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ブロックチェーン革命⑱

8章分散型自律組織や分散市場がすでに登場③

<クラウドストレッジ Stori>

ストールジは利用者のファイルをP2P型のネットワークを形成したネットワーク内の他人のPCにファイルを保存し、その対価として仮想通貨※SJCXを払うサービスです。ファイルは断片化され暗号化された後に、複数のPCに保存されます。
ファイルの断片の保存場所はストールジのブロックチェーン内に保存します。従来のサービスと比較するとデータセンターを維持するコストが必要ないため、安価にサービスが提供でき、各ファイルは断片化されるために安全だとされています。


※SJCX:Storjcoin X(SJCX)とは
分散型ファイルストレージサービス「Storj」のCounterpartyトークン。
https://altcoinjpy.com/detail/storjcoinx (詳細説明)


<AI、IOT、ブロックチェーンが結びついた世界>

AI、IOT、ブロックチェーンが結びつけば、完全に自律的な組織ができます。分野によっては早く実現する可能性があります。
例えば、電車の運行などはDAOとして運営できるし、自動車の自律運転が実現すればそれを運用するDAOの重要性も増すと思われます。
近未来の世界では、多くの人は自分で車を持たず、必要になった時に※ウーパーで呼びます。
これはSUberと呼ばれ、ブロックチェーンで運営されており、その人の好みの車種などが記録されます。呼ぶと近くにいる車が知らせてきて、利用者は目的地までの時間や料金を考慮して最も望ましい車を選びます。
重要なのは、DAOとして運営されていることであり、自分で料金を稼ぎ、燃料代や修理費を払い、保険契約をし、事故が起きた時には相手と交渉します。これが全て人間抜きで自動的に行われる点です。

自律型※eコマースもありえます。自律運転のトラック群が配送センターに品物を配送するサービスです。
配送センターではロボットが仕分けをして、品物を自律的に機能する配達ドローンに載せ、次にドローンが最終消費者に配達します。
最終消費者は返品したい品物があれば、ドローンが配送センターに持ち帰ることができるように外に出しておきます。
そうした個々の手順がスマートコントラクトのウェブ上で管理・実行されるのです。

※eコマース:コンピューター・ネットワーク上での、電子化された商取引全般のことで。


ⅲ様々な分野に応用可能な予測市場

<DAOによって公正で透明な予測市場が実現>

予測市場とは将来の出来事について賭けをする市場です。

例えば

①今年の夏は冷夏か?
②現政権は2年後も存続しているか?
③オリンピックで日本がメダルを50個以上とれるか?
④5年後に自律運転者が公道を走っているか?
⑤1年後のビットコインの価格は500ドルを下回っているか?
などです。

ブロックチェーンを用いた予測市場では胴元がおらず、不正行為が行われません。DAOで運営されることにより、社会的に信認される仕組みになりました。


<新しいタイプの予測市場のプロジェクトAugur(オーガー)>

エセリウムのプロジェクトの一つとして実行委されており、オッズの計算、賭け金の預かり、事実の認定、配当はスマートコントラクトとして自動で実行されます。
誰もが将来起こる事象を取り上げ、それを賭け事としてネットワークに載せることができます
ビットコインやETH(イーサ)を送金すればそれに賭けることができます。事実が判明するとそれに従って自動的に配当が支払われます。
AugurはAugur内で用いられるトークン(仮想通貨)のREPのクラウドセールを行い、500万ドル以上の資金調達に成功しました。

https://bitdays.jp/blockchain/cryptocurrency/rep/ 参考資料


<分散型事実認定>

従来の賭けは「結果がとうなったか?」は胴元が判定していましたが、Augurでは胴元がいないので事実の認定のために分散型事実認定と呼ばれる方法が用いられます。その仕組みは以下の通りです。

レポーターと呼ばれる人が募集され、彼らは予測の対象となる事象について、いかなる結果になったかを判断して報告します。
レポーターになるにトークン(仮想通貨)のREPをデポジットとして一定額保有していることが条件です。
大多数のレポーターが報告した事実と同じ事実を報告したレポーターは、賭けられた金額の一定割合を報酬としてもらえます。
異なった報告をした場合デポジットが没収されます。レポーター間の共謀を防止するため、多数のレポーターがいることが必要です。

Augurの詳細説明
https://bitdays.jp/money/blockchain/cryptocurrency/rep/


<予測市場の機能>

予測市場はクラウドソーシングの一種です。将来の予測について「みんなの知恵」を活用するものです。参加できるのは一般人だけでなく、専門家の知見を取り入れることもでき、専門家は予測市場で賭けを行うことにより専門知識に対する報酬を受け取ることができます
「予測の自己実現効果」(人々が予測を信じて行動すると、結果的に予測通りになること)を利用しようとする考えがあります。
例えば、ある国の政府が独裁専制政権で悪性を敷いたとします。これを打倒するために予測市場で「この政権が2年以内に崩壊する」という賭けを立て、この予測を買うことを募ります。崩壊の予測確率が高まれば打倒運動への支持も高まります。
「アラブの春」(2011年に中東で起こった大規模な反政府デモ)はSNSで広がりました。情報技術の進歩は専制政府打倒のための一つの手段を提供することにもなります。
予測の自己実現効果は技術開発にも効果があります。例えば、自動車の自律運転が早い時期で実現される予測が広まれば、企業は資金を投入し、人材を集める。その結果技術開発が加速します。

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