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バカンスのはじまり

新しい発信場所として、noteをスタートします

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はじめまして。[ベーカリー バカンス]です。
山口県・岩国市にある自社農園で育てた小麦を使った安心でおいしいパンを通して『日常の何気ないひと時を、バカンス気分に』。
そんな思いのもと、現在は神戸に3店舗の系列店を展開しています。

さて、突如始まったこのnote。

「店頭やSNSでは普段みなさんにお伝えしきれない素材のことや、パン作りへの思いをお伝えできる新しい場所を作りたい!」

と思い立ち、12月よりスタートすることになりました。

いわゆるオウンドメディアのような、はたまた『バカンスマガジン』のような。そんな立ち位置となる読み応えのあるコンテンツを目指して、月初めに記事をアップしていく予定です。

私たちのパンのことをもっと知っていただける場所になりますように。

お付き合い、どうぞよろしくお願いいたします!

記念すべき12/1号では、バカンスのはじまりについてお話しさせてください。

私たち「ファイブスクエア」のこと


バカンスが誕生したのは、2017年8月。場所は神戸・三宮、1号店となる[ベーカリー バカンス]です。

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その後、2021年6月にはクロワッサン専門店[ル・クロワッサン ド バカンス]をオープン。

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そして先月11月には神戸の玄関口でもあるアントレマルシェ新神戸駅に、両店舗のパンが楽しめる[ベーカリー バカンス 神戸]をオープンしました。

私たちの一番の強みは、自社で育てた国産小麦を使用していること。顔の見える安心な食材をおいしいパンとしてお届けできるのは、ファイブスクエアという会社だからこそできることだと考えています。

ファイブスクエアでは、社長である神尾が山口県で育てた米や麦を使い、神戸で飲食店事業を展開しています。

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実はベーカリーのほかにも、オリジナルの日本酒を提供するフレンチバル立ち飲みアイリッシュパブジンギスカンの店まで業態はさまざま。

「自然に興味のある人に、自然との結びつきを作る。そして暮らしのひと時を心豊かな時間に!」をミッションに、育てる・作る・販売するまで、つまり「一次産業」から「三次産業」までを一貫して行ない、日本の食文化に新しいチャレンジを続けています

バカンス誕生の背景にももちろん、ファイブスクエアならではのこうした挑戦や、さまざまな思いが込められています。この話については、記事の後半でお伝えしますね。

ひと口でバカンス気分にいざなう、おいしいパンを作ろう

《パンって、生きるために必要なエネルギー源。
だからこそ
誰が聞いても明るい気持ちになる、
誰が聞いてもわかりやすい店名がいいな。》

《そして店には、食べた瞬間にストレスが吹き飛ぶような、おいしいパンがあって…。》


《そうそう、たとえるなら
「バカンス」みたいなパンがいい!


パンを食べている瞬間だけは、日々の嫌なことも忘れてバカンス気分になれる。おいしくて、街のみなさんに愛されるパン屋を作ろう」。
ベーカリー バカンスは、そんな思いから誕生したお店です。

元々は、神尾が一目惚れしたガレージのような空き物件。三ノ宮駅から一駅歩くほどではないけれど、決して駅近とは言えない場所にあります。

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1号店はインダストリアルな雰囲気が魅力。海やハイビスカスなど、いわゆる「バカンス」のイメージとは真逆な雰囲気を持つ箱をどう色付けしていくのか、デザイナーと話し合いながら内装工事を進めました。


ファイブスクエアの〝パン屋構想〟の発端は、山口県での農作業の休憩中のことでした。自然豊かで見晴らしの良い丘で、「こんな場所にパン屋があったらいいなぁ〜」と、田舎に佇むパン屋を思い描いたことが始まりだったのです。

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でも、私たちが飲食店を構えているのはパンの街・神戸。まずは激戦区で挑戦しよう!となったところで、魅力的な空き物件と出合いました。
駅から少し離れたこの物件は「わざわざ足を運んでいただかないといけない」という部分では、当初思い描いていた田舎の店とも条件が似ていました。だからこそ、遠くても買いに行きたくなるような価値のあるパン作りの工夫が必要でした。

ところが、いざ始めようとなっても、初めてパン屋を出すので何から手をつけたらいいかわかりません。しかもまだ存在しない店舗にパン職人を募集するにも人が来ない…。そうして長い間空家賃を払い続けながらもようやく出会ったのが、1号店のパン職人・村本でした。

大阪でパン職人をしていた村本は、当時20代半ばと若手でありながら、神尾いわく「会ったその日にウマが合った」という人物。店のサポートをしていただいた兵庫県・丹波市にある[ヒヨリ ブロート]の塚本さんの元にも修業に行かせてもらいながら、看板となるパンを作り上げました。

