子どもの頃、私は極端に食が細かった。 同世代の子どもたちと比べて、身長も低かったし、 あばらぼねも浮き出ていた。 本人としてはいたって元気なつもりであったが、 「ガリガリ」と四文字で表現されても仕方がない体格。 母親や祖母を心配させるには十分であった。 どうしてこんなに痩せているかというと理由は単純である。 「食べない」からだ。 食卓について、料理が出てくると、心臓がどきどきし、 気持ちが悪くなり、ため息が出て、吐き気がしてくる。 食べ物が何であれ、とにかく喉を