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こんな母ちゃんでも良いのかな…

6歳の長男幸太、保育園から帰宅すると大好きな通信教育が届いていた。素直な幸太、すぐにでも開けたい気持ちを我慢して、「あけていい??」と母ちゃんに確認。

「もちろんっ、良いよ!!」って言ってあげれば良いのに。「荷物を片付けて、お風呂に入って、ご飯を食べて、クワガタのお世話が終わってからね」と寝る前に終えるべきすべての「おしごと」を伝えると、「うん」と返事がかえってきた。

鼻歌を歌いながらぜ~んぶを終えた幸太。時刻は20時。「ぜんぶおわったよ! あけていい?」ともう一度ちゃんと確認。

ようやく「もちろんっ」と言ってあげられたのに…。2歳の長女、花が「はぁなぁの~(涙・涙・大涙)」と、お兄ちゃんの封の中身をさわりたいと大号泣。「これならさわっても大丈夫」とこちらが差し出すものは、「いやぁ」と拒否。どうしても「さわらせたくないもの」がいいのだと全力主張。

あまりの号泣っぷりに、つられて0歳の次女、詩(うた)も大号泣。

2人の気持ちをなだめるには、母ちゃん1人じゃどうにもならない。かわりばんこにだっこしても、どちらも納得しない。

寝室にいくにはいつもより30分も早いけど、手をやいた母ちゃんは、「もうベッド行こう。電気消そう!!」と、寝室に向かいながら、背中越しに幸太に声をかけた。幸太はまだ、開封を楽しみにしていた包みを完全には開けていないのに。

ベッドに移っても泣き止まない花と詩。母ちゃんも泣きそうになって、3人をベッドに残し少しその場を離れた。

すると幸太、「オレが絵本読んであげよう!!」と、さっき開けたばかりの包みに入っていた絵本を読み始めた。覚えて間もないひらがなを。つっかえつっかえ、ゆっくりと。

「絵本なんか読んでも・・・」と思った母ちゃん。

……「そこに、いぬの、あかちゃんが……」

気づくと部屋の中には幸太の声だけが響いていた。

詩は身体をひねってお兄ちゃんをみて、花はベッドの柵につかまりながら絵本に釘付け。

言葉を失う母ちゃん。

やっとのことで、「……幸太、すごい!! ありがとう」ってそう言うと、間髪入れずに「良いよ良いよ、オレも絵本みたいから!!」と返してくれた幸太。

まだ6歳なのに。いつの間にこんな言葉をかえしてくれるようになったのか。いつの間にこんな助け舟を出せるまでに、大きくなっていたのか。

きっと、休みの日にいっぱい遊んでくれるお父さんのおかげ。きっと、いつもサポートしてくれる両親のおかげ。きっと、愛情いっぱいかかわってくれる保育園の先生方のおかげ。

でももしかしたら・・・・・・。幸太が生まれてこの6年、ずっと一緒にいる母ちゃんも、幸太の成長にプラスにかかわれているかな。

怒りっぽくても、いつもきみを真っ先にハグしてあげられなくても・・・。

幸太を見てると、「こんな母ちゃんでも、良いんだよ」って、言ってくれてる気がした。

だから母ちゃんも、「こんな母ちゃんでもダメじゃない」って、未熟な自分を受け止めてあげようって思った。



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