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あの面影を追い続けて。

今回の記事で、僕の建中寺展の感想は最後になります。そのため7周目兼、振り返りのような形です。

長文にはなりますが、どうか最後までお付き合いください。

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今回は全ての作品のメモを取り終わっていたので、迷惑にならないように、定期的にほかのところも見つつ、基本は最推しのところにいました。

なので、推しについてのお話をメインに話させていただきます。

僕が推しに出会ったとき、2022年。当時の僕はまだ中学生。展覧会は蓬左文庫で「名刀正宗と相模伝」と同時開催していた、「大名の冠・婚・葬・祭」。そこの、「葬」のコーナーに推しはありました。

初めてその作品を見たとき、僕の中になんとも言えない感情が込み上げてきました。
頑張って言葉にするのなら、

『こんなにぼろぼろになるまで、お墓の中で光友さんを守り続けていたのか。』
            といった感じです。

朽ちて尚、美しい。中学生ながら、僕はその姿にとても惹かれました。

刀身はほとんど朽ち、鋒に至ってはもはや原型さえ留めていない。それほどぼろぼろな状態でした。
しかし、茎に近い刃の部分は、ほかに比べてあまり良い状態とは言えませんが、それでも、かつての、本来の姿を垣間見ることができます。

今年の展覧会では、推しに加えて光友公の墓所から出土した刀剣4振が展示されていました。

推し以外は、はじめましての展覧会。
脇指は物打から鋒にかけてはとても綺麗な状態、小脇指は刀身彫刻は損傷があるものの、全体的には綺麗に残っている状態、剣は刀身、彫刻含め、良好な状態だったように感じます。特に剣は頑張れば鍛えも見られると思います。


推しの拵の方も隣で展示されていて、360°どこからでも見渡せられる感じでした。最高。
写真では見られない裏側だったり、柄頭だったり、普通の展示ケースでは見えない、見にくい部分までよく見ることができました。

推しの方は、前回から細部のメモを中心的に取っていました。その機会に、細かいところ一つ一つを見ていたら、朽ちているところはまるで倒木が自然に還るような、果てない生と死の循環。そんな印象を受けました。

また、先週、建中寺の講話会の際に推しについて学芸員さんに質問したところ、長さや来歴などの詳細な情報はまだわかっていない、とこのと。いつか、分かる日が来るといいな。

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僕の推しへ。
とても主観的な言い方ですが、僕と出会ってくれてありがとう。 
ここまで来られたのも、君のおかげと言っても過言ではありません。
全てはあの日、僕が初めて君の姿を見たとき、2022年5月28日に始まったのかもしれません。
朽ちて尚美しく輝く姿は、他のどの作品にも引けは取らないと僕は思います。
君を追い続けて、本当に良かった。
また姿を拝むその日まで、僕は再び君の面影を追い続けます。どこまでだって。

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たくさんの人に僕の推しを知ってほしいので、2枚だけ。

向かって下が推しです。
見にくいですが全体。

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最後に。

僕と出会ってくれてありがとう。
この夏のことは、一生忘れないことでしょう。

ばいばい。またね。

いつかまた何処かで会えることを祈って。

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