが(アナログで描きなれていても、デジタルだとまた別の慣れが必要ですし)似てるところはあるのではないでしょうか。

さて次回は就職と睡眠不足…と本編に描いてありますが、テトリス武闘外伝とか力王の話になるかも……。




もし気に入って頂けましたらサポート頂けると大変嬉しいです(^^)業界が偏ってしまう内容が多いですが、色々参考になるような記事が書けるようにしていこうと思います。