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Facebook仮想通貨Libra 解説本②

ⅲ エコシステムの発展を目指す独立したLibra協会がLibraを運営している

Libra協会は1社が全体をコントロールするのではなく、協会のメンバーの総意で運営しています。
こうすることで、独占禁止法やデジタル課税、プライバシー問題などで様々な面で国から警戒されているFacebookの立場を案じているのでしょう。


■仮想通貨Libraのブロックチェーンの特徴

ⅰ数十億のアカウントに対応できるスケーラビリティ

27億ものユーザーがいるのですから、全員が使えるよう数十億のアカウントで動作することが求められます。
Libra協会のメンバーであるMASTERカードやVISAは毎秒6000万件の処理ができるシステムがあり、決済手段として利用するLibraの技術も期待できるものになるでしょう。


ⅱ堅固なセキュリティ

ブロックチェーン技術は改竄のできないシステムで堅固です。
それに追加して、Facebookの信頼性、27億人もの人間関係を把握した、一人一人のアカウントという運用ポリシーで行っていることも期待ができると思われます。


ⅲ柔軟性

仮想通貨Libraは様々なサービスを組み込むことを想定しており、利用者がカスタマイズできます
決済サービス会社が提供しているように、オンラインショップなどに組み込む以上の新たなサービスを作り出すことを可能にしています。
さらにLibraは決済手段だけでなく、スマートコントラクトにも対応するので、契約内容をブロックチェーンに組み込むことも可能です。
これの応用をすれば、電子書籍や音楽データ、映画の動画データなどを簡単にレンタルすることができるようになり、著作権を支払うだけでイベントで利用する手続きが簡略化できます。

このようなブロックチェーンを実現するべく、現時点では以下のことが決定しています。

■プログラミング言語「Move」をデザインして使用する。

「Move」という新しいプログラミング言語を使うことで、多数のベンチャー企業が参入してくるのが見込まれ、従来の金融業界にとらわれない新しいサービスが生まれます
過去の例では、クラウドファンディングやフィンテックなどの技術がそれにあたります。


■ビザンチン・フォールト・トレランス(BFT)合意アプローチを使用する

仮想通貨Libraでは最大3分の1のデータの不正や不具合が起きても、正常に修正するように設計されています。

取引履歴の確認は軽量化する設計で、アプリの簡略化や匿名性を維持することなどがホワイトペーパーに記載されています。匿名性は通貨として利用するには重要な要素ですが、一方でマネーロンダリングに利用されるなど、犯罪に使われる危険性があります。どこまで匿名性を守るかはセキュリティの問題と同じで難しい問題です。


■仮想通貨Libraを裏付けるリザーブ

仮想通貨Libraは、ステーブルコインとなっていて、法定通貨などと固定した交換レートになります。
ステーブルコインとしての価値を維持するためには、コイン所有者がいつでも同等の価値の法定通貨に戻すことができる準備金が不可欠です。Libraはリザーブという形で準備金を蓄積します。

Libraは米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドの通貨を担保にして、さらに短期国債も組み合わて価値を維持し、さらに運営資金を得るようにします。

注目したいところは、1つの法定通貨の固定レートを適応するというものではないことです。
一つの通貨の固定した場合、長期的にみるとその通貨の価値と連動するLibraになってしまい、世界規模で送金や決済を行う上では不利になる国や有利になる国ができてしまいます。

そこで様々な通貨を準備金にすれば、変動幅を最小限にして運用できます。この試みが成功すれば新しい基軸通貨としてLibraが認められるようになるかもしれません。

(続く)


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