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3月の短歌と裏話

3月から短歌を詠み始めました。たまごむしパンです。
3月は投稿した分も合わせて200首ほど詠むことができました。
そのうちのお気に入りのものについて裏話を書いていければなと思います。

あなたとなら√-1でi マイナスでも愛になれる

数学の美しさを表そうとした歌です。言葉遊びですが、ちょっと面白い歌になったんじゃないかと思います。結構お気に入りです。

割り切れない3.14…続いてく どこまで行ってもあなたはあなたのままで

3/14で円周率を題材にした歌です。円周率は不思議で美しいなと思います。

空も飛べるはずと言われていざ飛ぼうとすると足がすくむんですが

スピッツの「空も飛べるはず」からできた歌です。あの歌は好きなんですが、無責任に空も飛べるはずと言われても、なんだかなあと感じてしまいます。この歌での「飛ぶ」は「飛び降りる」をイメージしています。この歌はブルースカイで人気でした。

夜明け前渋谷は青く澄んでいて眠りの中に落ちて消えてく

漫画「ブルーピリオド」で主人公の八虎が書いた渋谷の絵を題材にしました。一度渋谷でオールをしたことがあるのですが、渋谷の夜明け前の雰囲気は結構好きでした。この歌はXで人気でした。

灯油がさ今年最後の配達で名残惜しくてちょっと買っちゃった

ブルースカイで人気のあった歌です。灯油屋さんの来る音っていいですよね。「今季最後の配達です」と言われるともう春だなあと思います。

私にはできること何にもなくてただ立ち尽くすことしかできない

これは能登の地震を受けて書いた短歌です。自然に対しての人間のなすすべのなさを表現しました。

占いでは去年の冬に運命の人と会ってるはずなのになあ

前に占いをしてもらったときにそう言われたのですが、全く思いつく人がいません。何だったのでしょう。

120日後に私生きている保証もないから今お菓子食べる

120日という数字は音で選びました。正直1週間後だって生きている保証もないので、お菓子はたくさん食べておいた方が良いです。

「強くなりたい」と必死に願ってる 願ってるだけでなんもしてない

願ってるだけじゃ何も解決しないんですが、そうなっちゃいますよね、という歌です。結構好きな歌です。

普通のことなのに私はできなくて 靴擦れのかさぶたをなでる

日常の中でふと訪れる絶望感を詠みました。そういうことってありますよね。

ピンク髪光をまとってきらめいて君は主人公のままでいて

あんまり反応は良くなかったんですが、結構好きな歌です。
プリキュアの主人公をイメージした歌です。プリキュアの主人公はずっとキラキラしたままでいてほしいなあと思います。

