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在宅医療の連携強化に向けた意見交換会を開催しました

先日、中央区在宅医療の連携強化に向けた意見交換会を開催しました。

意見交換会のテーマは『ICT活用の実際』についてです。
医師・看護師・理学療法士・介護支援専門員等、多職種の方にご参加いただき意見交換会をしていただきました。


【テーマの背景】

令和6年度診療報酬改定にともない、医療DXが改めて重要視されている。医療DXは業務効率化も含め、在宅医療におけるシームレスな連携が求められている。医療機関や訪問看護等の連携にとどまらず、介護との連携も特に重要視されており、今回の診療報酬改定内容に反映されている。ICTツールをどのように活用することで算定の基準を満たすのか、他関連事業所との連携の方法等、在宅医療現場での実際の活用法をどのようにしていくのか疑問点を抱えている医療機関や事業所がある。今後、課題に向けて、在宅医療の現場において疑問解決や必要な運用方法を検討していく必要がある。

【目的】

在宅医療におけるICTツールの実際の活用方法について、在支診や訪問看護・ケアプランセンター等、現在の連携状況の実際も含めて意見交換等行いながら疑問点解決や連携強化に繋げていく。

【ご参加医療機関・事業所等で使用されているツール】

・患者、利用者情報や経過記録等での使用に関して
かいぽけ、ココナース、ケアノート、PubcarePro

・チャット機能等に関して
MCS、LINEWORKS、Chatwork、Slack、Pubcare

【意見交換会でのご意見】

〔事業所A〕
 ICTツールを導入出来ていない。
個人情報の保護の面と規模が大きいので準備に時間がかかっている。今準備段階なので今後使っていく方向ではある。

〔事業所B〕 
 チャット機能を活用し、先生と利用者さんの日々の情報や採血結果の画像等を共有している。導入したことによって、情報のやり取りがスムーズになり楽になったとスタッフからも好評。

〔事業所C〕
ICTツールを使えば先生へ電話をするという障壁を軽く越えることができる。皮膚の状態を画像で共有ができ、先生からのコメントも確認することができ、こちらの安心感に繋がり、皆とも共有できる。先生への電話は、往診している可能性もあるためためらってしまう。チャットツールに内容をあげておくと事務や看護師の方が確認をしてくれることもあるので、レスポンスが返ってくるのが早く連携が取りやすい印象がある。しかし、働き方改革の部分では、課題がある。医療機関によっては、投稿する時間の取り決めがあるが、スタッフによっては夜間など自分の投稿したい時間に投稿するスタンスの方もおり時間を越えてまでも仕事をしていることがあるため、改善が必要。

〔事業所D〕
いろんなツールを使って、費用対効果を考え使い分けている。色々なツールを対外的に個別で使い分けるのは不便を感じる部分ではある。

〔事業所E〕
 ICTツールを結構使っているが、どこにどこのツールで送って良いのかわからないという課題がでた。それに対しての対策は、経過記録に、初回訪問時必ずツール名を入力し確認している。時間外での投稿に関しては、勤務終了時には通知OFFにして、送りたいときにおくるで対策をしている。これは、ICTのいいところではあると思う。

〔事業所F〕
 通知に関して個人携帯を使っているので、基本的に通知オンをoffにするっていうのはしていない。そのため、オーバーワークになってしまう懸念がある。しかし、24時間での連携っていう部分では情報が早く確認ができるので良い面もある。

〔事業所G〕
日々の記録とチャットツールを流す所で、2つ記録をつくるっていうところになっている。簡単にするため、携帯で記録をして、ツールとツールのコピーをとって貼り付ける形で作業をちょっと短縮できた。携帯を使うと個人の部分にも今現在はなってしまうので、そういったところで、少し課題が残っている状況。

などなど、皆さまより沢山のご意見や課題、工夫点等いただきました。

【意見交換の結果と今後の取り組みに向けて】

ICTツールに関して、導入をできている事業者も多くある一方、コストやセキュリティ面等によって導入ができていないところもある。
導入している事業所等は、医療機関や事業所によって独自のルールやツールの違いによって不便を感じている部分はあるようだが、確実に利便性は上がっている。ICTを導入していても、電話やFAXを多用する部分はあり、徐々に置き換えれる部分を変えていくとよりスリム化できる。その他、ICTの導入に満足せず、今後もより最大限にICTを活用できるよう引き続き意見交換会等を通してより地域での連携をシームレスにできるよう活用方法を協議・検討していく必要がある。

上記をふまえ、引き続き研修会や意見交換会等行い、より在宅医療の連携強化に向け活動していきたいと思っております。

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