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「BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ)」の感想


・ビジュアルノベルゲは紙芝居と揶揄されがちだが今作は演出がピカイチ、近年のコンシューマや男性向け美少女ゲームを入れても最上位に入る演出力(ぢから)。

特にセリフウインドウが無い状態で音声セリフが入るのはビビった。声を掛けるシーンとかフェードアウトとか、視覚ではなく聴覚に訴えかけるのをさらっとこなすノベルゲってForestぐらいしか思いつかない。

ノベルゲってたまに、テキストでは黒髪って表現されてるのに立ち絵は茶髪とか、仕様がうまく伝わってなさそうな内々の大変さを感じて没入感が削がれることが極稀にあるんだけど、今作はそういう乖離はもちろん無い。
全キャラの目パチ口パチに加えて多くの衣装差分とか後ろ姿の立ち絵とか、テキストの表現にプラスアルファされている細かな演出がこの作品を限りなく映像的にしている。すばらしい。

シネマティックアドベンチャーゲームと銘打つだけあって洋画や海外ドラマみたいなシナリオ、言い回しが魅力的。会話がテンポが良くてダレない。
また、各√のBADや各キャラの過去の顛末が重い、本当に重い、特に前者。リンボBADでTheEND…表記が出たとき「マジかよ…」になった。

・真相シナリオがあるが個別√では基本的に掘り下げられない、珍しいタイプ。真相があるタイプの恋愛シュミレーションノベルゲって重要キャラの√がその要素も担って結果的にキャラの格差が生まれてしまうものだが、今作はそれが無いのが良かった。

・登場人物全員が20才以上なので基本的に芯の通った大人なのが新鮮。攻略対象で最年少のクロは青臭さがあるが初心なのが良かった。乙女ゲで女性にウケそうな捻りのあるキャラがあまりおらず、性差問わずウケそうなカッコいい男性が多いのが印象的。

・すめらぎ琥珀さんがグラフィックを手掛けるギャルゲは何本かやったことあるが相変わらず絵が上手い。アダルト美少女ゲームだけでなくコンシューマ乙女ゲームもキャラクターデザインや原画を手掛けるってスゴすぎる、なかなか聞かない。美少女もイケメンも魅力的ってすごい。

・いちばん好きなキャラはモズ。√本編自体は恋愛色は薄く、アフターに入る導入も告白の発言につながると思ったら「死体清掃の経験がある」でマジで恋愛色皆無シリアスアフターかと思って焦った。ちゃんと後半コイビトっぽくなった。