CHANGES

「アイツ、変わったなぁ。」
「アイツ、変わらないなぁ」

いいイメージなのはどちらだろうか。

人は「変化」に厳しい。世間一般の意見によると、変わることは基本的には「良くないこと」なのだ。

テレビに出ないと言っていたアーティストがテレビに出た。
1人で生きていくと言っていた先輩が結婚した。

「変わったなぁ」と言われる。
思う理由があってテレビに出たとしても、守りたい大切な人に出会えたのだとしても、「変わったなぁ」と言われる。
人は、「変わってはいけない」という呪縛の中で生きている。

しかし、実際変わらないことはいいことなのだろうか。

自分は、今日より明日の自分の方が輝いていたいし、今日より明日の自分の方が「今が楽しい」と思っていたい。
その積み上げた先にある何かを「成長」と言うのであれば、どうしたって成長には、何かしらの変化が伴う。

昔から、今生きているこの時間こそが自分のここまでの人生の総決算だと思っている。

頑張って生きた総決算
成り行きで生きた総決算

人それぞれ、色んな総決算がある。

別に、絶対に頑張って生きなきゃいけないなんてことはない。ただ、なんとなく、成り行きで生きていると「変わらない」人生になる。

変わらない人生を過ごすのは人の勝手だ。
自分はそこそこ頑張って生きていきたいタイプだけど、3割の力で生きていきたい人もいる。そういう人を否定してはいけない。自分に何かが降りかかって来ない限り、人様の神様を否定しちゃいけないのだ。歩み寄らなければいけない。

でも、頑張っている人ってのは、ゆるく生きてる人間をディスりがちだ。
自分も、同じ職場とかだと、迷惑が降りかかってきたときはディスってしまう。それはこちらに降りかかってきてるんだから許して欲しいけど、自分になんの被害がなくても「なんとなく緩く生きてて気に食わん」とディスる人もいる。
自分も、緩く生きてるのになぜか変に背伸びしている人や、甘ったれているクセに自分を正当化しようとしている人はディスってしまう。ほっときゃいいんのは分かってるんだけど、ほっとけないのはお子ちゃまだからか。

その逆パターン。緩く生きてる人が頑張って生きてる人をディスることもある。
そのときによく聞く言葉が「アイツ、変わったなぁ。」なのだ。

まぁ、そりゃそうである。書いた通り、成長には変化がどうしたってついてくる。「変わらないアンタ」と「変わるアイツ」、いつかのある日のレベルが同じ50だったとして、アンタが51レベルへと緩やかに変化している間に、アイツは80レベルになったのだ。

「変わらないアンタ」からすれば、これは焦燥感に駆られる出来事だ。焦燥感に駆られたら、自分を正当化して自身を保とうとする。この場合の自分を正当化するということは「変わっていないということを正しく見せる」こと。
そう、世間一般の意見によると、変わることこそ「良くないこと」なのだから、出てくる言葉は1つ。
「アイツ、変わったなぁ。」だ。

大先輩が、最近そういった「変化」をテーマにした音楽を作った。その音楽の中では抽象的な変化について語っているだけで、なかなか要領を得なかったので、直接聞いてみた。その人は答えた。

「変わるっていうのは、マイナスなこと。だけど生きていると人は変わっていく。でも変わらないところは持ってなきゃいけない。変わらないために、変わるんだよ。」

納得した。
自分も「変わったなぁ」とマイナスの感情で思うことがある。それは、その人の持っていた大事な部分が変わってしまったときや、失われてしまったときだ。
自分の中の核となる部分は、変えずに持ってなきゃいけない。それ以外は、色んなことに触れて、感じて、変えていかなきゃいけない。それが、成長していくってことかもしれない。

「変わらないために変わる」という言葉は、きっと自分の中に強く残るだろうなと思った。

これから先、自分のことを変わったという人が出てくるかもしれない。その人たちに言ってやろう。「自分は、大事なことを変えないために変わり続けているんだ」と。

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