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暗転を使いこなしたコント「ミスターメタリック」


今年もキングオブコントが終わっ(てしまっ)た。昨年に負けず劣らずハイレベルな大会で、特にビスケットブラザーズの1本目、コットンの2本目は完成度、爆発力ともに度肝を抜かれた。

得点上位組以外でも、様々な話題が生まれた。その1つが、ニッポンの社長のネタにおける暗転多用の是非である。審査員評によれば、暗転多用が裏目に出たとのことだ。ニッポンの社長のネタにおける暗転の善し悪しは正直私にはわからない(むしろ暗転前のケツの表情が面白すぎて爆笑していた)。ただ、私はこのとき、ある、以前のキングオブコントで披露されたコントのことを思い出した。2011年キングオブコントで、モンスターエンジンが披露した、「ミスターメタリック」である(タイトルが合っているか自信が無い…識者求む)。

ネタの内容としては、YouTubeの動画「ミスターメタリック登場シーン集」を見てみるというもの。ミスターメタリックとは、ある戦隊モノの助っ人ヒーロー的な存在で、メインの戦隊ヒーローがピンチになると毎回かけつけてくれる。

ミスターメタリックはメインの戦隊ヒーローのピンチの際、独特なBGMにのって、軽妙な語り口で自らの登場シーンを飾る。戦隊ヒーローの側が「助けに来てくれたか!」などと言うと、気の利いた一言で笑いをとる。そこまでの流れで1シーン。暗転するのである。

ポイントはまさにこの、気の利いた一言+暗転である。ここで暗転することで、再度明転し、BGMが流れ始めると、次はどんなことを言ってくれるのだろうか?と見ている側はワクワクしてしまう。BGM自体がクセになってくるほどだ。このワクワクは、一連の流れが繰り返される中で、右肩上がりに膨れ上がっていく。まさに暗転を使いこなした事例だと言えるだろう。


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