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普通の旅行に飽きたら、その土地をより体感できる旅を楽しみたい

旅行というと、美しい景色、歴史的建造物、美味しい食事を思い浮かべるかもしれません。しかし、何度も海外旅行を経験するうちに、新しい発見が少なくなり、従来の旅行に飽きてしまう人もいます。ここでは、そんな方々に向けて、旅先の土地と文化を深く体験する旅の提案をします。

インバウンド富裕層がディープな日本文化体験ツアーに集まっている

日本の自然や文化を体験する徒歩旅行ツアーに海外の富裕層が集まっているという記事がありました。

この記事で紹介されているツアーは1〜2週間の日程で数十万円のやや高額なものが中心で、参加者は40代以上の中年から高齢の富裕層の人が多いようです。どれぐらいの人気なのかは記事からはわかりませんが、リピーターも少なくないとのこと。

ここのツアーでは単に名所や有名なハイキングルートを歩いて回るということではなく、地元の人と交流する機会なども用意されていて、それが参加者にとっての魅力になっているようです。

私はこういった富裕層向けツアーに参加したことはないですが、去年個人で熊野古道を歩いた際も、インバウンドの観光客が多くてびっくりしました。

熊野古道は紀伊半島の山の中にあるいくつかの神社へ向かう古い参詣道を総称したもので、世界遺産にも登録されているのですが、標準的なコースでも歩き切るのに2~3日を要することもあって、正直、日本人の間でそんなに人気が高いとは言えません。

しかし、インバウンド観光客にとっては、歴史ある日本の参詣の文化を体験でき、さらに道中では豊かな自然も楽しめるとあって、その知名度と人気は意外と高いです。私が訪れた際に宿泊した宿の人に聞いたところによると、平日は8割ぐらいが外国人とのことでした。熊野古道は紀伊半島にあるので、東京や京都などの観光客に人気の都市からのアクセスは決して良くはないのですが、わざわざ日本の周遊旅行の日程に組み入れて訪れているようです。

観光名所を巡る旅行にはやがて飽きて、より深い体験がしたくなる

海外旅行が好きで頻繫に行っているという人の中には、こういうツアーに参加したいという人の気持ちが分かる人も多いんじゃないでしょうか。普通の旅行、つまり、絶景や世界遺産の建物みたいな名所を見て、美味しいものを食べて、ショッピングをする、みたいな旅って、頻繁に繰り返していると飽きるんですよね。例えば1週間を超える長期間での複数都市の周遊旅行などをしていると、3都市目ぐらいの頃から行動がパターン化してきて、「また古城か・・・」「また美術館か・・・」みたいな感覚になってくるという。

で、そういう派手な名所や美食みたいな感覚的に分かりやすい魅力に飽きると、もっと知的で深く考えさせるような刺激が欲しくなってくるんですよね。そこで、その国や地域の人達が普段どんな暮らしをしているのか、どんな価値観を大事にしているのか、どんな歴史を経てそうなったのか、みたいなことを知ると、自分の価値観や物の見方が広がるのが感じられて、充実した旅体験になるんです。単なる刺激を超えた、人間の本質についての知見をお土産として持って帰る感じですね。

そういったその土地の価値観を学ぶ上では、現地の人との交流も重要ですね。単にインターネットの情報から知識として文化を学ぶんじゃなくて、現地の人が実際にそういう暮らしをしているのを見て、そして何なら自分もその一部を体験することで、より深くその文化を理解することができます。

それに、現地の人との交流することによって、逆にお互いの文化に共通している部分を知ることもできます。そうすると、土地が変わっても普遍的な価値観って何なのかっていうことが分かって、それも面白い発見になるんですよね。

富裕層じゃなくても土地を体感する旅をすることはできる

そういった土地の文化を体験し交流する、という趣旨では、記事のツアーで行われているように徒歩旅行というのはとてもいい手段だと思います。徒歩で歩けばその土地がどんな特徴を持っているのかが理解できるし、その土地の特徴が人々の暮らしにどんな影響を与えたのかも体感しやすいですよね。

そして、そういう旅は富裕層でないとできないということはないと思います。国境を超えるとハードルは多少上がるかもしれませんが、少なくとも、日本に住んでいる人が国内の別の地方に行って、その土地を深く知るような旅をしたいと思ったら、いくらかの手間さえかければ実現可能でしょう。

その土地の歴史についての情報を事前に調べるのは手間がかかると言えばそうですが、そもそも自分がその土地に興味を持って旅行に行くわけですから、調べている時間も楽しいですよね。何かテーマを決めてその土地の歴史を調べて、その歴史や伝統的な文化に影響を与えた自然環境や交通の要衝、昔からある街などの場所を押さえ、スマホの地図を片手にそれらの場所を巡れば、その土地の街と文化の成り立ちが見えてくるでしょう。昔使っていた道がそのまま残っていれば、自分もそこを歩いてみることで、往時の暮らしの一部を体験できますね。

さらにその街の歴史資料館で働いている人や、古くからやっているお店の人などから話を聞くこともできれば、その土地の文化をよりリアルに感じられますね。

そういう意味では、やり方次第ではどんな土地でも魅力的な旅ができるということなのかもしれません。旅好きの人が本当に旅に飽きるまでにはまだまだ時間がかかりそうですね。

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