酒粕やみりんが入った、もっちりとした独特のパン。ハードパンでありながら「このパン、飲めるね」と神尾や村本も驚いたほどの高い保水量で完成したのが、現在の看板商品「バカンス」です。


そうしているうちに、内装工事やロゴの制作も進み、ロゴは五穀豊穣の願いを込めてキツネをモチーフに。
(既存店でもお世話になっているデザイナーさんと意見を交わしながら、過去最もパターンを出していただいた思い入れのあるロゴです)

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ホッとできるようなバカンスの「空気感」を表すのに一役買ってくれたのが、子狐が追いかけている蝶々。実は2号店のロゴにも登場しています!

壁に取り付けたネオン管には、神尾の手書き文字「Think outside the Box!」と手狐のモチーフを採用しました。

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Think outside the Box=「枠にとらわれない考え方をする」というような意味がありますが、そこに手で作った狐のビジュアルを合わせることで、バカンスというパン屋は素材(小麦)からきちんと手作りしているということや、今までにないパン屋にしていこう!というメッセージが込められています

麦を使った新たなビジネスモデルへ挑戦するということ

ファイブスクエアの大きな特徴は、自社で育てた農作物を、飲食店舗で商品として展開しているところです。とはいえ、会社としても「パン屋」という形は初めてでしたし、当然不安もありました。
それでもあえて挑戦したのは、経営者であり農家でもある社長・神尾のこんな思いがあったからです。

「自分たちで育てた作物を自分たちでお客さまに届ける」ということが日本の農業の抱える問題解決につながる

店づくりにおいてはとにかくお客さまに喜んでもらいたいという願いが一番にありますが、
「抜群においしい店」だったり「イケてる店」を作りたいという以前に、こうした思いが土台になっています。

たとえばパンの原材料となる麦でいうと、国産小麦は生産コストが高いのに売値は安いという現状があります。どれだけ頑張って安く売っても、海外産のさらに安価な小麦には到底勝つことができず、日本の小麦農家はそれだけで生計を立てることは難しいほど。なので、日本は国内の小麦生産を守るため農家に補助金を投入しています。

こうした背景の中で、一次産業側でのデメリット(国産小麦を作っても儲からない)が、三次産業側ではメリット(仕入れ値が安い)にもなりうることに着目し、それぞれの持つ価値を生かすために、ファイブブスクエアでは「パン屋」という業態にチャレンジする意義があると考えました。
しかも、神戸といえばパンの街。屈指の街で私たちの個性を際立たせる店づくりをするという意味においても、このポイントはとても重要だったんです。

また、国産小麦を使ったビジネスモデルは、まだまだ未開拓で未完成のジャンルであったこともポイントでした。

これまでにも自社の米を使った定食の店を作ったり、山口県の蔵元と一緒にオリジナルの日本酒を醸造したり・・・とさまざまな展開をしてきました。
でも、お米はもうすでに日本の暮らしに根付いてるもの。全国どこにでも「地元の米」があるほど、日本人の暮らしの中心にある。だからこそ「麦」を使った新たな分野の可能性に挑戦してみたいという意欲もわいてきたのです。

バカンスの根底にあるもの

もう一つ、私たちが大切にしているのは「食の安心感」です。消費者であるみなさんにも、この話はとても共感していただけるのではと思います。

「スタートラインから人の顔が見える食べ物ってあんまりないよね」とは、農家育ちで長く米作りに携わってきた神尾の言葉。実際に農家として作物を育てるところから加工・販売まで一貫して行っているからこそ、バカンスのパンはどの段階で誰が関わっているのか説明することができます。

こうした一貫性のあるものに魅力を感じますし、これからの時代に必要な「食の安心感」につながるのではというのが私たちの考えです。

昨今では、安心よりも「安全」の方が重視されがちかもしれませんが、本来「安全」というものは「安心」を得るために必要なものではないでしょうか。きっちりとした制約やルールに基づく優しい栽培方法はもちろん大切ですが、それが全てなのかというと、そうではないと考えています。

安心して口にできるということは、作物作りの背景やストーリー、どんな人が関わっているのかが目に見えること。

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先ほどお話しした社会的な問題解決というビジネス的な側面と、安心感のある価値を提供したいという思い。
バカンスというパン屋には、こうしたビジョンや願いも込められています。

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次回の更新は、1/1予定です。1号店[ベーカリー バカンス]のパン職人・村本のパン作りの思いをお伝えしていきたいと思います。お正月休みの合間に、ぜひぜひ読んでくださいー!

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