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合同誌未経験者が合同誌の編集を担当することになった話

皆さまご機嫌よう、はるしおんと申します。このポストは表題の通り、合同誌に寄稿したこともなければ、合同誌というものの編集をしたこともない私が、あっという間に成り行きで合同誌の編集になってしまい四苦八苦したことの記録になります。noteでの投稿はこれが初となりますので、乱文乱筆ご容赦いただければと思います。

自己紹介

私、はるしおんは、趣味としてTRPGと呼ばれる遊びを嗜んでいます。その中でも特にパラノイアRPGを好んでおり、シナリオ執筆、ゲームマスタリングを主に行なっています。ここまでで既に「TRPG?」「パラノイアRPG?」となっている方がいらっしゃるかと思いますが、まぁそういうジャンルに生息している、程度に考えていただければ。なお「パラノイアRPG、噂には聞くけど何買えばいいか分からない……」って方に関しては、如才さんの書かれた「はじめてのパラノイア!」がわかりやすいかと思いますので、こちらにリンクを貼らせていただきます。

普段は友人と結成したサークルでパラノイアRPGのシナリオを執筆して、コミックマーケットやBOOTHにて頒布しています。よかったら見ていってくださいね。

パラノイア部

さて、ここからが本編です。今回の合同誌の発行主体は、チャットサービス「Discord」上に開かれた日本最大のパラノイアRPGファンコミュニティ、「パラノイア部」です。

そのパラノイア部の構成員がまもなく300名の大台に達しようかという頃、せっかくだから記念の企画でもやりたいね、ということになったんです。そう、これだけならば合同誌の編集になるなんていうビッグイベントは、発生しないはずだったんです。

はるしおんの思惑

ここでふと閃いたことがありました。昨今のコロナ禍で、執筆した作品の主な発表の場であるコミックマーケットは開催されず、シナリオを書くのが大好きな私は発表の場を失って少々モヤモヤした気分になっていました。で、思いついてしまった訳です。

「企画としてみんなでシナリオ本作れば、発表の場にできるのでは?」と。

自分から外堀を埋めていくスタイル

このアイデアをサーバーで提案してみると、なかなかに好感触を得られました。特にサーバーのオーナーが乗り気でしたね。で、そのサーバーオーナーが言っていたのが、構成員が300人になってから書いても遅いから、スピード感のある感じでやりたい、なんなら今始めるくらいでいいかもね、ということでした。

と言う訳で、たたき台程度になればいいかなと思って書いちゃいました、企画書。

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今思えば迂闊です。企画書を書いた人間がどうして企画側に携わらずにシナリオを執筆するだけで済みましょうか。

ちなみにこの企画書は最近noteでも話題沸騰中のNotionで書きました。好きなんですよね、Notion。便利ですし、学生なら(.edとか.acみたいなメールアドレスを持っていれば)無料で使えますし。これが後々編集業務の大きな助けになることを、私はまだ知りませんでした。

で、とりあえず書いた企画書をサーバーオーナーに提出したんですよ。反応はこのようなものでした。

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そんな訳で、あれよあれよというまに私は編集担当、というか「編集部」の一員になってしまったのでした。

はじめての合同誌編集

企画書はNotionで書きましたが、皆さんの原稿をNotionで書いてもらう訳にはいきません。理由は3つ。

・執筆のために新しいツールを使ってもらうのは学習コストが高い(ことNotionはそれが顕著)。
・ブロック式の構造を持つNotionはコピペすると行ごとに空白が入ってしまい、後々DTPソフトで編集するにあたって不都合。
・ブロック式の構造を持つが故にレイアウトの自由度が高すぎて、これまたDTPソフトで編集するときの労力がドえらいことになる。

そういう訳で、参加者の皆さんにはGoogleドキュメントで執筆してもらい、それをNotionで書いた企画書上にリンクを蓄積、情報を一元管理して、校正などが済んだのちにDTPソフトに流し込むことにしました。Googleアカウントならこのご時世、大抵の人が持っていますからね。

Googleドキュメントは書式のひな型を用意して、それに倣って書いてもらうことにしました。やっぱり合同誌とはいえシナリオ集なので、書式は統一してある方が見栄えが良くなる、というのは参加者や編集部の共通認識でした。

さて、シナリオの初稿を入稿したら、相互査読とテストプレイでクオリティコントロールです。この辺りで各参加者が入稿した原稿の表記揺れ撲滅運動を始めたのですが、若干遅きに失しました。やはり表記揺れが発生しうるものは執筆開始前にあらかじめ洗い出してリストにして参加者に提供すべき、という知見が得られましたね。

そして最終稿を入稿してもらったら、あとはDTPソフトで誌面を作っていきます。今回、参加者の皆さんが原稿を書いている間は編集部のお仕事はあまり忙しくなかったので、あらかじめ誌面デザインをする時間ができたのは幸運でした。ただし、経験不足ゆえか、やはりサンプルテキストだけでなく実際の原稿を流し込んでみないと最終的な見栄えが分からなかったので、先に上がった原稿を1本だけ流し込んで誌面デザインの調整を先にやっておく、というのも手かもしれません。今回我々は原稿をある程度流し込んでから誌面調整のためにデザイン変更や原稿の再流し込みを行う羽目になったので、〆切当日まで作業を行うことになりました。

さて、ちょっと脱線してNotionのお話です。今回Notionがその機能を存分に発揮したのは工程管理です。大きなタスクをDatabase機能にまとめ、かつそのDatabeseを新しく実装されたTimelineビューで見て各工程の〆切を管理、大きなタスクの配下の子タスク・孫タスクをDatabeseの中にチェックボックスで管理することで、全体の進捗状況を俯瞰することができました。

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これの何が素晴らしいって、やらなきゃいけない作業の中でも、〆切に迫っているタスクを手早く視覚的に発見することができたり、進行中にボトルネックになっているタスクを可視化してアサインしなおしたりすることができるんです。

しかもこのNotionページにすべての情報を集約するだけでなく、提出されたGoogleドキュメントの原稿を埋め込むことで、閲覧性が高く、情報を独立させないためのハブとしてのドキュメントができる、という塩梅です。

Notionでの情報連結のしやすさと、Googleドキュメントでの編集やアクセスのしやすさを両立したこの運用は、少なくともこの合同誌制作においてはかなり効果的に機能したと考えています。

そんな訳で、時と場合によってはNotionだけでなくGoogleドキュメントも併用することで非Notionユーザーとの共同作業はうまくいくかもしれない、というお話でした。

あ、最後に宣伝です。今回私たちが制作したパラノイア部構成員300人記念合同誌「市民の名誉ある偏執的奉仕」はエアコミケ2にて無料で頒布いたします。10人の著者がパラノイアRPG初心者向けのシナリオ13本を執筆したこちらの本は、パラノイアを始めたいあなたのガイドブックになること間違いなし!是非ダウンロードしてくださいね!

市民の名誉ある偏執的奉仕

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パラノイア部

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