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初めてプラモデルを塗装したい時に必要な物の話(筆を使う場合)

ここ数年の巣ごもり需要でプラモデルを組む人が増えてきていると個人的に実感している。家電量販店のおもちゃコーナーを覗いてみると様々なジャンルのプラモデルが棚に並んでいる光景を目にするのだが、プラモデルそのものと同じくらいに工具や塗装用品、ぱっと見では何に使うかすらよくわからないツールなども量販店で気軽に購入できる機会が増えてきた。
筆者は中学生の頃に出会ったホビー誌に強烈な印象を受けてから今日に至るまで、ガンプラをはじめとする様々なプラモに挑戦しては失敗し、少しずつ作品と呼べる完成品を増やしてきたヘビーユーザー寄りのプラモ好きである。

最近のプラモは成型の段階で色分けがされており、組み立てるだけでカラフルな完成品が手に入るという印象を抱いている人は多いだろう。買ってみた新作のガンプラを組み立てて、あまりの完成度の高さに「まぁ、これで完成でいいか。色分け完璧だし」とゴールしてしまうことが筆者にもよくある。
しかし、世の中には「カスタマイズカラーのオリジナルガンプラを作りたい!」とか「色分けされた近年のプラモデルじゃないけど、選択肢がこれしかないキットを完成させたい」といった自分だけの完成品を作りたいという人も少なからずいる。特に後者の場合になると、成型色は1色か2色でそのまま組み立てたらどうにも完成度が物足りないと感じてしまうだろう。

こういった場合には塗装用品が必要になってくるのだが、初めて挑戦しようという人にとっては何が必要なのかよくわからない、詳しい人に聞こうにも周りに詳しい人が居ない、SNSで尋ねようにも人によって言うことや必要なものがてんでバラバラだったりと中々にハードルが高い。特にSNSでのやり取りだと質問をする初心者側が目指したい完成度と、質問に答える人の考える完成度の基準が違うことがままあり微妙にすれ違った結果、結局何を買って用意すればいいかわからないままといった悲しいケースになることもある。

今回は、必要最低限の必須の物だけを写真付きでピックアップしていくので、初めて挑戦したい!という意気込み溢れる方々の参考になれば幸いである。


1.筆を買おう!

さて、前置きが長くなってしまったが筆塗り編と銘打った本記事なので、筆で塗装することを前提で話を進めていく。模型の雑誌を飾るようなプロのモデラーの人たちはエアブラシというエア圧で塗料のミストを吹き付ける専用の道具で塗装している場合がほとんどなのだが、導入コストが高く運用が難しいので塗装に初挑戦したい人には筆による塗装をおすすめする。

模型用品売り場の筆が並んでいるコーナーへ目を向けて見ると、多種多様な筆が並んでいる。価格は1本200円ほどから高いものになると1000円を超えるものまである。高価なものほど性能がいい傾向になるが初めて買うのであれば200円から300円ほどの価格帯のものをおすすめしたい。セットで300円ほどの格安のものも売り場に並んでいるが、お世辞にも使いやすいとは言えず塗装そのものが嫌いになってしまう恐れがあるためちょっと奮発してみよう。

模型用の筆。柄の部分のTAMIYAの印字のとおりタミヤから発売されているもの

上の画像のように数種類買うことになるのだが、塗りたい面積によって使い分けをすることになる。ガンプラの目の部分の塗り分けには細い面相筆、広い面積には平らな平筆、奥まった所には丸筆といった具合に塗るシチュエーションによって様々。最初は色々な太さの筆を買う、と覚えておけばいいだろう。

2.塗料を選ぼう

模型用の塗料も様々な種類がある。塗料の成分によってラッカーや水性アクリルなどに分類されるが、今回は作業時のにおいがあまり強くなく筆などの用具を水で洗える水性アクリル塗料をおすすめしたい。

クレオスというメーカーから発売されている水性ホビーカラー。緑がかった青いラベルが目印。

一番左のビンは専用のうすめ液で、塗料が濃い時に薄めたり水洗いで落ちない筆の汚れを取る時に使うもの。塗料とうすめ液は対応した専用のものを組み合わせて使おう。


3.役立つグッズたち

さて、ここまでで筆と塗料が手に入ったわけだが、もう少しだけお付き合いいただきたい。あると便利なサポートグッズも買って帰ろう。
代用品や自作のものでも何とかなってしまうものだが、せっかく趣味で新しいことに挑戦するのだから専用品をそろえてしまおう。

スポイトとかき混ぜ棒と塗料皿。金属製のものは汚れを落としやすく長く使える。

塗料皿は金属製のお皿で、ビンから取り出した塗料を乗せるために使う。
ビンから取り出す際に大事なのがこちらも金属製のかき混ぜ棒。多くの塗料は顔料と溶剤という成分で構成されているが、これらをよくかき混ぜることで初めて塗料として本来の性能を発揮するので、きちんとかき混ぜよう。
スポイトはうすめ液をビンから取り出すときに使う。ビンから直接注ぐのはうすめ液の分量が分かりにくいので、面倒でもスポイトで取り出そう。

大小様々なクリップ。串が付いているものはネコの手という商品名。使い方は後ほど。
クレオスから発売されているネコの手ステーション。これの使い方も後ほど。

これらの写真のグッズをどう使うかと言うと…

こんな風にクリップで挟んだものを刺して使う。

塗料というものは乾燥すれば手で触れるのだが、乾燥前に手で触ってしまうと手も汚れるし、なによりせっかくがんばって塗装したのに指の跡が付いてしまって台無しになってしまい、テンションが下がる。これを回避するために塗装したいパーツにあらかじめ持ち手になるようにクリップを取り付けて、塗装中はパーツに触れないようにすることができるのである。
串のついていないクリップも写真の中にあるが、これは大きなパーツを挟むために100均ショップで購入したもの。専用品ばかり紹介してきた流れではあるが、ちょっと機転を利かせるとたちまち役立つグッズにクラスチェンジする。


以上が初めての塗装で最低限必要なものの紹介である。
記事の執筆にあたり実際に手を動かしながらピックアップしたので、これだけあれば困らずに塗装に挑戦できると思う。
これらの塗装用品の具体的な使い方については、次回以降の記事で書いていきたい。
筆塗りに挑戦する際の実践編が書き上がり次第「いきなりエアブラシで塗装したいんだけど…」という方向けにも同様にフォローしていく予定なので、しばらくお待ちいただきたい。

では皆さま、よき模型ライフを!

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