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すべてはFile Makerから始まった

我々のプロジェクトが本格的に始動したのは2019年でした。
しかし、
その原型はクリニックが開業して割とすぐに出来上がっていました。
それがFile makerを使ったデータベースです。
クリニックの開業は2010年です。
外来だけでなく訪問診療(往診)も当初から行っていました。
訪問診療を始めたときにすぐに大きな問題に直面しました。
訪問診療は膨大な書類が必要になるのです。
例えば、訪問看護ステーションに介入してもらうには訪問看護指示書
介護保険の利用者であればケアマネージャーなどへ居宅療養指導情報提供書
それぞれ保険点数がついているため、
医療機関の収入にもなりますが、
最初は手書きではじめましたが、
これを作成するには大変な手間や負担と膨大な時間を要します。
患者数が数名のときはまだ問題がありませんが、
数十名になるともう無理です。
すぐにデータベースの構築と帳票の出力をできるようにする必要が
出てきました。
当時の電子カルテでは外来向けのものでもあり、
訪問診療で使う帳票に対応した機能などもちろんありません。
どうしようかと考えたときに出てきた結論がFile Makerの活用でした。
私は大学病院で臨床や研究をしているときにFile Makerに出会いました。
File Makerは「データベース管理ソフト」です。
専門知識がなくても自分で使いやすい「データベース」を構築できます。
大学病院では最先端の治療と研究を行います。
診療を行いながら研究を同時に行うわけです。
研修医当時は大学病院といえど電子カルテではなく紙カルテでした。
今では信じられないですね。
治療や手術が終わって病棟に帰り、
カルテを記入したり看護師に指示を出したり、
患者さんの容態を確認してひとしきり診療が済んでから研究が始まります。
研究と言っても実験室に入って行うものだけでなく、
患者さんのデータから新たな知見を得ることも立派な研究です。
当時は医療者はほとんどがマックを使っていました。
マックにしかないソフトウェアなどが多かったのがその理由です。
治療のレポートをFile Makerに打ち込みますが、
それが「研究用のデータベース」になります。
統計のデータを出すのにもFile Makerを使用していました。
研究のために新しいパラメータが必要になったら、
「データベース」を改変していました。
紙カルテだったため、
新しいパラメータを追加したら地下のカルテ庫
古いカルテは別棟のカルテ庫まで行って
古いカルテを探してデータ収集してFile Makerに打ち込んでいました。
それも夜中から深夜の時間を利用してです。
コツコツした積み重ねが医療を発展させていくのを実感しました。
このときの経験が開業後の大きなペインを一挙に解決してくれるとは、
人生とはわからないものです。
もし、あの時File Makerに出会ってなかったら、
私の人生はまるで違ったと思います。
私は日曜日をまるまる1日使って帳票機能を作り上げました。
これはその後制度変更による書式の変更や、
必要に応じ体裁を整えたりなど小変更は加えていますが、
10年以上使い続けることができています。
若いと体力も知力もあるなと今振り返ると思います。
このFile Makeの帳票機能は大きなイノベーションで、
エポックメイキングだったと思います。
それがその後Pubcareへとつながっていくからです。
その後クリニックはすぐに患者数が300人ほどになり、
複数医師体制になりました。
今でもFile makerで患者情報を院内で共有し、帳票の出力も行っています。
いまでいう医療Dxの走りですが、
今でもこれがなくてはクリニックは動きません。
これをいつか社会のインフラにしたい、
そういう気持ちは自然にわきましたし、
当院に研修にきたドクターが欲しがることからも手応えを感じていました。
ただそれをどう実現するか?
当時はまだPHRやEHRについても非現実的なものが多く、
これをどう融合させるかも解を持ち合わせていませんでしたが、
オンライン診療の話が出てきたときにこれだと思ったわけです。
File Makerはいわば院内のデータベースですから、
院内のプラットフォームなわけです。
これが医療機関通しでつながれば医療の生産性は劇的に向上します。
現在Pubcareのリリース後に医療従事者向けにPubcare proを展開、
現在改良を続けており、これに帳票機能を設けました。
PHRに医療データを誰が入力するかと言う問題がありますが、
この帳票機能で医療者のDxが進めばEHRになります。
Pubcare proは介護の帳票にも対応しています。
Pubcare proの利用は無料で、利用者は伸びていっています。
今後利用者が増えていくと使いやすさや便利さは倍加されていきます。
すでに誰か別の医療者がEHRとして入力していると、
別の医療機関や介護現場でもすぐに情報が共有できるからです。
新しい患者や利用者の情報を集めたり、整理する時間が大幅に減らせます。
この辺りは医療や介護の実際の現場を知らない人からは、
浮かびようがないアイディアだと思います。



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