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EURO VOLLEY 2019 観戦記録5~1/8Final・1/4Final

予選のグループ戦を終えて、
プールBを一位で通過したセルビアは
プールDの4位、チェコと
1/8ファイナルを戦います。

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対戦の組み合わせはこの通り…

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ここからはトーナメント戦。
負ければ即、OUT。
私の「パリ決勝観戦の旅」は幻に終わります。

そんな夢がかかった1/8ファイナル
セルビア対チェコの戦い。
前回大会でフランスを潰し
1/4ファイナルに勝ち上がったチェコ、
手強い相手に違いない…と思っていたら
やはり序盤、
リードされる展開となってしまいました。

第一セット、追いかけながらチェコを捕らえ
その後徐々に引き離しにかかったものの
終盤でサーブのいいハドラヴァ
(ポーランド・オルシュティン在籍)に
エースで追いつかれ、
そのままずるずるとデュースデュース…。

先にマッチポイントを奪われながら、
何度も危機を逃れ、気が付けば
30点越える接戦になっていまました。
これがプール4位のチームなの…⁉
ひゃー、ユーロってホント恐ろしい…

ヒヤヒヤ…手に汗握るセット、
最後はポドラスチャニンのブロックに救われ、
セルビアは第一セットを
なんとか獲ることができました。

と、そんな激闘をものにしペースを作れたら、
もう今のセルビアに怖いものはありません。
結果的には3-0のストレート勝利!
終わってみたら余裕の勝利に見えますが、
いやー、全然、余裕なんてなかった…。

が、この後待っていた1/4ファイナル
ウクライナ戦が、
それを上回る生きた心地のしない接戦になるのでした。

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前日、大方の予想に反し
ホームのベルギーをフルセットで破った
ウクライナ。
上向き調子で、勢いありそうに見えますが、
でも、そう”いい調子”というものは続かないもの。
それが続けば立派な強豪チームで
それが続かないのが発展途上チーム。

なーんて、言ってたら、
まんまとやられてしまったのです…。

1セット目、接戦の末最後に
どーんと4連続失点でセルビアは失セット。
今季ミラノからペルージャに移籍する
ウクライナのプロトニツキーの好サーブに
やられました。
いつものようにレセプションの弱さは
どうしようもないセルビア…。
これで、試合は完全にウクライナペースに
持ち込まれてしまったのです。

2セット目、リードされながら、
大差を追いかける展開。
何度か連続得点で逆転を試みるも
ウクライナの隙の無いバレーに
取っても取り返され、
さらにセルビアはミスを連発し
差が開いていきます。
正直、もうここで敗退かな…
そんな空気が流れていました。

そう、今大会前までのセルビアなら
8月のイタリアとの五輪予選のように
何にもできず終わってしまう光景しか
想像できなかったのです。
せっかく決勝のチケット買っちゃったけど
パリ行きの航空券も用意したけど、
それも無駄に終わるのか…
はぁ…

真っ暗な部屋、パソコンの画面から
気持ちが離れていきそうになったそんな時でした。
ついにアタナシエビッチが覚醒したのです。

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17-21、一人時間差スパイクで1点、
18-21、サーブで崩し自らのスパイクで1点。
19-21、レセプションをはじくエースで1点、
20-21、ノータッチエースで1点。
なんとミス連発のムードの悪いあの状況から
一人で怒り交じりの4連続得点!!
す ご いーーー!!!

かれこれ彼のパフォーマンスを
7年ほど見続けてきて、正直、
どこか頼りなさを感じることがありましたが
これはもう、まさに真のエース!!
こういうときに場面を切り開く力を
発揮できる強さ…
これを求めていたのです!!

去年の世界選手権のポーランド戦、
何度も言いますが8月のOQTイタリア戦、
そして、セリエの決勝第5戦目、
あの時流れを変えられず苦しんだ経験を超え
このパフォーマンスに繋がった。
「強くなれ…」
5月のつぶやきはここでついに
現実となったのでした。

これで21-21と同点に持ち込んだら
ウクライナも慌てないわけありません。
自らのミスで22-21と逆転を許し、
今度はセルビアの波が起こり、
第2セット、そしてそのまま第3セットを
獲得しました。

しかしながら、隙のないウクライナは
集中力を取り戻し、第4セットを奪うしぶとさを
見せつけてくれます。
いやいや、本当に手強い相手です…。
たまたま調子が良かった…ではない
つなぎのよさ。
アタナシエビッチのコースに
ちゃんと入っていて上げるし、
それを攻撃につなげていくし
ネット際のやり取りも
想像以上に落ち着いてる。

結構、大きな国際大会慣れしてないチームは
バタバタしてミスってくれるのに
逆にセルビアがミスってる気が…
んー、相性もあるのでしょうか…
一旦危機を回避したように見えましたが、
セットカウント2-2で
対決はフルセットに持ち込まれました。

ここまでくれば敗退の覚悟はできます。
このウクライナなら負けてもいい…と。
これが真の実力だから仕方ない…。
負けたとしても、セルビアの力が
足りなかっただけ。

が、思いに反し序盤から駆け出すセルビア。
第5セットは優位に進めていき、
あっという間に15-9で勝利を収めました。

最後こそ、落ち着いて見ていられましたが、
いやいや、それにしても
こんなに生きた心地のしない
ハラハラした試合は久々。
負けるにしても、
もうこりゃだめだーと諦める試合が多かったし、
勝った試合も、接戦というより
余裕の試合が多かった。

でも、これこそがバレーボールの面白さで、
ヨーロッパバレーの興味を惹かれる部分。
ただ、今回のように
いろんなものを賭けている場合は
心臓に悪すぎる…。

といいつつ、ここまでくれば
結果オーライ!!なんでも許せます(笑)。
これで、ついに私の夢の旅実現へ
あと1戦と近づきました。

さて、同時刻に行われていた
フランス対イタリアはというと…
3-0、フランスの圧勝。
なるほどなるほど、やはりホームのフランスは
サポーターという武器をもって
イタリアを打ち負かした模様。

ってことは、次にやられるのは
セルビアか…?

その答えは、2日後の明け方までお預け。
その間に私は、期待を込めて
決勝観戦パリへの旅に向け
準備を始めていきました。

6へつづく…




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