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#33 Cafe del sunshineの旅人たち🇹🇭

4/24〜25 チャーン島に来て4、5日目

朝の目覚ましの定番は、鶏が鳴くコケッコッコーで目覚めるシーンだが、今朝8時、本当にそれで起きた。
喉が最悪に不調だったが、2日滞在したホテルをチェックアウトしなければならない。カイベービーチを後にし、今日はその2キロほど南にあるロンリービーチに向かう。歩いていけば30分の距離だ。バックパックを背負ってしばらく歩くと、後ろからソンテウタクシーがクラクションを鳴らし、ハザードを焚いてアピールしてくる。
「ロンリービーチまで行くんだけど」というと、100バーツ(400円)で行ってやるという。「高すぎるよ(笑)歩いて行くよ」と一度はあしらったが、また停まって、「80バーツならどうだ?この先は山道だからキツイぞ」と山の方を指差していう。彼も稼ぐのに必死と見える。
「じゃあ70バーツなら手を打とうよ」というと、運転手は少し考え、OKといった。

値引きというのはハッタリでも、「立場が強い」と思わせた方が成功する。この場合は「歩いて行く」という強い意思が自分の武器になった。
自分自身、あまり値引きは得意ではないし、それに町の発展のためにお金を落としていくという点からも、過度な値引きはしたくないと考えているのだが、それを考慮しても五分乗ってるだけで70バーツはそれなりに払っている方だし、今回は貧乏旅ゆえ許してくれ、運転手よ。

確かに山道はかなりの急勾配でなかなかキツかったから、運転手の言う通り、これはタクシーに乗っておいて正解だったとは思った。

野生の🐒



Cafe del sunshineが今日泊まるホステルだ。カフェとホステルを兼業でやっている。オーナーは陽気な人で、何かわからないことがあったらなんでも聞いて!君は一人じゃないよ!」と言ってくれる。優しい心遣いに感謝した。
計12人が寝れるドミトリーが二部屋あるのだが、最終的に泊まったのは6人だけだった。寝床に案内されたあと、すぐ隣の同室人のアレックスが話しかけてきた。
彼はイングランドの生まれだが、物価の高さに辟易して、今はニュージーランドに移住したそうだ。
「自分が19の時にロンドンに行ったことがあるけど、たしかに普通のホテルでも一泊50ポンドくらいしたかなぁ」
と彼に伝えると、驚いた顔で「クレイジー」と言っていた。拙い英語を真剣に聞いて理解しようとしてくれている姿にとても好感を持った。彼はギターも弾ける。「ギターは初心者だよ。13年間ね。」と、イギリス仕込みのジョークを飛ばしていたけれども。

もう一人はイタリア人のガブリエラだ。彼女は一泊毎にホテルを変えながら、チャーン島の旅を楽しんでるそうだ。彼女はいつも笑顔で優しい声で話すから、とても親しみやすい。チェックアウトをした後も、Cafe del sunshine に食事をしに来てたから、偶然鉢合わせたアレックスと自分も一緒に相席して話したりしていた。

どんな流れだったかは覚えていないが、第二言語の話になった。
「イタリアでは英語はどのようにして学ぶの?」と訊ねると、「やっぱり会話ね」と彼女がいう。
「日本に行って、英語しか出来ない人も仕事をゲットできるのかい?」とアレックスがいうので、
「全然雇ってくれると思うよ!英語を話せるってそれだけで才能だし、強みだからね。」と返しておいた。間違いではなかろう。
「第二言語はイタリア語にすべきよ!」とガブリエラが言う。アレックスは「チャオ」とだけ返事していた。

アレックスとガブリエラ

このホステルは自分の家にいるようでとても居心地が良い。スタッフのお姉さんは無口だが愛想が良く、いつも掃除をしに来てくれる。
また、共用スペースは昼寝に最適だ。ここでアレックスともう一人のヨーロッピアンは耳当たりの良いギターの音を奏でてくれ、ゆっくり流れる時間を思い出として閉じ込めてくれる。彼らは、島での時間の楽しみ方を心得ているようにみえた。自分もこのくらいのスタンスで良いのかもしれないと、喉を触りながら思った。

ホステルのオーナーに薬局の場所を聞く。突き当たりを右に曲がって3分歩くと、「Pharmacy 」の看板がある寂れた薬局があった。東洋系のお姉さんが処方医で、症状や発症日、熱の有無を答えると、幾つかの薬を提案してくれた。しかし、タイ語や中国語で書かれているものもあり、さっぱり分からなかったのでおすすめを聞き、それを購入した。効果は抜群だった。

合わせて160B



喉の調子もだいぶ良くなってきた折に、ロンリービーチの海にも入ってみた。このためにアディダスの水着を買った。右ポケットのチャックが一回で壊れたからパチモンだ。
水温はぬるい温泉に入っているかのようで気持ちが良い。遠浅の海岸のため、かなり沖まで足がついた。背泳ぎでぷかぷか浮いていたら、波を被って目が死んだ。海の中から見る夕陽もまた格別だった。



この家には黒ネコが放し飼いにされている。ある日、ニ階にひょっこり現れて自分の横に座るもんだから撫でてやると、喉をグルグル鳴らして気持ちよさそうにしていた。それ以来、我々のベッドに入り込んでくるようになってしまった。
夜はいつも雷雨だった。アレックスは「ここでは普通だよ」というけど、稲光が発生するたびに村が明るくなる経験はなかなかないだろう。そんな中でも平然と、彼はギターの練習に勤しんでいた。

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