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ジェノスの妊娠

「ただいまー」
ドアを開けた俺は目を丸くした。
「おかえりなさい」
迎え出たジェノスの腹が異常なほど大きかったからだ。
「誰の子だ?」と聞いてもそりゃ俺の子以外考えられない。
「お、おまっ、その腹は…」
「クセーノ博士に擬似妊娠装置をつけてもらいました」
「な、中身は?」
「胎児に模した人形が入っています」

サイタマは胸を撫で下ろした。男同士で赤ん坊が出来るなど予想外だ。

「そ、その…マタニティウェアが要るんじゃないか?」
「そうですね、今持ってる俺のどの服も入りません」

その時だ!
「せ、先生…吐き気が…」
!!
まさか!
「つ、つわりか?」
「つわりです」
早くトイレ!
その時ジェノスが
「擬似機能です。本当に吐いたりしません」

それにしてもなぜ妊娠を擬似体験したいと思ったのだろうか?

「先生の子を宿してみたかったんです…」
顔を赤らめながらジェノスは言った。

「それ、いつまで続けるの?」
「十月十日です」

本格的だな。
とりあえず俺は何をすればいいんだ?

続く

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