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VOLLEY TOUR 2019/20【36】~欧州五輪予選・決勝

1月10日(金)
東京2020欧州予選・決勝

私の思い描いたストーリでは
今夜、セルビアの五輪出場権獲得で
盛大に盛り上がるはずでした。
しかし、もうここには
セルビアチームはいません…

そんなことは十分過ぎるほど分かっていますが、
2日前に敗退してから
気持ちも整理してきたつもりですが、
いざ、その時が来ると
やっぱり悲しくなってしまいます。

なんでここにいないいんだ…
心の傷はそう簡単には癒されないのです。

一人でいるとどうしようもない思いに
悶々と悩まされるので
友人とご飯を食べながら
気持ちを紛らわせることができたのは
ホントに助かりました。

しかも欧州在住の彼が選ぶお店は
いつもアジア料理。
旅もちょうど1ヶ月が過ぎて、
欧州の料理にだいぶ慣れて来た身としては
有難い選択で、
今回はベトナム料理店で
フォーをいただきながら
試合前の複雑な時間を過ごしました。

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ひとしきり話して開場時間を迎え、
会場入りした後、今度は
オランダファンの友人と思い出作り。
お互いに満足のいく結果ではなかったけれど、
お互いのヒーローはここにいないけれど…
それぞれのチームに感謝の気持ち抱いて
この大会を締めくくろうと、
一緒に会場のいろんな場所で写真撮影会。
彼女の前向きな提案に助けられ
悲しみの表情を笑顔に
変換することができました。

これから始まる決勝にはいないけれど
彼らの魂は、ここにあった。
それを私たちはちゃんと見届けた。

敗退決定直後は
その場にいることが考えられない程
辛くて苦しくて切なくて、
決勝を見ることはできないと思っていましたが、
彼らの軌跡と魂に誇りを持って
そこにいることを決めました。

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これまでいろんな大会を観戦してきて、
いろんなサポーターたちを見てきて、
本当に心からそのチームを愛する人は
例え敗退してチームがいなくなっても、
その国をアピールし続けていました。
決勝にいないチームの国旗を手に
シャツやマフラーなどをまとい
悲観することなく周囲と共に盛上っていました。

そんなサポーターの姿を見てきて
その愛の大きさに何度感銘を受けたことかわかりません。
これがチームを愛するということなんだと
学ばせてもらいました。
そして、今こそ私もその愛を証明すべき時だと思い、
セルビアがそこにいるかのように
最後まで試合を見届けようと思いました。

そんな決勝戦はフランス対ドイツの戦い。

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昨日に引き続きトニウッティを控えにして
フランスは一大勝負に挑みました。
対するホームのドイツは
昨日と同じスタメンですが
昨日のような展開には持ち込めず苦戦…
ブルガリア相手にあんなに良かったのになぜ…
フロムも振るわず、
カリベルダも昨日のようにブロック決まらず
カンパのサーブも効かず…
完全にフランスに流れを持っていかれてしまいました。

あんなに不調だったフランスが
今や立派な「チーム」になって
闘っているのには本当に驚き。
試合を通してチームが
作られてきたことは一目瞭然で、
しかもボワイエよりも
パトリーの方が勝負強く、
この決勝の大舞台で確実に
力を発揮していました。

ヌガペットも崩れなかったし
ユーロのようには隙を見せなかった…。

正直、様々な問題を起こす彼を
あまり好意的には見られないのですが、
直前のブラジルでのセクハラ逮捕が
仕組まれたものとして
被害に遭った話を聞くと、
気の毒に思えてしまい、
こんな私でも同情から
勝利の報いを与えてあげたくなるのでした。

まぁ、そんなこと私が思ったところで、
実力あるチームは自力で勝てるのですが…

最終的にはグロゼルの怪我も影響し
ドイツはドイツらしさを出せないまま
予想外にあっさり0-3で敗北…

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これでフランスの優勝が確定し、
東京オリンピック、ヨーロッパ最後の枠は
フランスのものとなりました。

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あはは…
ことごとく私の応援するチームは
負けていったんだな・・・(笑)。
セルビア…ブルガリア…ドイツ…
私は不幸の女神か(笑)。

またもベルリンで悲しい思い出が
またひとつ…
しかもそれが最後の
海外で見る国際大会になるのですから
思うように人生はいかないものです。
これで、私の国際大会観戦は幕を閉じました…。

・・・

6日間に及ぶ大会が終了し
翌日は日本へ帰るオランダファンの友人と
カフェで最後のバレートーク。

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そしてそれぞれの行き先へと向かいました。
彼女は日本へ帰るため空港へ。
私は、ベルリン郊外のホテルへ。

ここからはセルビア選手との
お別れの旅のはじまりです。
それを思うと涙からは逃れられず、
これからしばらくの間
涙に明け暮れる旅を続けなければなりませんでした。

【37】へつづく…


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