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「天才起業家とクソニート」とのコーチングセッション【会話録】

とあるベンチャー企業の社長とのコーチング。

会社経営と向き合い、人と向き合い、メンバーからも、役員からも尊敬されている素晴らしい社長。

1時間くらい話したコーチングの終盤で、どこか表情が曇っている様子。




社長「なんだか、誰かに自動操縦されてる感覚がしています」

私「いつからそんな感覚ですか?」

社長「ずっと。思えば、ずっと前からそう。結構前からずっと。起業する前から。人生振り返ってみて、ずっとそうです。」






私「どうしたいですか?」








社長「人格を2つに使い分けている感じがします。

社長としての”聡明で元気の良い、最上位の人格”を出動させていて、一方で家に帰って自分の空間になるとダラシなくなる、最低になるヤバい人格です。そして、そのヤバい人物に良い状態の自分が引っ張られている感じです。 

あ、「人格が2つある」って、人生で初めて認識しました。」

私「おぉおおお〜〜〜〜〜〜

それぞれの人格に名前をつけると何になりますか?」

社長「笑わないでくださいね、

”天才起業家”と”クソニート” です」

私「あ〜〜良いっすね、良いっすね。

じゃあちょっと、椅子を後ろに引いてもらっても良いですか?

今から俯瞰モードになって、2人の人格を見てもらいます。俯瞰モードから見て2人はどのように映っていますか?」

社長「天才起業家は笑ってますね、イキイキしています。一方で、クソニートは光を断ち、真っ暗な空間で1人でぼーっとしてます。

”人間らしいな”と思うし、”この人疲れるだろうな”と思います」

私「俯瞰目線から見て、彼らに何かアドバイスはありますか?」

社長「その人格を統合している1人の自分に対して、”天才起業家とクソニートが切り替わるきっかけ”、そこの理解をしてあげてほしい、と伝えたいです」

私「このアドバイスはしっくりきますか?」

社長「う〜ん80%ぐらいです」

私「適切なアドバイスができるモードにチェンジするなら、誰にチェンジしたいですか?友人でも、家族でも、アンパンマンやキャラクターでも。今の自分に刺さるアドバイスができそうな人は誰ですか?」

社長「お母さんですね。」

社長(お母さんモード)「”あなたらしいんじゃない、そのままでいいんじゃない”」こんな感じですね

私「わかりました。改めて、いつもの自分モードに戻ってください。

私が、”社長の俯瞰モードと社長のお母さんモード”になりきって、今社長が発したアドバイスをそのまま真似するので、聞いててください。」

私(社長俯瞰モード)「なぁ俺、天才起業家の時はイキイキしているけど、クソニートの時は暗い空間でぼーっとしてるよね。人間らしいなって思うよ。疲れるだろうなと思うよ。そしてアドバイスとして、まずは”天才起業家とクソニートが切り替わるきっかけ”、そこの理解をしてあげてほしい。」

私(社長お母さんモード)「社長、今のあなたも、あなたらしいんじゃない。そのままでいいんじゃない」

私「さて、こんなアドバイスを聞いてみてどうですか?」

社長「やっぱり、私は天才起業家モードでいたいですね。イキイキしている自分が好きだし、その方が調子が良いし、経営がうまくいっている感じがしていて、それは間違いなく過去の経験からみてもそっちの自分でいたいです。」

私「ちなみに今の自分は、天才起業家モードとクソニートモード、数値化すると何%:何%ですか?」

社長「51%:49 %ですね。ぎりぎり天才起業家モードに分がある状態です。」

私「理想は何%ですか?」

社長「100%:0%ですね。」





(これは、一過性の気持ちではないだろうか?)





私「本当に天才起業家100%でいたいですか?」

社長「はい。」

私「やっぱり、天才起業家100%でいたいんですね。」





社長「あ〜〜〜〜〜なんだか身体が重くなってきましたよ。49%のクソニートの輪郭がくっきり浮かび上がってきました。見たくないものがハッキリ見えてきました。うわ〜」

私「それはコーチ目線で見ると、とても良い兆候ですね。今、社長がご自身の”深い部分”で自分のスイッチを切り替えたからなんだと思います。

”51:49の自分から天才起業家100 :0の自分で生きる”、とスイッチが切り替わったからこそ、”クソニートの見たくない自分”に強烈な違和感を感じ始めてるんだと思います。

こっからは、すべて”天才起業家100”で生きましょう。

そして、想定される反動として”49のクソニート”が今後より顕在化されると思うので、それらを消そうとしたり、見て見ぬふりをしたり否定せず、ありのままに直視してください。紙に書き起こしたり、存在承認してあげてください。そうすれば、1ヶ月以内、早ければ1〜2週間でデトックスできると思います。良い感じですよ。

それで言うとまず今日、明日にでもできそうな些細なアクションってありますか?」

社長「ゴミ捨てですね。家の収納棚が少なくて物がソファに置いて見栄えが悪かったりするので整えたいです。クローゼットを起点に整理すれば部屋も綺麗になると思います。

あとは、クソニートは光を嫌うのですが、ちゃんと朝起きたら太陽を浴びて散歩する習慣をつけたいと思います。」

私「"部屋の乱れは自分の心の反映"なのですぐにでも整理してください。そして、"天才起業家として"無理せず、今の自分にできるところから始めていきましょう」

天才起業家とクソニートとのコーチングセッションより


コーチング終了後、社長から写真とLINEが送られてきた。

社長から送られてきたLINE

社長「次のミーティングまで散歩してみることにしました。2人の自分と向き合ってみます。家の周りにこんなに緑が綺麗な散歩ロードあることに初めて気づきました笑」



会社経営するにも、すべては「自分の習慣と心の状態」で決まる。

自分にとって大切なものを、大切にする日々を過ごしていきたいね。

つづく






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