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医師が教える新型コロナワクチンの正体16

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■私たちが持っている免疫とは何か

ここでは人が本来持っている病原菌に対処する免疫について考えてみたいと思います。

生物は自分の体内に病原菌や自分以外の物質が入ってきたとき、または自分の細胞ががん化して異常な細胞になったときに、それを認識してやっつけることで、自分の体を病気から守ることができる多くの仕組みを持っています。

これが免疫です。細菌のような単細胞生物でも、ウイルス感染を防ぐ仕組みを持っていますし、それが魚類、爬虫類、鳥類、哺乳類と進化する過程で、さらに複雑な仕組みを持つように発展しています。

免疫を理解するときに基本的なことは、免疫は重層構造になっていることです。これは体内に病原菌が侵入してくるまでには、それを防御するたくさんの関門があるという意味です。

最初の関門は物理的な障壁である皮膚や粘膜です。皮膚そのものが外的から身を守る防壁機能があります。この防御機能は非常に強く、ほとんどはここでブロックされます。皮膚自体も毛穴からの分泌物、汗、皮脂、抗微生物ペプチドによって守られています。一番重要なのは粘膜免疫です。




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■粘膜免疫は免疫の主戦場

人間の体を一つの筒にたとえると、筒の外側が皮膚で内側が粘膜です。

粘膜自体は唾液口腔内細菌、涙、呼吸器粘膜、繊毛、胃液、朝刊粘液、腸内細菌、母乳などによって守られています。粘膜の表面積は、小さなひだを全部伸ばすと、全部でテニスコート1.5面分、表面の防御機構である皮膚の200倍にも及ぶそうです。

粘膜こそがウイルスや細菌が入ってくる入口であり、免疫の主戦場です。

粘膜免疫の中でも最も注目されているのが「腸内免疫」です。腸には1000種類の微生物、1000兆個程度の腸内細菌が存在していると言われています。

腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の三種類があると聞いたことがある方も多いでしょう。善玉菌は体に良く、悪玉菌は体に悪いというイメージがあるかもしれませんが、双方とも免疫において重要な働きを担っているので、善玉菌、悪玉菌というイメージを持つのは止めた方がいいです。重要なのは、その種類とバランスです。




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■第二関門の全身免疫

先に紹介した免疫の第一関門である皮膚や粘膜を乗り越えて、病原菌が血液中や体内に入ってきてしまったとしても焦ることはありません。次に控えているのが「全身免疫」です。

全身免疫にも「自然免疫」と「獲得免疫」があります。自然免疫は生まれつき体に備えている仕組みで、獲得免疫は異物に応じた攻撃方法を記憶する後天的な仕組みです。

いずれも免疫細胞が病原菌を捕えたり、破壊したり、排除したりするように闘ってくれます。ちなみに、自分のがん化したがん細胞や古くなった自己細胞もこうした免疫細胞が攻撃する対象になります。

自然免疫の例として、わかりやすいのは発熱です。病原菌が入ってきたと感じると、体は体温を上げ、血液の温度を上げます。ウイルスや細菌は熱に弱いので、温度の高い血液や細胞中で増えにくくなります。そうしているうちに、好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞が細菌を取り込んで食べてしまいます。

ウイルスは細胞と比べると圧倒的に小さいため、好中球やマクロファージには苦手な相手です。そこで活躍するのが獲得免疫である、ヘルパーT細胞と呼ばれる免疫細胞が攻撃の作戦を立て、キラーT細胞が指示を受け、ウイルスに感染した細胞を攻撃するように働きかけます。

その過程はメモリーB細胞と呼ばれる細胞内に記憶されます。正常な状態では、細菌やウイルスが体内に侵入すると一部のB細胞が形質細胞に変化しますが、この形質細胞が抗体をつくってウイルス排除に寄与します。

獲得免疫とは一度侵入した病原体の情報を記憶し、再び侵入してきたときに対処できるよう学習する仕組みであり、一度かかった麻疹や風疹などにかかりにくいのは、この獲得免疫をつくってくれることで、ウイルスなどの抗原を素早く処理してくれるためです。


(続く)



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細川医師と大橋先生の対談本の記事です。参考にどうぞ(*^-^*)




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PCRについて詳細を知りたい方はこちらお勧めです(*^-^*)



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ドイツでのコロナパンデミックの状況を詳細に描いた書籍の記事です。日本との比較にどうそ(*^-^*)




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コロナを笑いで痛快に描くジョージさんの漫画の記事です(*^-^*)




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