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#58 熱気球で大空へ!!🇹🇷

6/1 朝4時起きで熱気球乗船、隣町ウチヒサール観光

朝4時10分。ホテルのオーナーに叩き起こされた。何事かと思ったが、「気球のお迎えが来た」という。昨日代理店では「あなたの部屋番号が判らないから、お店に午前5時までに来て」と言われていたので、まさかホテルまで迎えに来てくれるとは思わなかった。ベッドから飛び起き、速攻で準備する。オーナーには、彼が手配する気球は300€と自分には高く、別の代理店でお願いしてしまったし、自分のスマホアプリ「WhatsApp」が使えないばかりに朝早く起こしてしまったしで、何かかなり申し訳なかったが、楽しむために気持ちを切り替えていこう。

送迎のバンはかなり高級な仕様だった。革のシートで照明もオシャレでだ。ピックアップは自分が二人目で、運転手が自分の部屋に来て「急いで急いで!」とせかす。日の出は待ってくれないからねぇ。

高級仕様

バスはホテル近くをぐるぐる回り、乗船する人たちをピックアップしていく。全部で10人が乗ったバンは、ここから2kmほどの気球が上がる草原まで向かった。
空は晴れている。10分ほどで気球が上がる場所に着くと、ウェルカムモーニングカフェラテが用意されていた。我々の気球は操縦士二人を含め30人が乗船できる。気球に風と炎とを送り出して膨らませている時に、1km先の第一便が上がり出した。炎の灯りで気球が赤く光る。続いて周りの気球たちも遅れまいと続く。大空に無数の気球が舞う。

かなりデカい!!
どんどん上がっていく!

我々も全員乗り込む。日本のアニメ好きだというパキスタン人のカップルと同じ区画になった。簡単な説明を受け終わると、気球は勢いよく炎を放出し浮き上がる。頭のてっぺんにニコニコマークを付けたかわいい気球だ。地上のスタッフたちにグッバイをし、大空への旅が始まった。夢中でシャッターを切る。

100mほど上がったところでテーブルマウンテンの向こう側から朝日が顔を出した。先に舞い上がった気球たちに囲まれながら、朝日も一つの気球のように昇ってゆく。
気球内には音楽が流れているのだが、操縦士がそのメロディに合わせて炎を吹かせて、乗客全員を笑わせる。何曲目かにタイタニックの「My heart will go on」が流れたのは、トルコ流のブラックジョークだろう。確かにこの景色を観れて死ねるなら本望かもしれない笑

日の出🌅

カッパドキアの山々と田園の風景が眼下に広がっている。よく見ると乗客を楽しませるためだろう、山の一つを使って大きなユニコーンが描かれていた。🦄周りの気球たちが地上に降りても、我々の気球はまだまだ浮いていく。ラピュタのエンディングシーンのように。

🐎

素晴らしい時間はいつも一瞬だ。もっともっと浮遊していたかったが、遂に下りるときが来た。ここでも操縦士の腕の見せ所があった。畑に植えられている葡萄の木の合間を縫って進んでいくのだが、このままでは衝突すると全員が思った瞬間、巧みなバルーン捌きで籠を回転させて、二本の木の間を通り抜けたのだ。これには乗客の誰しもが操縦士に対して拍手と喝采をあげた。
気球は乗客を乗せたままトラックの牽引台に乗せられ、平坦な場所まで引っ張られた後、我々は降りた。降りた先にはウェルダンシャンペン(もちろんノンアル)が用意されていて、乗客、操縦士、スタッフの皆で、今日という日と素晴らしい一期一会のフライトにグラスを上げた。

巧みな気球捌き
用意が素晴らしい笑
乾杯🥂

余韻に浸りながらホテルに戻ってきた。興奮冷めやらぬうちに、家族LINEに最高のフライトだったことを写真付で報告する。正直、気球自体には今までも乗った経験はあるし、今回どうしようかと思っていたのだが、乗ることを選択して本当に良かったと思った。一機だけじゃなく、百近くの気球が一斉に上がる経験はここでしか得ることはできないだろうから。

気球ビジネスは日本では無理なのだろうか。まず、場所の問題が考えられる。広く開けた場所が必要だ。北海道や九州はどうだろう。そして気候の問題。盆地で風が穏やかで、年間を通して飛ばせないといけない。カッパドキアは平均300日近く飛んでいるとか。北海道のマイナス気温で気球は飛ばせるのかは知らない。そしてアクセスが良好でその場所も絶景でないと観光客は集まってこないだろう。そう考えると、日本にはそんな場所なかなか無いのかもしれない。

二時間ほどホテルで休憩して、バス停で明日のイズミル行きを350TL(2370円)で購入してから、今日は隣町のウチヒサールに遊びに行った。ギョレメ町から小一時間歩くと着く。町の北側はお城になっていて、これに登るとカッパドキア全体が見渡せるようになっている。外敵の侵入を監視するのにさぞ役立ったことだろう。お城への入り口が分からず、かつての住居跡をよじ登って入場したのだが、どうやら入場料が必要だったらしい。トルコを旅行中の韓国人のカップルに写真撮影を頼まれたのがきっかけで仲良くなり、インスタを交換する。

ウチヒサール城
トルコ国旗と
ウチヒサール城からの眺め

先程から遠くで雷が鳴っていたが、とうとう雨が降ってきたのでレストランに入った。195TL(1320円)と少々高かったが、トルコでまだ食べていなかったシシケバブを注文した。肉の旨味が口いっぱいに広がって美味かった。雨はすぐ止み、暑い日差しが顔を出す。木々の日陰からウチヒサールの渓谷に、かつて人が住んでいたのであろう洞穴を見ながら、ゆっくり流れる時間をただひとり楽しんでいた。帰りに明日のバス内で楽しむハリボーを買って、宿に着いた。

シシケバブ

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