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微生物にかなわない

今年も残り1ヶ月あまりとなってきました。なんだか2020年は大変な年だったなあ。自分はというと、あいも変わらず番組を作ったり動画を作ったりなんやかんやと企画を作ったりしています。たぶんこのまま2021年に突入していくのでしょう。

世の中は誰かが作ったもので溢れている

自分で作れるものは限られているので、必要なものの大半は他の誰かが作ったものです。いまこの文章を書いているキーボードも、PCもそうだし何ならボールペン1本でも自分で作れと言われたらそんな能力はない。なので誰かが生み出したものに囲まれて生活しています。

こういった工業製品は、どんなふうに使われてどれくらいの需要があるか、すでに蓄積されたデータによってわかっているので、その需要に合わせて作られています。自分で作れないからといって、ボールペンの長さが1mもあったり、価格が10万円ですとかになったらなんでやねんと思うわけですね。長さはせいぜい10センチ位で、価格は数百円程度のほうがいい。

こうやって誰かが生み出したもので、世の中は最適化していく

揺らぐ社会

2020年、振り返るにはやや早いですが今年は世界が揺らいだ年と言って間違いないと思います。どんなふうに書かれるかはわかりませんが、100年後の歴史の教科書には載っていることでしょう。

社会が大きく揺らぐとき、これまでとは全く異なる価値観やシステムに収束していくことは、歴史上なんども繰り返されています。それは戦争だったり、産業革命だったり、自動車や貨幣の発明だったり、きっかけは様々ですがあるところを境目に世界ががらりと変わる。いまそういうタイミングの中を生きているのかもしれない、という感じがありますね。

そうやって社会が大きく揺らいだあとの変化を経たあとは、もしかしたら1mの長さのあるペンが必要になっているかもしれないし、10万円の価格で取引される時代になるかもしれない、というのはやや大げさかもしれませんが、変化の程度としてはそのくらいの価値観の揺らぎは充分に起こりうると思っています。

誰かが生み出したもので社会が満たされ、最適化されてゆきますが、社会そのものが揺らいでいるときはその最適化に歪みが生じてゆく。そのとき変化に適応するきっかけになるのは、それまで全く相手にされなかった「1mのボールペン」のようなものかもしれません。

役に立つ、ウケる、儲かる、を横に置く

社会が揺らいでいるときほど、「これまでのルール」のもとで「役に立つ」「ウケる」「儲かる」の方向で最適化を目指すものから外れたものを生み出しておくことは、その次の社会につながる可能性が出てくる。

一見なんの意味があるのかわからないようなコンテンツや、ちょっと言ってることが意味不明な人。これまでの社会だと、最適化の枠組みから外れるようなポジションにあるモノや人が、突然脚光を浴びることがあるのが、揺らいでいる社会では起こりうる。今年の後半に入ってから、そういう心持ちで様々なものを作るようにしています。役に立たないからやらない、というような判断基準はいったん横においたほうがいいと思うのですね。

このような記事を書き散らすことも、いつになるかわからないけれど将来何かのきっかけになるかもしれないし、ならないかもしれない。

ほんとに意外なのですが、自分が書いているnote記事全体の総アクセス数のうちおよそ半分以上を、特定の1記事が稼ぎ出しています。しかも、1年以上前に書いた記事が、今年の後半になってから、です。なんらかのきっかけがあったのでしょうが、もはや理由はわかりません。そんなもんなのでしょう。

微生物に目的はない

今年の夏から、ダンボールコンポストにチャレンジしてみました。ダンボールに腐葉土や米ぬかなどをいれ、野菜くずなどの生ゴミを入れとくと微生物が分解してくれて熟成肥料になるよ、っていうもの。

モノによって時間がかかるのですが、投入した野菜くず等が分解されて無くなっていくのを見ていると、微生物の力はスゴいなあ、と感心しています。

彼ら微生物は、人類が誕生するずっと前からこの地球にいるくせに、誰かの役に立とうとか何かを生み出そうとか、ましてや儲かるからなどといった目的などは一切持たずに、何億年ものあいだこうやって有機物を分解し続けている。

ある時代においてはやり方が環境に合わずに淘汰されたヤツもいたでしょうし、結果として別の(人間のような)生き物の生存に貢献してるヤツもいるでしょう。

ただ彼らはそういうことはお構いなしに、ひたすら分解し続けている。そういう性質である、というだけのことです。

こんな揺らぎの中で生きる我々は、気持ちも揺らいでしまいがちです。わずか数十万年の歴史しか持たない我々人類では、微生物に到底かなわないのかもしれない。そんなことを考えながら、きょうもコンポストをかき混ぜています。

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そんな話が出るのやら出ないのやら。MBCラジオ「Radio Burn+」は毎週土曜18時から生放送。Radiko、YouTubeライブでもどうぞ。




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