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和の心コズミックスピリット59/コマは子供の成長を祈る縁起からきたもの

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■コマ遊びは子供の健やかな成長を祈ると同時に、自立性のある人へとなってほしいという願いがある


最近は失われつつありますが、日本にはお正月と言えば、歌にもあるように、コマで遊ぶ習わしがあります。お正月のコマは子供の成長を祈る縁起からきたものです。新しい年のはじめに、子供たちが健やかに育つことをコマを雛形としてなぞらえるのです。

コマは回転するとその中心に軸が成立し、立ち上がり、自分の力だけで生きてゆきます。

コマで遊ぶ子供たちがそのような自立性のある人となって育つようにという願いなのです。

自立するコマは自由に動き回り、開放的に見えます。自立性のある人ほど自由を感じる度合いも大きい。これは個人だけでなく、社会についても言えるのではないでしょうか。

コマが奔放に動く自由な存在であるのは回転によって自らに軸を成立させているからであり、外的な何かによって立ったとしたら自由には動けません。

和の社会の自立性の原点にはこのコマのような原理があるように思われます。円形集落や大黒柱に支えられる家は形の上でもコマに似ていますが、そこには精神的にも共通の軸が存在しました。

軸が成立したコマには必ず求心力と遠心力が働きます。コマはこの両者の力によって自立し、統一体となります。求心力は社会が一つ向かう力に相当すると言えますが、遠心力はアーノルドが指摘した「しきりに何かを要求する」「ふんぞり返って歩く」ような人が、「居場所を見つけることができ」なくなるという、その力に相当するのではないでしょうか。

しかもそれをアーノルドは「生活をたのしいものにする」力であると指摘しています。

統一を揺るがす要因を、外的制御を経ずして除去するその力ゆえに、和の社会は過ぎたる法律の縛りを必要とせず、またことさらに自由を叫ぶ必要もなかったのではないでしょうか。この統一力は特定個人や権力によるものではなく、すべての人々によって直接的に生ずる力によるものです。

三万六千万年前から円形集落が存在し、太古から神を軸(柱)として認識し、家の中心には縄文では立石が、近年では中柱が家族全員によって畏敬されてきたこの長い歴史が、このたぐいまれな力を与えてきたのではないでしょうか。


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