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西新井大師の指輪

先日、足立区の西新井大師に行った。関東三代厄除け大師であり、何だかいいことがない日々が続いている身としてはお祓いも兼ねて行きたいと思っていた。
しかし、足立区と言えば、都内でも端の方で新宿や渋谷からでも1時間はかかる。お出掛けのたびに満員で座れない電車に懲り懲りしていたので、中々腰が上がらなかった。
だけど、時間が取れる時に必ず行くと決めていた。なぜなら、西新井大師では、「幸運の指輪」なるものが購入でき、それを身に付けていると1年以内に結婚出来たり、色々といいことが起こるというのだから。気になったのは、大師からのお授けものではなく、敷地内で出店している屋台で販売されているものだということ。何だかホンモノでは無さそうで怪しい…。自分の指のサイズにぴったりの指輪を選んでくれるというがその前に水晶に手を置かされるらしい。ますます怪しい。が、欲しい。常に身につけられる御守りのようなものが欲しかったのだ。御利益は薄いかもしれないが、巷で噂になるだけの力はあるのだ。行こう!

休日だが、メトロは空いており、電車に座ったまま到着。大師前の改札は、ICOCAのタッチパネルも無ければ駅員さんもいない。そのまま出てしまっていいのか迷いつつも出る。
駅の隣がすぐに西新井大師だ。
食べ物や達磨の屋台が並んでいる。指輪屋さんはいるのか?あった!ネットで事前に調査していたおかげですぐ発見できた。とりあえずは一安心。指輪はいただけそうだ。でもでも、まずは本堂へお参りだ。常香炉の煙を浴び、お賽銭を入れ、日頃の感謝と少しばかりのお願い事をする。
ゆったりとした境内を回り、初めての西新井大師を探索。厄除けで有名なだけあって、皆んな護摩焚きの順番を待っている。指輪よりこっちなのでは?との思いも一瞬過ぎるが、違う違う、厄除けより運を掴むんだ!攻めるんだ!と思い直し我慢。おみくじも一応引いてみたが、末吉だった。
そう言えば、指輪を買う時には簡単な占いもして貰えるらしい。せっかくなら良いことを言ってもらいたいと期待していたが、末吉を引いたことによって期待値が少し下がる。なんだか、まあまあなことしか言われないかも…。
ともかく!指輪を貰いに行くぞ!

西新井大師に到着したときは、人は並んでいなかったが、お参りを済ませて屋台に向かった時には自分の前に2グループいた。少し安心。
「指輪いただけますか?」
お店の人は優しそうな男性だった。少し中性的な話し方である。手を見せると、「うーん、サイズがあるかな〜?」焦る!あんまり目立たず、邪魔にならない様に小指につけたいのだ。私は、指だけは細い。シルバーとゴールドのうち、ゴールドを選ぶ。あっ!ぴったりのサイズの指輪がハマった!
その後、干支を聞かれ、結婚線はあるよとか、転職引越は今年はしない方がいいよとアドバイスを受ける。性格が男っぽいから甘える人を見つけなさいとのこと。
心にストンと落ちる。優しい口調も相待って、ああ、ここに来て良かったと感じた。お支払いをして終了。塩地蔵を拝み、草団子を購入し帰路に着く。
指輪はインチキかもしれない。同じ事を言われた人も沢山いるようだ。でも、いい。自分の気持ちがすっきりすればそれでいいのだ。
指輪のデザインはシンプルで模様が少しある。これまであんまりアクセサリーはつけてこなかった。周りに付けてる思われるのが嫌だという自意識過剰と、ぴったりサイズのものに出逢ったことがなかったからだ。この指輪は違う。不思議な事に違和感なく、付けていることを忘れてしまうくらいだ。きっとこの1年、私を守ってくれるだろう。

※追記:指輪をいただいて1週間。2ヶ月近く会えていなかった人と会えることになりそう。