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EURO VOLLEY 2019 観戦記録6~セミファイナルFRA vs SRB

つくづく、ヨーロッパ選手権は
番狂わせが起こるものだなーと思います。
そして今回も、期待通り?それは起こりました。

1/4ファイナルでロシアを破った
スロヴェニアが、セミファイナルでは
ポーランドまで撃破。
昨季の世界選手権、完全無欠と思わせた
あのポーランドをまさか3-1で潰してしまうとは…。
確かにスロヴェニアはずっと母国、
ホームでの戦い。
そりゃ、優位な環境であることは間違いない。
だけど、それに屈するようなポーランドでは
絶対にないはず…

一体何があったの?
ポーランドバレーに詳しい友人に訪ねると
「クビアクが良くなかったですねー」と。
ネットで見てみたら確かに
終盤はクビアクらしからぬミス連発。
最後もクビアクのサーブミスで
ゲームセット。
ここまで追い詰めたスロヴェニア、
スゴイな…と感心すると同時に、
この予想外の展開は
セルビアにもいい風を送ってくれているように
感じるのでした。

日本時間9月27日(金)28時…
言い換えると9月28日(土)4時。
ついに準決勝
フランス対セルビアの試合開始です。

これで勝利すれば決勝!
パリへ出陣!?
さてどうなる???

事前のアンケートでもあったように、
ファン投票では約6割が
フランスの勝利を予想していました。

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確かに有利なフランスのホーム。
だけど、ご存知でしょうか…?
セルビアは2年前のヨーロッパ選手権、
ポーランドのどでかいサッカー場で
赤白のポーランドサポーターで埋め尽くされる中、
ポーランド相手に堂々のストレート勝ちを
収めたことを。

そして昨年の世界選手権、
イタリアの広いフギュアの会場
イタリアサポーターで埋め尽くされる中
これまた堂々のストレート勝ちを収めたことも。

そりゃ、6年前の世界選手権、
ポーランドのサッカー場で
けちょんけちょんに
やられてしまったこともありました。
でも、あの屈辱から成長を遂げ、
周囲に惑わされない集中力を手に入れたのです。
そして流れに巻き込まれず、
自分たちのバレーを展開し
悪状況を切り開く力も、この大会ウクライナ戦で
備わったように思えます。
今やセルビアにとって、
ホームかアウェーかは全く関係ない!!(強気!!)

しかも去年の世界選手権は
フランスに対し久しぶりに勝利を収めており、
恐らく苦手意識は払拭されているはず。
そう、この試合はこれまでのように
フランスの好きなようには
させない自信がありました。

が、、、始まってみると…
やはりフランスが手強い相手だということを
思い知らされるのでした(涙)。。。

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第一セット、初っ端からフランスが3連続得点。
この差に追いつけずセルビアは、
終盤までフランスを追いかけます。
アタナシエビッチに決めさせず、
ミスを誘わせたり、
繋いで攻撃に変えていったり、
セルビア追いとしてはもどかしい展開。
フランスの攻撃に多少のミスもあることで
大量リードは免れるも、最後は
フランスがセットを獲っていきました。

第2セット、今度はセルビアが4連続得点でスタート。
エンガぺのエンガぺらしいバックスパイクで
同点にされるも
セルビアの連続ブロックに加え
フランスのミスもあって中盤で8点差と
大きくリード。
これまで調子のよかったボワイエも、
こういうプレッシャーのかかる試合では
ミスも多め…
怪我明けのエンガぺも
パフォーマンスに粗さがあって
まだ万全ではないよう。
なーんて油断していたら、
エンガペ、リネールのサーブからの連続得点で
危うい状況に陥ってしまいました。
あと一点というところで5連続失点をしてしまう
セルビア。
しかし、最後はリネールのサーブライン越えのミスで
なんとか第2セットを譲ってもらえました。

第3セットはまたまたフランスの3連続得点から。
これまでの流れで言うと
先に連続得点した方がセットを取る傾向。
しかし、ここではフランスの流れから
中盤に追いつき、連続ブロックで逆転。
終盤は危うい状況を切り抜けながら
最後はエンガペのセンターライン超えで
ここもフランスにセットを譲ってもらいました。

決勝まであと1セット…
の第4セット。
ここはもう、フランスのショータイム。
これがフランスのバレーだ!と言わんばかりに
完全に翻弄されるセルビア。
ボワイエがノリにノッて鋭いスパイクで
セルビアを痛めつけ…
そしてやはりエンガペとリネールには
サーブでやられてしまうのでした。。。
あぁ、きっとイタリアも
こんな風にやられてしまったんだな…

中盤には早々と8点差が付き、
その差を埋められぬまま終盤へ。
だけど、決して、セルビアに
悪いムードは感じられませんでした。
まだ、可能性が十分にあることを
感じさせてくれていました。

そしてついに迎えた第5セット。
15点しかない分、ここは先に走った方が
断然有利な展開です。
ノッているフランスが走るかな…
その恐怖はやはり拭えません。
ですが、予想に反して
セルビアが走り始めました。

ペトリッチのサーブで始まったセットは、
サーブで崩し、アタッカーのミスを誘い、
なんと5連続得点で大量リード。
8-2でコートチェンジを迎えます。

こ、これは想像以上に有利な展開!
…の中で、やっぱり訪れた
エンガペのサーブでの連続失点…。
が、ここは最小限に抑えることに成功し、
逆にリシナツのエース+連続得点で14-7、
ついにマッチポイントを迎えました。

あと1点…これが取れなくて
苦労した第2セット。
ここも気を許すわけにはいきません。
しかし、緊張に包まれたボワイエのサーブは
ネットを超えずフランスコートに落下。

この瞬間、セルビアの決勝進出が決定しました。

喜び合う選手、監督、スタッフ、サポーターたち。
それはもうまさに夢のような
現実とは思えない光景でした。
もう涙が溢れないはずはない…

ずっとセミファイナルから先の扉が開けられず
苦しんできた日々…
それが開かれる日が本当に来るなんて。
そしてそして、
その決勝の舞台に立ち会える
幸運がこの手にあるなんて!
最高のチーム、
最高の選手たち。
あぁ、信じてきてよかった…。

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すっかり朝日が昇り明るくなった部屋、
余韻に浸りたい気持ちを堪え、動き出します。

1時間半後には自宅を出発。
いざ、決勝の地パリへ向かいます!!

7へつづく…



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