カーディガン羽織って外に出たものの「くしゅん」とひとつ セーター着込む

季節の変わり目は服選びが難しいですよね。そういう歌です。

ラスボスを倒し英雄になる君の後ろ姿は僕だけのもの

勇者パーティーの一員目線の歌です。英雄に心を寄せている人の、ちょっとした独占欲みたいなものが表せたかなと思います。結構お気に入りです。

「死んでやる」覚悟決め今日決行日晴れわたる空なんかむかつく

死ぬ覚悟を決めたのに死ぬ日和じゃない、そんな歌です。

しましまのアイスを頬張り横を見るキジトラの君もチョコレート味

チョコバッキーをイメージして詠みました。キジトラ猫はしましまで美味しそうだなと思います。

カーテンの裏にあなたが隠れてる ふくらみで分かる猫の愛しさ

カーテンの裏に猫がいるだけでなんでこんなに愛しいのでしょうか?そんな歌です。ブルースカイで人気のあった歌です。

以上がお気に入りの歌たちです。
以下はその他の歌たちです。

HAPPY HAPPY HAPPYと猫が踊ってるのにかなしい

無機質なオフィス、緑は偽物で トイレで私ひとり泣いてる

戻るのか戻らないのか戻るのか いつの日かまた思い出すのか

他の人と比べて良いことなんかない なのに比べて自滅するひと

この世には猫と私しかいらない そう言い切れたら楽だろうにな

ホワイトデーあの子へお返し何がいい?意味を調べて抱える頭

ぺろぺろと我が子のように手を舐める猫のやさしさ 肌に沁みゆく

友だちと呼んでいた人それはもう過去の話で今は他人で

艶やかな白肌の上にあるタトゥー 赤みを帯びてぱっときらめく

「助けてよ」声にならない声上げて誰も気づかず通り過ぎる夜

 「はいどうぞ、あなたが当事者です」なんて 私はずっと傍観者でいい

度の強い恋愛に浸りむにゃむにゃと酔って暴れて迷惑かけたい

「はじめからそんなに好きじゃなかった」と言われ私はどうしたらいいの

「人生はメリーゴーランドだなんて誰が言ったの」私も思う

すんなりとハッピーな詩詠める君 何を食べたらそうなれるの

「でも君は」言いかけ口をつぐんでもなかったことにはならずお終い

白波のフリルを繋ぎ合わせては ほどいて岸に消えゆく端切れ

オイオイオイ死ぬわアイツと見守って転んだヤツを介抱してやる

「えっ今日は全員カレーライス食ってもいいのか!!」死亡フラグ

将来は結婚しようね言ったのに結婚したのか、俺以外のヤツと…

(ああどうか笑顔のままでいてください)祈りは青く澄んだ空へと

無謀にも前線に突っ込む君の後を「やれやれ」追いかけて殺る

いつもそばにいたから君の優しさは嘘じゃないこと僕は知ってる

私はね泣く子も黙るインドア派 誘われたってどこにもいかない

まどろみの中でぷうんと猫の糞の臭いが鼻をつついて起こす

「忘れてもいいのよ」と彼女は言った「いつかまた思い出すんだから」

はっとして見上げる青の彼方から ひらり落下傘の花が咲く

呼ぶ声に「うん?」と振り向き見てみてもあなたはいなくて風が吹くだけ

「良いことも悪いこともあなたとは全て共有したいのです」

冷めたミディアムステーキ温める チンの音が暗闇に響く

線路にさ吸い込まれていく足を理性で止めて今日も生きてる

「蝶よ花よ言われない蛾でも生きていて良いじゃないの、そう思わない?」

我を持つ蛾の気高さよ羽ばたいて夜を超えて昼も超えて

クラス替え新しい友だちできるかな出る杭を引っ込めて春

現実は解像度が高すぎてもう私クラクラ起き上がれないの

いつの日か不良になれたらいいのにな考え今日も早寝する夜

おみくじで決まるあの子の隣の席 神さまどうか当たりを引かせて

サブスクを切り忘れて早三ヶ月私はこんなに何にもできない

睡眠薬飲んでうとうと現実と夢の境でゆらめいている

お布団の猫のまるみのふくよかさ温かいけど冷たい気もする

あれ桜こんなところにあったのね見つけて気づく春の訪れ

死にたいな睡眠薬でふたをして明日の私がなんとかしてくれ

「運勢は誰が決めているの?」なんて野暮なこと言う君のことが好き

あと何回君と笑っていられるかな思いを伝える勇気もなくて

あなたのせいそんなことまだ言えないよ後は野となれ山となれなんて

死にたいと思う日々が増えていく生き恥さらして今日も生きてる

いつも言う別れ際のさ「また今度ね」もうたぶん会えないだろうけど

私はねまだ小さいから半人前いつか一人前食べてやるんだ

婦人科でセックスの有無聞かれる度にそんなこと教えたくないなと思う

医療ならプライベートを聞いても良いなんてことはないんじゃないの?

産婦人科で隣の妊婦見る度にえも言われぬ気持ち 私だけ?

春の光受けて命が芽吹いてく殻を破って生まれ直して

忙しない日々の真ん中水曜日プシュッと缶を開けて一口

インスタを始めてみたががどうやらね、アルゴリズムに嫌われている

お外はね怖くて危ないとこなのよ、素知らぬ顔の猫に伝える

手押しのさ信号押すのを忘れててみんなで待ってる謎の時間

明朝があまり好きになれなくてゴシックの角丸が大好き

空も飛べるはずと言われていざ飛ぼうとすると足がすくむんですが

胃がなんかそんな感じじゃないときに母の手料理に救われている

音楽をオルゴールにすれば許されるそんなことってあるのかしらね

妊婦がさ怖いと思う、思わない?一つの体にいのちが二つ

見える人曰くあそこはやばいらしい だけど正直なんも分からぬ

感想

今月は1日に6首ほど詠んでいた計算になるので我ながら頑張ったなあと思います。来月からはゆっくり詠んでいけたらなあと思っています。


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